・はじめに・
こちらは、『キズナバレット』の仮想卓ログ#3です。#1は こちら からどうぞ
全部オレ状態なので、多少のぎこちなさはご容赦ください。
基本ルールブックに掲載されているシナリオ「キリング・ナイト」を改変しております。
・画像について
マップは、すぎた屋さんが配付されている無料マップ素材をお借りしております。
カットイン風のものやエネミーのアイコンはピクルーのメーカーで作ったものです。
記事の最後に改めてクレジットとして記載しております。
・前回のあらすじ・
焼き肉食べたり、海外マフィアに所属する別バレットに釘を刺されたりしながら、情報を集めてキズナを深めた(?)
え? ハウンドは焼き肉食べてない? お前は一人の食事じゃなければ誰とでも良いのか!?
ハウンド
名前:世良華音 年齢:享年16歳
ネガイ:復讐(表)/善行(裏)
耐久値:33 作戦力:6
キズナ:
【ピアノ】母が教えてくれた ←ヒビワレ
【自宅】帰れないからこそ帰りたい
キズアト:《善舞器官》
ヒトガラ:
過去:小さな希望 遭遇:帰宅途中
外見の特徴:おでこ ケージ:お洒落
好きなもの:歌 嫌いなもの:音楽鑑賞
得意なこと:ピアノ
苦手なこと:騒がしい場所での会話
喪失:聴力、ためらい
リミッターの影響:不安定
決意:戦う 所属:SID おもな武器:小太刀
ペアリングマーカー:
位置:背中…興味 色:緑…安らぎ
イメソン:『このピアノでお前を8759632145回ぶん殴る/SLAVE.V-V-R』


オーナー
名前:佐伯蒼太 年齢:26歳
ネガイ:善行(表)/究明(裏)
耐久値:21 作戦力:11
キズナ:
【菊地隼斗】親友、”人間”のお手本。今は居ない。
【一人の食卓】過去に残る孤独の原風景。
ヒトガラ:
過去:失踪 経緯:好奇心
外見の特徴:張り付いた笑顔 住居:同居
好きなもの:水煙草 嫌いなもの:一人の食事
得意なこと:知恵働き 苦手なこと:本音で話す
喪失:痛覚 ペアリングの副作用:依存症:煙草
使命:問い 所属:SID おもな武器:グロック19
ペアリングマーカー:
位置:首…執着 色:青…信頼
イメソン:『火星人/ヨルシカ』
▽調査フェイズ 二週目
世良華音 : これは提案なんだけど、今回のシーン、判定先にして情報出してからRPしていいかな? アタシじゃなくて、佐伯が情報を統括して喋る、ってシーンがやりたい。
GM/プロンプター : いいですよ。でも前借りなのでダイスは増えません。
世良華音 : 大丈夫。失敗しても進行度は増えるので。…何に使うのかまだよく分かってないのもあって、励起値はちょっと諦めてるかも。
調査判定 [1] > [失敗] 調査進行度 : 5 → 6
調査シーン2:世良華音
調査表・ベーシック(26) > 報告の整理:バックアップの調査員から報告が集まっている。話を聞きに行くか、書類に目を通してみよう。
「――以上のことを踏まえて、奴が次に狙うのはSトリーホール、と僕は考えている」
佐伯蒼太は、コープス・コーから頂いた資料と、SIDからの情報を照らし合わせ、仮説を立てる。
食卓の向かいでは、むくれ顔の世良華音が木匙でお茶漬けを啜っていた。
彼女が『まだ夕飯を食べてない』『シャワー浴びたい』とごねたので一時帰宅したが、残り物とお茶漬けの素を出してから、ずっとこの調子だ。
「……佐伯は焼き肉だったのに」
「この件が片付いたら連れて行って上げるから」
「叙々苑」
「叙々苑…!?」
いつの間にかランクが上がっている。
「ところで、どうしてSトリーホールなの?」
「よく聞いてくれたね」
いくつかの印が付いた地図と、とあるコンサートのチラシを並べる。
「Sトリーホールでは明日の夜、年に一度のスペシャルコンサートがある。ここでは毎年、有名な奏者や楽団を招いて『今年一年を素敵な演奏で締めくくりましょう』っていう趣旨のイベントを開催してる。夜間とはいえ外の広場でも出店があるようだし、人出は多い。ーー芥ハジメは、死体の残らぬ福音汚染よりも、派手な殺しを選ぶようなやつだ。目撃された範囲とも重なるし、イベントの夜に合わせて行動を起こす可能性は非常に高いと考えている」
一息に説明して華音を見る。彼女は、半ば雑炊のようになった茶漬けを木匙で口に運び、コクリと1つ頷いて見せた。
お茶漬けに限らず、華音は食事に時間をかける。そんなスピードでは、最後の飯粒は水分を吸いすぎて発芽してしまうのでは?
「具体的な作戦は?」
「一般人を巻き込まないよう、SIDの権限で周囲を封鎖し、この広場で迎え撃つ」
地図の該当箇所を示す。
「残念ながら、コンサートは中止せざるを得ないだろう」
「そっ、そんなのダメだ!」
華音が大きな声を出すのには慣れたものだ。ただ、食器が跳ねるほど机を叩くのは珍しかった。
「だって、年に一回しかないってことは、この日をずっと楽しみにしてた人が沢山いるんだよ!?それを土壇場で中止なんて、絶対ダメ!」
「本当に残念だが、こればっかりは仕方ない。コンサートは来年もある。身の安全には替えられない──」
「来年なんて無いかも知れないじゃん!!」
華音は今一度、佐伯の言葉を強く遮った。
彼女がそこまで熱くなる理由がわからなかった。華音が続きを話してくれるのを、暫く黙って待っていた。
ギュッと握った両の拳をテーブルに置き、口を引き結んで俯いていたが、ややあって彼女は深く息を吸い込んでから口を開いた。
「……っもうすぐ、合唱コンクールだったの。みんなでたくさん練習して、やっと形になってきて。もちろん、上手くいくことばっかりじゃなかったけど、だんだんクラスが纏まってきてた。当日には母さんも父さんも来てくれるって言ってくれて。…アタシすごく楽しみだった! 明日なんて、当たり前に来ると思ってたっ!」
話すうち、彼女の頬に雫が伝い、ぱた、とテーブルを叩いた。
「もう二度と、アイツら――キセキ使いとかいう奴らに、誰かの晴れ舞台を台無しにされたくない! させない! ……そんなのアタシが許さない!」
世良華音は、袖口で乱暴に目元を拭って顔を上げた。
佐伯はテーブルに肘をつき、両手の指先を合わせる。
言わんとしていることは理解する。だが、現実的では無い。この場合、優先すべきは…。
「華音、コンサートを中止にしたくない理由は分かった。しかし、それは君の理想だ。言葉だけの理想では誰も動かせない。中止案を否定するなら、大人を説得出来るだけの代案を用意すべきだろう。果たして君にそれが出来るのか?」
諦めさせるにしても、少し言い方が冷たすぎたか?たとえ嘘でも、もっと彼女の気持ちを慮った言葉を使うべきだった。
フォローしようと口を開きかけたところで、
「分かってる! だから佐伯も手伝え!」
華音が、食べかけで冷えきったお茶漬けを脇に退けて、周辺地図や建物の図面を広げた。
「――……あははっ」
「はぁ? お前、なに笑ってんだ! アタシは真面目に――」
「ごめんごめん。僕も真面目にやるよ」
どうやら、彼女にとって佐伯は”説得すべき大人”にはカウントされていないらしい。
▽交流シーン 二週目
十二月二十八日。
世良華音がアーク・カラヤン広場に戻るころ、時計は夜の七時を回ったところだった。
Sトリーホールの正面広場には、さっぱり人気が無くなり、誰に見られるデモ無い噴水が、寂しげな水音を響かせていた。

これだけ無人だと遠目からでも噴水前に人が立っているのが見える。ポケットシーシャで甘い煙を噴かしているのは華音の相方だ。
普段は、気を遣ってか華音の前では吸わないが、この甘い香りには覚えがある。
いつも優しげな表情を崩さない佐伯が、煙を吹かしている今は、むしろ表情が乏しくどこか冷たい印象だ。しかし、華音は逆にほっとしていた。
善人然としたあの微笑や困ったように笑う表情は、やはり作り物だった。他人に興味が無さそうで、今最高につまんないです、とでも言いたげだ。
華音が近づくと、ようやく帰ってきたのに気がついたのか「あっ」と慌ててポケットシーシャを仕舞った。と同時に、その顔に表情が戻ってくる。
「煙たかったかな? ごめんね」
「別に吸ってて良かったのに」
「それで、どうだった? 計画は順調?」
「順調。観客は従業員用の裏口から入場しはじめてる。街に現れた芥ハジメも、此方に向かって行動を開始。予定通りのルートで誘導して貰ってるから、30分もすればこの広場に現れるはずだよ」
華音と佐伯が考えたのは、観客と芥をいかに接触させないか、だった。
観客は裏の通用口から入場させ、芥ハジメは人払いが済んだ広場で迎え撃つ。理論上は簡単だが、それぞれどのルートを使うか、どこに人員を配置すればいいか。考えることは山積みだった。
昨夜、華音は疲れて途中で寝てしまったが、佐伯はパズルでも解くように一晩中計画を練っていた。
「順調ならよかった」
さっきの冷たい表情が嘘の様に、優しく微笑んでみせる。
(この嘘つきめ……!)
「……もしかして佐伯、怒ってる?」
「どうして?」
「アタシが言い出しっぺの割りに、結局殆ど佐伯に手を煩わせた」
それに、仕事前の一服も邪魔したようだし。
「うーん……別に怒ってないよ」
佐伯はあさっての方向に視線を向けて、少し考えてからにっこり笑って答えた。
「ただ、華音は一つ覚えておくべきだ。――SIDは特権的な組織ではあるが、警察に所属する一部署であること。これ以上大きな被害がでる前にキセキ使いを抹消するのが、僕たちの仕事だ。つまり、市民の命を守ることに他ならない。それを心に留めて置いてくれ」
「ご、ごめんなさい」
あまりにも正論パンチすぎて、言葉も出ない。
普段なら、言われなくても解ってる、と食ってかかるところだが、感情にまかせて無理を通させている以上、口答えなど出来ようか。
「随分素直だね、どうしたの? こんなの気にしなくていいんだよ。僕は君の親でも、教師でもないんだし」
「でも飼い主だ」
佐伯は少し驚いた様な表情で、ただ「そうか」と言ったきり黙ってしまった。
「……佐伯は、どうしてアタシに何も言い返さないんだ? 咄嗟に手が出たり、怒鳴ったり、たくさんするのに。…どうして、ワガママを通してくれる?」
それこそ、佐伯の方が愛想を尽かして見捨てられても、文句も言えない。
「昨日の朝も言ったけど、僕は君の気持ちに寄り添いたいと思ってる。…下手くそなりにね?」
「…嘘くさい」
佐伯は華音を安心させるためか、にこっと笑って見せたが、その笑顔も薄っぺらいものに見えて鼻白んだ。
「佐伯の言葉が全部嘘っぽく聞こえるのは、結局誰かの真似だからだ。どれも佐伯の心から出た言葉じゃない。本当はアタシのことどう思ってるのか、本当はどうしたいのか。自分の言葉で言って欲しい。…下手くそでいいから」
佐伯は、華音の言葉を聞いて何故か悲しそうに目を伏せた。初めて見る表情だった。
「苦手なんだ、他人と本音で向き合うの」
「……そんなんで良く、仲良くしたい、なんて言えたな」
「華音、君に余計なストレスをかけたくないんだ。わざわざ角を立ててギスギスしたくない。――僕たちの関係は長く続かない。わかるだろ? 最後まで良好な関係でいたいんだよ」
「佐伯の言う、良好な関係って、なぁなぁで波風立てず過ごそう、ってこと? ふざけんな! アタシはお前の好きな物一つ知らない。そんなんで相棒なんて言いたくないんだ」
「……………………はは。今更お互い『ご趣味は』なんて、改めて聞くのも変だろ。…やめてよ」
顔はいつもの困り笑顔だったが、その声音は何故か悲しそうだった。嫌われたくないのか、嫌いたくないのか。解らないがその両方のような気がした。

「…私は歌うのが好きだった。母がオペラ歌手で、ピアノも習ってたんだ。でも聞こえが悪くなってから、楽器にも触らなくなっちゃったな。――佐伯にもなんかあるでしょ、好きな物。何が好きなの?」
「……」
佐伯は何故か苦虫を噛み潰したような顔をしていた。これも初めて見る表情だ。
「――さっき吸ってたのは、電子煙草ってやつ? ちょっと違うか。水煙草っていうのかな。佐伯の部屋にもあったよね、こういう…変な形した瓶にパイプが通ってるヤツ」
「ちょっとまって。君、僕の部屋入ったの?」
今度は片眉をつり上げて、少し怒ったような顔になった。
「入ってない。ドアのところから、棚に並んでるのが見えただけ」
「あぁ、よかった。……もうしかたないかぁ」
観念したのか、本当に困ったような顔で言葉を続ける。
「僕がさっき吹かしてたのは、持ち運びシーシャ。本物とはちょっと違うけど、便宜上シーシャと呼ばれてる。ニコチンタール不使用だけど、やっぱり煙草だから、未成年の君に見られたくなかったな」
「隠しても匂いで解る。部屋にあるのは本物?」
「部屋にあるのは本物。…本物の水煙草はニコチンもタールも入ってるから、あの匂いがする時は、絶対に僕の部屋に入っちゃダメだよ」
「ふーん、ちょっとかっこいいじゃん。アリスに出てくる芋虫みたい。……そもそも、未成年って言ってもアタシはもうとっくに死んでて、これから成長する事も無いんだから、目くじら立てる必要も無いと思うんだけどな。真面目ちゃんかよ。それとも、チルタイムは人の皮被って無いから、話し掛けないで、ってこと?」
「…あぁ、まぁねそうだよ! 本当の僕は他人に興味が無いサイテー野郎で、自分のテリトリーに他人を入れたくないんだ。笑顔で会話も出来ない。そんな自分が嫌いだから、出来る人の真似をしてる。――これで満足?」
「言えたじゃん。よろしく、不器用な相棒」
「相棒っていうなら、僕の化けの皮剥ぐようなことしないで。頼むからさ」
佐伯が珍しく深いため息を吐いて、ポケットから持ち運びシーシャを取り出す。
「吸うんだ」
「もう隠してても意味ない。君に興味を持って欲しくなかった…」
なにかを諦めた様な表情で、ケミカルな香りの煙を吐き出す。
これも初めて見る顔だ。
「華音、僕は案外君のことが気に入っているんだ。なんていうのか…安心する。君は直情的で、裏も表も無い。人の心解らない属としては、それぐらいはっきりしてる方が、付き合いやすいな。――どうか、そのままの君で居てくれないか、僕のK9」
くゆる煙が、佐伯の微笑をぼかす。それが妙に儚い物に見えて、華音は目が離せなくなった。
「お、おぉ……。…きゅ、急にそういうこと言うな! 照れるだろ!」
肩口の辺りを、ぽかぽかと殴りつける。相変わらず、響いてはいないようだった。
[ 佐伯 蒼太 ] 励起値 : 5 → 6
[ 世良 華音 ] 励起値 : 5 → 6
――――――――――――――――――――――――――
インタールード
[ 佐伯 蒼太 ] 励起値 : 6 → 7 [ 世良 華音 ] 励起値 : 6 → 7
▽キズナの獲得
世良華音 : アタシは、やっぱり『焼き肉』かな。
佐伯蒼太 : 「一緒に食べる約束した」もんね。
僕は、『世良華音』
世良華音 : 佐伯って、出来ないこと他人任せにしそうだから、「苦手な荒事も華音が居ればどうにかなる」ぐらい思ってそうだよな。
佐伯蒼太 : 愚問だね。苦手なことに拘るより、人に任せた方が全体の効率は良いでしょ。僕が得意なのは知恵働きだよ。
[決戦]
Sトリーホールの正面広場は鮮やかな電飾で彩られ、噴水の水音も涼やかだった。しかし、今その全ては無人の静寂に沈んでいる。
黒いパーカーを着たチンピラ風の青年が、足をフラつかせながら辺りを見渡しやってくる。芥ハジメだ。
「あ゛ぁ? …おい、なんだこれ! どういうことだ……誰も居ねぇじゃねぇか!?」
「やぁ、今晩は。いい夜だね」
「お前が芥ハジメだな」
目の前に、青年と少女が立ちはだかる。
「あ? んだ、てめぇ。邪魔だ、消えろ!」
瞬間、芥ハジメを中心に銀色の霧が立ちこめる。
「出会い頭に福音汚染とは、穏やかじゃないねぇ」
「なっ!? なんで動ける…!? 何なんだよ、お前らっ!?」
「うるせぇ! 男のくせにごたごた言うな! こちとら正義の味方だ! かかってこい、悪党!」
華音が啖呵を斬り、佐伯に右の拳を差し出す。佐伯は芥ハジメから目を離さず一瞬好戦的に笑って、リードを嵌めた左手の拳を、その上から打ち下ろした。いわゆるフィスト・バンプ。これが彼らが示し合わせた――開戦の合図だ。
【リリース方法:フィストバンプ】
脅威度:10 生命値:4
終了条件:芥ハジメ(エネミー)の[戦闘不能]
・生命ダイス・
5 5 5 5

GM/プロンプター : お待ちかねの[決戦]フェイズです。
ココフォリアの画面をご覧ください。
佐伯蒼太 : はい先生! エネミーの側にあるダイスが気になります!
世良華音 : はい先生! 「Switch」ってなんですか?
GM/プロンプター : では1つずつ説明していこうね。――まず、このダイス。これは[生命ダイス]と呼ばれる敵のHPです。生命値と同じだけ置かれて、戦闘開始時のダイス目は5固定。攻撃を受けると出目が5→4→3…と減って全部削りきると生命ダイスを破壊できるよ。
世良華音 : 5点以上が出せれば、一撃で破壊することも可能ってことか。
GM/プロンプター : 果たしてそう上手くいくかな…。敵を攻撃するためには、<戦技>というスキルを使うのですが、そのコストとして支払うのが【励起値】。両名、励起値幾つかな?
佐伯蒼太 : 二人とも7点だね。
世良華音 : …あれっ、意外と少ない?
GM/プロンプター : 励起値は、毎ラウンド[キズナ]の数だけ回復したり、破壊した生命ダイスの数だけ割り振ったりできるよ。そしてなんと、次ラウンドには持ち越せません。上手く使ってね。
佐伯蒼太 : 毎回使い切った方がお得ってことだね。
GM/プロンプター : そうですね。――そして、[スイッチ]ですが。
世良華音 : 2が出てるのは知ってるぜ。
GM/プロンプター : 任天堂さんのヤツじゃ無いです。…これがまさに『キズナバレット』の戦闘における美味しいところなんですが、お二人にはアタックPCとサポートPCを入れ替えながら戦ってもらいます。
佐伯蒼太 : <戦技>っていうのが、PC固有のスキルとかじゃなくて、アタックとサポートで別れてるのはそういうことか。
GM/プロンプター : はい。アタックPCとサポートPCを入れ替えることを[スイッチ]と言うんですね。毎ラウンド、一人1回アタックPCとして行動可能。で・す・が、戦況や励起値との兼ね合いにより、[スイッチ]せずにラウンドを終える事も可能です。
……この[スイッチ]ってルール、いわゆるゲーム的な「手番進行」と違って、PCが能動的にスキルを使って戦ってる感じがして、…とても美味しいよね。二人もそう思うよね?
世良華音 : ちょっとやってみないとよくわかんないな。
佐伯蒼太 : 頭使いそうな気もするけど、案外感覚的にいけそうな気もする。
GM/プロンプター : そして、サポートPCには毎ラウンド開始時にやって貰うことがあります。それが[作戦判定]。相手の手の内を見透かすかっこいいやつです。この判定に成功すると、敵の強力なスキルが弱体化したり、良ければ無力化できます。ただし、サポートPCしか行えません。この判定で使うのが【作戦力】。
世良華音 : オーナーの強みだ。基本ステータスとして、ハウンドは耐久がたかく、オーナーは作戦力が高い、んだったよな。
GM/プロンプター : そうですね、作戦判定はぜひオーナーにやって貰いたいところ。
サポートPCは、任意の数だけ励起値を減少させ、その数だけダイスを振ります。ダイスロールの結果に【作戦力】を加算したものが、敵の脅威度以上だった場合は成功となります。今回のエネミーは脅威度10。
佐伯蒼太 : ちょっとまってね、[スイッチ]1回ではハウンドがサポートになってラウンド終了してしまうよな。毎ラウンド開始時にオーナー側がサポートPCでなきゃ困るから……これは思ったより励起値がカツカツかもしれないな。
GM/プロンプター : それでは、張り切ってラウンド進行を始めて行きましょう!
ラウンド1
▽作戦判定
[ 佐伯 蒼太 ] 励起値 : 7 → 6
1DM > 2+11 13 成功
佐伯蒼太 : 作戦判定は失敗無いから良いなぁ。
世良華音 : 私のオーナー、作戦力たかすぎっ!?
佐伯蒼太 : 一番作戦力高い組み合わせは、素で12になる、究明(or善行)/無垢のオーナーかな。
▽エネミーアクション
芥ハジメ : 〈福音凶鳴〉
攻撃/自身/制限シナリオ1回
ダイスを[PC人数+2]個ロールする。ロールしたダイスから出目の低い順に[PC人数-1]個を選び[スタック]を行なう。その後、[残ったダイスの出目の合計]点のダメージをすべてのPCに与える。
4b6 (4B6) > 5,4,3,2
出目2をスタックして、計7の生命ダイスが一つ。他12点を全てのPCに与える。
・生命ダイス・
7(5+2) 5 5 5

「俺は強い…! 気に入らないモンを全部消しちまう力を、テンシ様からもらったんだ! もちろん、お前等みたいな、意味の分からねぇ奴らもだ!」
銀色の濃霧は芥ハジメの周囲で細かくうごめき、次第に無数の鏃となった。彼が手をかざすと、銀弾の雨が華音と佐伯を襲う。
「走れ、華音」
佐伯の声を合図に、華音が無数の鏃の中を器用に駆け抜け、距離を詰める。佐伯が放った弾丸が的確に鏃を打ち落とし、華音のために道を空けた。
佐伯蒼太 : 戦技〈警告する〉宣言 励起値 : 6 → 5 ダメージ軽減 (1D6) > 3
世良華音 : 戦技〈走り抜ける〉宣言 励起値 : 7 → 6 ダメージ軽減 (1D6) > 6
[ 佐伯 蒼太 ] 耐久値 : 21 → 12 [ 世良 華音 ] 耐久値 : 33 → 27

▽PCアクション
世良華音 : 戦技〈機動射撃〉宣言 励起値 : 6 → 2
攻撃 2DM > [1,3] > 3
佐伯蒼太 : 戦技〈追い撃ち〉宣言 対象の攻撃威力+2 【励起値】2 励起値 : 5 → 3
世良華音 : これでダメージは5点。スタックされてない生命ダイスを一つ吹き飛ばす。
最後に、戦技の効果でスイッチだ!
[ 芥ハジメ ] 生命値 : 4 → 3
一息に距離を詰めた華音は、袈裟斬りに刀を振りかぶる。
浅い…!
所詮、少女の細腕だ。いくら業物といえ、その威力には限りが――。
芥が余裕を見せた刹那。刀を振り切る速度が加速し、彼の身体を切り裂いた。
華音が振り切った小太刀の峰を、佐伯の弾丸が的確に叩いたのだ。あたかも槌のように。
「な、なん、だとっ……!?」
あっけにとられた次の瞬間、芥の目の前から少女は姿を消していた。
一体どこに、と視線を彷徨わせると、笑顔でグロック19を構える佐伯と目が合った。
佐伯蒼太 : 戦技〈単発攻撃〉宣言 励起値 : 3 → 2
攻撃 1DM > [2] > 2
世良華音 : 戦技〈追い撃ち〉宣言 【励起値】2 励起値 : 2 → 0
佐伯蒼太 : スタックされてる7点の生命ダイスに計4点ダメージ。
追加行動
…両者なし。
ラウンドの終了
佐伯蒼太 : ここで、戦技〈ポジションチェンジ〉宣言 即座にスイッチ! 励起値 : 2 → 0
▽励起値の調整・分配
[ 佐伯 蒼太 ] 励起値 : 0 → 3 [ 世良 華音 ] 励起値 : 0 → 4
・生命ダイス・
3 5 5
ラウンド2 開始
▽作戦判定
[ 佐伯 蒼太 ] 励起値 : 3 → 2
1DM > [4] > 4+11 15 成功
▽エネミーアクション
芥ハジメ : 〈銀刃の一閃〉
攻撃/単体(アタックPCのみ)/制限なし
対象に[3D]点のダメージを与える。PCが[作戦判定]に失敗している場合、与えるダメージを[5D]に変更する。[アタックPC]のみ対象にできる。
〈破壊のキセキ〉:
解説参照/自身/制限シナリオ(PC人数人数÷2)回
[タイミング:攻撃]のダイスロールを行なった直後に使用する。ロールしたダイスから2個まで選び、その出目を5に変更する。ただし、《福音凶鳴》には使用できない。
3b6 (3B6) > 2,4,6
出目2.4を5に。ダメージ合計16。
世良華音 : ライフで受ける! 耐久値 : 27 → 11
▽PCアクション
世良華音 : 戦技〈機動射撃〉宣言 励起値 : 4 → 0 攻撃 2DM > [4,2] > 4
佐伯蒼太 : 戦技〈ブラインドショット〉宣言 対象の攻撃威力+1 【励起値】1 励起値 : 2 → 1
世良華音 : ダメージ計5 これで、スタックしていない生命ダイスを1個破壊! 最後に相棒にスイッチだ!
[ 芥ハジメ ] 生命値 : 3 → 2

芥は、銀霧からナイフを取り出すと、後衛の佐伯に突撃しようとするが、お前の相手はこっちだ、とばかりに華音が間に飛び入り小太刀でナイフを受ける。
佐伯の弾丸が肩口をえぐる。それを楔に華音の小太刀が振り下ろされ、右腕が肩から吹き飛んだ。若いキセキ使いは悲鳴を上げたが、一度放たれた死神の弾丸は止まらない。
そう、死神の弾丸は止まらない。たとえ自分を自分たらしめる過去が砕けても――。
佐伯蒼太 : ここで[出力過多]を宣言。励起値の前借りをさせて貰う!
ヒビを入れるのは、『一人の食卓』
エンディング
ココフォリアマップ……すぎた屋
エネミーアイコン……シルエットくん1
カットイン風アイコン……五百式カットインメーカー
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