・はじめに・
こちらは、『呪印感染』の仮想卓ログ#1です。
以下の要素が含まれます。
・公式ルールブック掲載シナリオ「最初の災い」のネタバレ
・死体を含むホラーおよび、グロテスクな描写
・凡ミス祭り
・「俗」の字の間違いをなかなか見つけられない
・一人GM・PL多数役
画像について
キャラクターのアイコンで使わせて頂いたピクルーのメーカー、並びに、ココフォリアで使用したマップについては、記事の最後でURLを掲載しています。
序
PL1 : GMさん、ちょっとリクエストなんだけどいいかな。
2ちゃんの洒落コワとか、オカ板みたいな、現代日本ホラーが体験できるTRPGをやってみたいんだよね。
GM : いくつか提示できるシステムはありますが…『呪印感染』などどうですか?
PL1 : それって、恐い?
GM : 割と軽率にPCが死んだり、行方不明になったりする、と聞いています。
なのでPC制作の過程で、次のPCとなる人物像を決める、という行程があります。
PL1 : いいねぇ、じゃあ今回はそれをやろう!
GM : 了解しました。
当方も初めて触るシステムなので、少し準備をしてきますね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

GM : それでは、PL1さんから、用意してきたPCの自己紹介をどうぞ。

PL1⇒加藤 アラヤ : 名前は加藤アラヤ。
年齢は二十歳。民俗学部に所属している男子大学生だね。
出自は[職人]…家が代々仏師の家系で、両親からも親戚からも、後を継げとせっつかれているよ。
容姿は、無面目/虚弱/不気味。普段から黒いマスクと、眼鏡をかけていて、人相がはっきりしないせいか、あまり他人から顔を覚えてもらえない。…まぁ、覚えてもらおうとも思ってないんだけどね。へへ。
[大切な人]は近所に住んでいる従兄弟、加藤アンゴ兄さん。俺のこと、弟みたいに思ってるみたいで、しょっちゅう様子を見に来てくれる。ウザい時もあるけど、……助かってるよ。
叶えたい願いは…[過去と秘密]に強く関わることだから、今はまだ言えないかな。
PL2 : 出自と名前が強そう。
寺生まれのTさんぐらい頼もしいです。
加藤 アラヤ : 寺生まれだろうが、神社生まれだろうが、どんなに”鉄板のお約束”を積んでも、平等に呪い殺されるシステムだと聞いています。

PL2⇒石田 ひより : 私の名前は石田ひより。
年齢は19。アラヤ先輩と同じ大学の、医学部に通っています。
出自は[医師]。両親ともに、地元の病院に勤めるお医者さんで、私自身もそんな二人を誇りに思い、将来は誰かを助けられる立派なお医者さんに成ろうと思っています!
容姿は、可愛い/健康的/明るい。おっちょこちょいな所もありますが、明るく純粋で清潔感があり、誰からも好かれる性格をしています。日々触れあう他者との”ご縁”を大切にしていて、うっすらと”運命の出会い”のようなものも、しんじていたりします。
[大切な人]は、幼なじみの松田アスカ。家族ぐるみで交流があって、殆ど姉妹みたいに育ってきました。
叶えたい願いは、誰かを救いたい、ですね。
加藤 アラヤ : なに、シンデレラ症候群なの?
石田 ひより : 少し違いますね。
私は理想の人を求めているのでは無く、きっといつか良い人に出会える、と思っているだけです。。
加藤 アラヤ : 弱恋愛脳なのか。相容れないなぁ…。
GM : PC紹介が無駄にならないことを祈りましょう。
加藤 アラヤ : それでは張り切って呪われよう。
石田 ひより : レッツ感染ですね。
▽準備フェイズ・日常表
行動順:アラヤ→ひより
【初期希望】+3
[宿命]セット
[ 石田 ひより ] 希望 : 4 → 7
[ 加藤 アラヤ ] 希望 : 3 → 6
[宿命]:6・4・3・3
(画像:宿命1)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日常表・PC1 加藤アラヤの場合
(5) > 「帰宅中」
『内容』PCの自己紹介後、仕事や学業から帰宅途中、何をしているかを簡単に説明せよ。
『終了条件』GMが自宅に到着したと宣言する。
加藤アラヤは、20時過ぎに最寄り駅の改札を抜けた。
アラヤの自宅は、駅から少し歩いた所にある安アパートだった。人通りの少ない夜道を帰路につく。
初春、未だ夜は肌寒い。
道中、電柱の影になにかの気配を感じたが、きっと猫か何かだろう。
(気のせい、か…?)
そうは思いながらも、背筋に冷たいモノを感じて足を速めた。
アラヤは、幽霊や超常現象などは信じていない。趣味として楽しんでは居るが、黒猫を忌避したりしないし、アルミホイルの帽子を被ったりしない。
だが、一人暮らしを始めた頃、自分で決めたジンクスが二つある。
一つ、嫌な空気を感じた日は、必ず21時までに自宅に帰る。
二つ、玄関に盛り塩を置き、週に一度は交換する。
ずぼらで信心深くも無いが、この二つだけは必ず守るようにしている。
何故か、破れば、気のせい、が気のせいでは無くなってしまうような気がするのだった。
アパートに帰り着き、部屋の玄関を開けようと鍵を取り出した時、頭上にある外廊下の蛍光灯が、ちかちか、と点滅し始めた。
比較的古い物件ではあるが、先月業者が電灯を交換しているのを見た。こんな短時間で切れるわけが無い。
(またか……)
「…チッ」
頭上の蛍光灯を睨んで舌打ちをする。すると不思議なことに、蛍光灯の点滅は収まった。
扉を開けて、三和土に上がる。
明かりを付けようと、壁のスイッチに手を這わせた。数度点滅して、部屋の明かりが付く。
「――…異常なし」
靴を脱ごうとして、アラヤの動きが止まった。
靴箱の上に置いていた盛り塩が崩れていた。
朝、家を出る際は崩れていなかったと思う。
よく見ると、ただ崩れているだけでなく、心なしか色もくすんで見える。
「……勘弁してくれ、縁起の悪い」
呟いてから、慌てて靴を脱ぎ自宅へ上がる。
三角錐の型と、粗塩を棚から出してくると、黒ずんだ塩は廃棄し、新しく盛り直す。
この夜は、玄関先と三和土に塩を撒いてから就寝した。
翌朝。
盛り塩は崩れていた。
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日常表・PC2 石田ひよりの場合
(9) > 「休日」
『内容』PCの自己紹介後、休日に何をしているか簡単に説明せよ。
『終了条件』GMが「そろそろ、明日に備えなければ」と宣言する。
休日のショッピングモール。
石田ひよりは、数人の友人達と映画を見に来ていた。
見に来たのは、最近話題になっている恐怖映画だ。恐怖映画は好きだが一人で見るのはちょっと…、という同士が集まっている。
午後一番の上映を見てから、喫茶店で軽食をとりつつ感想に花を咲かせた。咲いたのはもちろん、彼岸花だったが。
「そういえばさ、ひよりはこんな噂知ってる?」
「噂?知らないかも。もしかして、恐いヤツ?」
恐怖映画の話題から発展したのだから、きっと怪談話じゃないかしら、と首をかしげる。
「呪印感染だよ」
「あー、知ってる。変なチェーンメールのやつでしょ?」
ひよりが聞き返すより先に、別の友達が口を開いた。
「呪印感染…」
友人達は、SNSで流行中の都市伝説の話でひと盛り上がりしている様子。ひよりも、曖昧な笑顔を浮かべて話を合わせる。
数日前、たまたま講義で隣に座った子に、似たような話を相談された事を思い出していた。
変なメールが届いた。なんだか恐い。――と。
「あれって、メールが届いたらどうなるの?」
「そりゃあ、リングと同じで一週間以内に次の10人に回さないと……」
友人が、わざと低い声を出して、周りの子達の注目を集めてから、わっ、と脅かして、きゃぁっ、と小さな悲鳴を上げさせた。
「ひよりだったらどうする?呪われたメールが来たら」
「えっ……ええっと…」
咄嗟のことに、言葉を詰まらせてしまった。
「やめなよ、ひよりが困ってるじゃんか」
「あはは、冗談だって!本気にしないで」
「そ、そうだよね!ごめん、一瞬本当に考えちゃったよ。あーもー、恐い想像しちゃった!」
少し笑ってから、ほっと胸をなで下ろす。
(…ただの都市伝説だよね。呪いなんて、本当にあるわけ無いし)
夕方、友人達とは駅前で別れた。
彼女たちを見送ってから、自分も帰路につく。
怪談話を楽しんだせいか、心なしか夜道を歩くのが恐い気がして、日が沈みきる前に家に帰ろうと、足を速めた。
▽事件フェイズ
[導入]
あれから数日が経った。
時刻は21時を回ろうとしている。
石田ひよりは慌てて駅のホームへ階段を降りて行く。
(課題の資料探してたらこんな時間になっちゃった…!お父さんに心配かけちゃう。)
実家暮らしのひよりは、両親に遅くなる旨を連絡するため、ベンチの端へ腰掛けた。
『九時過ぎの電車には乗るから、心配しないで』
文面を打ち終わって、ホームを見渡す。
やけに静かだと思ったら、自分含めホームには二人の人間しかいなかった。もう一人は、ベンチのもう片方の端に座る青年だ。
「次に参ります電車は…」
電子アナウンスが流れ終わると、また静かになった。
あまりの静けさに、ひよりは過去の出来事を思い出す。
中学時代、同じクラスだった友達が、原因不明の怪死を遂げた。
なにかを悩んでいる様子ではあったが、結局詳しい話は聞けずじまいだった。
後から人づてに聞いた話では、”メール”や”痣”について、調べていたようだが……。
先週の休日、一緒に映画を見た子達が話していた話題を思い出し、ぞっとする。
まさか、そんなはずは無い。
気を紛らわそうと、居合わせた青年を横目で見る。
痩せ型で、少し猫背。丸眼鏡と、蓬髪。
どこか怪死したクラスメイトに似ている気がする。
(いやいや…直前に思い出したから、そんな気がするだけだよ。気のせい、気のせい……)
電車を待っていると、二人のスマートフォンが同時に鳴り、メールの受信を知らせた。
マナーモードになっていようが、イヤフォンをしていようが、無関係に鳴り響くので、否応なしに確認してしまうだろう。
差出人:juinkansen@xxxxx.co.jp
送信日時:1999年x月x日06:06
宛先:蜉?阯、繧「繝ゥ繝、 遏ウ逕ー縺イ繧医j
件名:呪印感染って、知ってる?
初めまして。突然ですが、あなたにご報告がございます。
残念ながら、このメールを受け取った際、あなたは呪印に感染してしまいました。
そのため、これからあなたには十の災いが降りかかります。
それがいつ起こるのかについては、わたしにもわかりません。
整理順の状況によっては、あなたに災いが降りかかることなく、一生を終える可能性もあります。
いずれにせよ、あなたは目前に迫る災いを自ら退け、日常へと生還しなければなりません。
さもなくば、あなたはきっと、恐ろしい死を迎えるでしょう。
何を言っているのか、わからないといった感じでしょうか?
しかし、これは仕方がないことなのです。
なぜなら、これらの理由はあなた自身の過去と秘密にあるのですから(あなたには、思い当たる点があるはずです)。
ただし、この呪いには見返りがあります。
もしもあなたが十の災いを退けたのであれば、あなたの願いをアカ□□□レイが、必ずかなえてくれます。
なお、この呪いは十の災いを退けるまで絶対に解けることはありません。
もし、この話を信じて願いをかなえたいのであれば、このメールをあなたの知り合い十人に送信してください。
もし、この話を信じないなら、このメールをあなたの知り合い一人に送信してください。
なお、メールを無視した場合、あなたは自動的に呪印者に選ばれてしまうので、あしからず。
いずれにせよ、選ばれた人は利き手の甲に呪印と呼ばれる刻印が浮かびあがります(それが、災いの起こる合図です)。
そして、十の災いを退けられなかった人は近いうちに必ず死んでしまいますので、どうかお気を付けください。
それでは、あなたが生還して最後に願いをかなえられえることを心からお祈りしております。
メールの内容を確認した次の瞬間、ばつ、と音を立ててホーム内の電灯が全て消え、あたりは暗闇に包まれた。
「ひゃっ!」
暗闇に目がなれてきたのか、それとも周辺の小さな電灯のおかげか、やがてホームの輪郭がうっすらと見えてきた。
すると、二人は線路の向こう側に〈なにか〉が経っていることに気がつく。
〈なにか〉は人間のような形をしているが、全身がのっぺりして起伏が無く、頭部も指も人間にしては細く、長すぎた。
しかも、全身が淡く赤色に輝いており、その容姿や服装を特定することができない。
その〈なにか〉は、二人が自分を見て居ることに気がついたのか、細い腕を手招くように動かしながら、口を開いた。
「見ツケタ…見ツケタ……迎エニ行クヨ……待ッテテ……待ッテテ…」
「……あ、あの…あれって」
自分の横に立つ青年にも、あれが見えているのだろうか?
青年を振り返ると、スマホのカメラを構えて、〈なにか〉の写真を撮っている。
「は…?」
「あー、…やっぱり映ってない。――もしかして、君にも見えてる?」
「えっ?それは、どういう…――」
ひよりが聞き返そうとしたとき、ホームの電灯が一斉に瞬いてから、すべて点灯した。
向かいのホームに目を戻すと、〈なにか〉は跡形も無く消えていた。
二人が呆然としていると、「間もなく、n番線ホームに…」と電車が到着するアナウンスが流れ始める。
アナウンスが流れ終わった直後、二人は利き手の甲に、刺すような痛みを感じた。
見れば、百足や毒蜂に刺されたかのように腫れ上がり、やがて青い勾玉型へと変化していく。
「ほう…これは興味深い」
青年は、視線の高さに右手を掲げ観察しながら言った。
「きょ、興味深いって…楽しんでませんか? あの、これもしかして――」
[呪印感染]とかいうものなのでは?
あり得ない、と思いながらも、その言葉が頭から離れない。しかしそれは、ホームに滑り込んできた電車の音で、掻き消されてしまった。
[呪印]の追加
[制限時間]の確認⇒6
[ 加藤 アラヤ ] 呪印 : 0 → 1
[ 石田 ひより ] 呪印 : 0 → 1
▽解決フェイズ・1
[シーン:邂逅]PC1 加藤アラヤ
場所表・飲食店
※所見表・事故からの救出 固定
加藤アラヤは焦れていた。
右手の甲に出来た謎の痣や、[呪印感染]については大変気になるのだが、直近で提出しなければならない課題の提出期限が迫っていて、それどころではなかった。
今日、ようやく晴れて自由時間を手に入れ、民俗学部の資料室に向かっている。
大学の敷地内。外壁塗り替えのため、足場を組まれた棟の近くを通りかかる。
妙な気配を感じて足を止めた。
見られている?
振り返ると、10Mほど遠くの方に、先日見たあの〈赤い影〉がいるのが見える。
他の人間には見えていない。そして、今はまだ直接接触してくる気はないらしい。
もっと対象をよく見ようと、眼鏡のブリッジを押し上げた、その時――。
「危ないっ!」
不意に、鞄を引っ張られた。その勢いに数歩後ずさる。
その直後、自分が今まで立っていた地面に、足場を組むための鉄パイプが、音を立てて突き刺さっていた。
足先五センチもないところに突き刺さり、未だ共振している鉄パイプから、目が離せない。
「わぁ、大丈夫ですか!?怪我ないですか!?」
振り返れば、軽く息を切らせた女の子が、両手でアラヤのリュックを掴んでいた。
よく見れば彼女は、先日駅のホームに居合わせた少女だ。
「怪我は無い、けど……まずは、ありがとう、なのかな…?」
「お安いご用です!怪我が無くて、本当に良かった!」
「えっと、君はあの時居合わせた子、だよね?」
「はい、石田ひよりと言います。医学部の一年生です。……まさか、同じ大学の人だったなんて」
「奇遇だね。俺は民俗学部の二年です」
「じゃあ、先輩ですね!」
しかし医学部? と首をかしげる。
ここは文化系の棟が集まっている。医学部は大きな通りを挟んで向こうの敷地にあるはずだ。
「はて…。この辺、文化系の棟しか無いけど、なにか用事があったの?」
「あぁ、そうだった!私、人を探しているんです。例の[呪印感染]っていうのについて、オカルトに詳しい人に相談したくて」
「オカルトに詳しい人ねぇ……」
「はい。オカ研に所属してる二年生で、夜な夜な降霊術をやってるって」
「俺もオカ研だけど、そんな人居たかな…。――まぁ、命を救われたことだし、案内がてらお茶でもおごるよ」
「良いんですか?ありがとうございます、先輩!」
二人はキャンパス内にあるカフェテラスで詳しい話をすることになった。
「それで、ひよりさんの探し人っていうのは、どういう人なの?俺が知ってる人かな?」
「『加藤アラヤ』さんっていう、民俗学部の先輩みたいです。すごくオカルトマニアで、呪いとか呪術とか言うのに詳しいって」
ひよりは、温かい紅茶が入った紙コップで両手を温める。
「…………その人が、夜な夜な降霊術を?」
「はい。烏を素手で捕まえて、羽をむしってる所を見たって人も居ました。足を切り落としてそのまま大鍋に…って、ここまで来ると嘘っぽいですけど。――先輩も、民俗学部の二年生で、オカ研なんですよね?知ってますか?」
「そいつのことならよく知ってる」
アラヤは視線をそらしながら、ずず、と珈琲を啜った。
「でも多分、降霊術はしてないし、素手で烏を捕まえたりもしないよ」
「よかった、本当に存在してるんですね。思ったより普通そうで安心しました。私、あんまり変な話ばっかり聞くから、友達に担がれたのかと。…あの、迷惑じゃなければ取り次いでもらえると嬉しいんですけど、可能でしょうか?」
「可能ではあるかな」
と頷いてから、どうぞ、と手を差し出す。
「……はい?」
ひよりは頭上に「?」を浮かべて首をかしげている。
「相談に来たんでしょ?だから、どうぞ、って」
「わ、私は『加藤アラヤ』さんに、相談を…」
アラヤは一度咳払いをしてから、おどけて言った。
「お電話変わりました、加藤アラヤです。ご用件をどうぞ」
「えっ………………!?」
がたっ、と音を立ててひよりは立ち上がった。
彼女は、大きな瞳が今にも零れそうな程瞼を見開いて、固まってしまった。
「俺が、オカ研所属、民俗学部二年、夜な夜な降霊術をして、素手で烏を捕まえる、すごいオカルトマニアの、加藤アラヤです」
「す、すみません…本人だなんて思って無くて。私、恥ずかしい……」
ひよりの顔は、今にも彼我でそうなほど真っ赤になっていた。
「大丈夫。あること無いこと言う知り合いなら、心当たりあるから。それは気にしてないよ」
「いえ、実は……友達にこの間のことを話したんですけど、全然信じてもらえなかったんです。手の甲の痣だって、私たち以外には見えないみたいだし。それで、オカルトの話なら詳しい人を知ってる、って」
「そうね、オカルト話は好きだよ。実際、あれから体験者として[呪印感染]についての論文を書こうと思ったぐらいだからね。問題はこの痣が、他人に見えないことだけど……」
「論文…?死ぬかも知れないのに、そんなことしてて良いんですか?」
アラヤはあまり慌てているようには見えない。信じていないのだろうか?
「確かに。君の言うとおり、少しは焦った方が良いのかも。まだ実感が湧いてないんだ」
「だけど、困りました。私一人では、何から調べたら良いか分からないんです。どうやって情報を集めたら良いか……」
「まずはやっぱり、[呪印感染]っていう例のワードから調べるべきでしょ。今現在、どんな噂が広まっているのか…どんなパターンがあるのか……。みすみす死にたくは無いし、協力するよ」
「良いんですか?よかった…!じゃあ、早速調査を始めましょう、アラヤ先輩!」
[シーン:邂逅]終了
【希望】+2
[感情]の獲得の有無
[ 加藤 アラヤ ] 希望 : 6 → 8
[ 石田 ひより ] 希望 : 7 → 9
石田 ひより : 私はここで感情を獲得します!
「好意」を。
私と違って変に慌ててないし、ちゃんとお礼が言える人だし、私よりオカルトの知識をもっていそうです!
加藤 アラヤ : 君は、他人の良いとこ探しが趣味の人間なんだな。
感情は取っておこうか。こちらはダイスを振ります。
感情表 感情表(1) > 尊敬
加藤 アラヤ : 尊敬。まぁある種尊敬か。自分と違いすぎてね……。

[シーン:状況]
状況表 状況表(1) > 「不運の連鎖」
事件が関係しているのか、PCたちの周囲で次々と不幸が起こり始めている。なんとかして、この連鎖を止めなければ……。
『使用可能能力値』【幸運】
[ 加藤 アラヤ ] ダイス : 0 → 2
[ 石田 ひより ] ダイス : 0 → 2
加藤 アラヤ : ここで、《過去と秘密》を使わせて貰う。
《恐ろしい約束》
ひよりさんの希望は+1 俺の方は相殺で-1か。
[ 加藤 アラヤ ] 希望 : 8 → 7
[ 石田 ひより ] 希望 : 9 → 10
石田 ひより : え、私だけ良いんですか?
加藤 アラヤ : まぁ、大丈夫でしょう…。
石田 ひより : その「大丈夫」は信じて良い奴なんですか?
[シーン:判明]

手番:アラヤ
加藤 アラヤ : 使える希望が多いひよりさんに、[判定]を任せるべきかな。
なら俺は[調査]を。
B-1を[名前記入マス]にして、早速B-2の[呪印感染]を開けます。
・呪印感染・
〈呪印感染〉とは、かつて流行した都市伝説の一種だ。
メールを受け取った物は、聞き手の甲に[呪印]と呼ばれる印が浮かび上がり、何も行動しなければ近日中に〈十の災い〉と呼ばれる死の運命が訪れ、最後には必ず怪死してしまうらしい。
加藤 アラヤ : 自分が持ってる《過去と秘密》と関係性を結ぶんだったな。
…《霊感》と結んでおきます。
GM : ではあなたは実感するでしょう。
自分はこの世のモノではない存在に執着されている、と。
自分たちを感じることができ、認めてくれるあなたに、ね。
加藤 アラヤ : 恐い恐い…。
…指定イベントは、「情報収集」が無難かな。
手番:ひより
石田 ひより : じゃあ「情報収集」に[判定]を振っていきます。イベントの【命運】は…17か。
ダイスを全部使うと、後の[効果軽減]で振れるダイスが無くなっちゃうので、一つは残しておこうかな。
と、その前にこちらも《過去と秘密》を使用。
《相談者》
[効果算出]に+4dです。コストは命運2d…。
※凡ミス発生中※

2D6 [1,6] > 7
[ 石田 ひより ] 命運 : 10 → 3
ダイス : 2 → 1
GM : それではここで、《正体》の一つを表しましょう。
《恐怖が好物》6・4
判定ダイス-2です
[宿命]:3・3
石田 ひより : あぁ、三つしか振れなくなっちゃいました…。
3D6 [1,4,6] > 11
希望を使って振り足します!
[ 石田 ひより ] 希望 : 10 → 9
1D6 > 6
石田 ひより : 私の「1」と、宿命の「3」を入れ替えて、最終的な数値は18。
イベント「情報収集」クリアです!
加藤 アラヤ : お見事。
[宿命]:1・3

「やっぱり、SNSで語られる話には、いろいろとパターンがあるみたいです。怪死が主なバッドエンドで、怪事件を退けた後に願いを叶えてもらえる。あるいは、”向こう側”へ連れて行かれる、なんて話も」
「共通しているのはあのメールと、……」
加藤アラヤは、時々どこか遠くを見ていることがある。視線を追ってみても、ひよりには何を見ているのか分からなかった。
「……アラヤ先輩?…先輩、何を見てるんですか?」
「あ、あぁ…。眼鏡の汚れが気になっただけだよ」
そう言って丸眼鏡を拭いてみせる。
「あの、この前、助けた時も気になったんですけど。アラヤ先輩は、度々何も無いところを凝視している用に見えます。もしかして…――」
「ひよりさんには、言っておこう。俺は、奇妙な事に見舞われるのが初めてじゃ無い。だけど、はっきり視認できる存在に絡まれるのは初めてだ。――俺たちは、あいつらに魅入られてしまったらしい。君もおかしなモノが見えるようになったら気をつけるんだよ」
「恐いこと言わないでください!ソレをなんとかするために私たちは頑張るんです!なに他人事みたいに言ってるんですか!」
[シーン:恐怖]
恐怖表(6) > 「隙間」
建物の影、ベッドの下、ふすまの隙間など……様々な死角から<なにか>の息遣い、気配が漂う。
[効果算出]PC2体に2+[呪印÷2]d。
3D6 [1,6,5] > 12
石田 ひより : どうしましょう。《無垢な魂》の効果を使って先輩を庇うべきでしょうか。
加藤 アラヤ : 待て待て、早まるんじゃ無い。
俺は俺でなんとかするから、ひよりさんの【希望】は君自身のために使うんだ。いいね?
《正体》を明かしてこない所を見ると、1・3では使えるものが無いらしいし。焦る必要は無いよ。

加藤 アラヤ : 【希望】を二つ使ってダイスを増やし、4dで振ろうと思う。
そしてここで《過去と秘密》を使用する。
《霊感》関係性を結んだことにより、コストなし。
[ 加藤 アラヤ ] 希望 : 7 → 5
ダイス : 2 → 0
4D6 [6,5,6,2] > 19
加藤 アラヤ : [宿命]ダイスの「1」と俺の「6」を入れ替える。俺の「1」は「6」になるから、最終的な値はかわらず19。
命運減少は0に抑えられた。
石田 ひより : テクいことしますね、先輩。
加藤 アラヤ : 俺は俺でなんとかする、って言っただろ。ひよりさんは自分の心配をしなさい。
石田ひより : 私は…そうですね。
【希望】を三つとダイスを一つで、私も4d振ろうと思います。
[ 石田 ひより ] 希望 : 9 → 6
4D6 [5,5,3,6] > 19
石田 ひより : [宿命]ダイスの「6」と私の「5」を入れ替えて、最終的な値は18。
命運減少0です。
[宿命]:5・3
解決フェイズ・1 終了
制限時間6⇒5
[宿命]補充 2d [4,2]
6・3・4・2

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
エンドクレジット
加藤アラヤ……色んなタイプの男の子
石田ひより……つつじメーカーβ
マップ……首塚首子様
⇒続