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【クトゥルフ神話TRPG】乾雅臣が行く『あ』【仮想卓ログ】

・はじめに・

 こちらは『クトゥルフ神話TRPG』(通称CoC)の仮想卓ログです。
 ゲームブック形式のKPレスシナリオやソロシナリオを回りたくて作ったキャラクターの軌跡#1となります。
 使用させていただいたシナリオのネタバレを含みます。PLとして通過したい方は観覧をご遠慮ください。
 気楽に楽しんだので、気楽に楽しんでください。
・画像について・
 キャラクターのアイコンはぴくるーのメーカーで作らせて頂きました。

KP : PLくん、CoCをやろうよ。
PL : 良いけど、急っ!
KP : KPレスかソロシナリオをメインに回れる探索者を作ってみて欲しいかな。神話的事象に巻き込まれて、心も体もバラバラになったり、それをまるっと忘れて無かったことにして生きられる”人間”をね。
PL : ――質問いいか。
 俺は純日本人探索者を造るつもりなんだけど、日本は基本中学まで義務教育だろ。EDUに固定値がほしい。もっと言えば、せめてデフォで高校は出ておきたい。
KP : 2d6+10とかにする?あんまり高い数値の場合は振り直して貰うけど、”最低でも高卒”という条件を満たしますね。
 はい、能力値振ってくださーい。

STR/筋力 (3D6) > [4,3,1] > 8
CON/体力 (3D6) > [4,1,2] > 7
POW/精神力 (3D6) > [6,6,5] > 17
DEX/俊敏性 (3D6) > [3,4,4] > 11
APP/外見 (3D6) > [3,3,1] > 7
SIZ/体格 (2D6+6) > [3,3]+6 > 12
INT/知性 (2D6+6) > [2,3]+6 > 11
EDU/教育 (2D6+10) > 8[5,3]+10 > 18

PL : おわ…もやしの高学歴、メンタルは鋼。顔はそんなに良くない。絵に描いたような陰キャぼっちオタクじゃん。頑張ります……。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

KP : それで、君は何者なんだい?
PL→乾 雅臣 : 名前は乾雅臣。技能は、基本ルールブックに掲載されてる医師をベースに取得しました。
 あと、技能ポイントたくさんあったんで、使えそうなものを片っ端から取りましたよ。
KP : たしかに「ちょっとカジって飽きた」みたいな技能の取り方だね。

通過シナリオ
 『水視/ウズラ様』『シナバーの誘惑/インクの棲様』『新約・あなたは神を信じますか?/ゆめかわ高カロリー研究所・蛇腹様
 どれも短いKPレス一本道or怖じ気づいて正規ルートで途中退出したので、ネタバレに配慮しログの公開はしません。
がばハウスルール
 発狂しやすさ、面白さを優先しSAN値チェックではファンブルのみを適応し、最大値+1を減少させる、という処理をしています。

名前:乾雅臣 年齢:27
HP:10 MP:17 SAN:85
幸運:85 知識:90
回避…27% 応急手当…80% 鍵開け…6%
聞き耳…45% 精神分析…45% 図書館…45%
目星…45% 運転:乗用車…30% 言いくるめ…50%
信用…20% 説得…30% 医学…86%
オカルト…15% 科学…10% 経理…15%
考古学…6% 心理学…20% 人類学…10%
生物学…20% 地質学…6% 電子工学…6%
天文学…6% 博物学…15% 物理学…6%
法律…10% 薬学…50% 歴史…25%

・リプレイ本編・

KP : 名前と職業をどうぞ。
乾 雅臣 : 乾雅臣、27歳医者。
KP : それでは、
オボンゴ様製作 シナリオタイトル「あ」
はじめていきます。

友人の訃報が入った。
遺品整理のため、特別仲が良かったというあなたに声がかかる。
あなたは彼の親族によって友人宅へ向かう事となる。
――――――――――――――――――――――
これは悪夢だ。
悪夢なら目覚めなければならない。
たとえそれが、苦痛に満ち溢れ、惨めな最期を迎えることになっても。
でも信じて欲しい。
私は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

KP : さて、あなたには友人を無から生やしてもらいます。
法螺吹きスタート。
乾 雅臣 : そうだな…。
名前は?
KP : 佐藤 重蔵(さとう じゅうぞう)
乾 雅臣 : 古風な名前だなぁ…。
 ――そいつは旧家の出で、育ちも頭も良かったが、かなり世間知らずだった。
 ファミレスやバイキングに行くと、好きな物を好きなだけ注文するわりに、食べきれない分を俺たちに押しつけてくるしまつ。
 一国の殿のように育てられたせいか、自分勝手でワガママ、振り回されることも多かった。でもそこそこ上手くやってたんじゃないか?
 最近連絡を取ってなかったが、……そうか、死んじまったのか。
 厄介な奴だった、とは言ったが、少なからず親交があった人間の訃報だ。さすがに思うところがある。

 きっかけは一通の訃報からだった。
「突然のことではございますが、息子の佐藤 重蔵が◯月◯日◯時に急逝しましたのでご報告申し上げます。」
 あっけないその一文をみてあなたがどんな顔をしていたか、どんな反応をしていたか、ここではあえて言及しないこととする。少なくとも、その事実だけは腹の中に重く黒い感情を落としたのを覚えている気がする。
 参加した通夜も告別式も特別なにかがあったわけではないと思う。
 ただ焼かれた彼の骨だけがあなたに死の事実を囁いてくるのである。

 そんな体が宙に浮くような、現実味のない出来事を脳が処理しようと幾日か、あなたのもとに一通の便箋が届く。
 差出人は、重蔵の親族からだ。
「息子の遺品整理のため、お気持ちばかりではございますが息子の品を差し上げたく存じます。お忙しいなかではございますが、どうぞお越しください。」
と、手紙には彼が住んでいた実家の住所が書かれている。
 シーンはその手紙を元に彼の実家、佐藤家のインターホンを押したところからシーンを始める。

乾 雅臣 : きっと重厚で旧時代的な日本家屋だろうと思う。縁側から続く庭がある二階建て。
「ごめんください」
KP : 「はーい、いま出ますね」
 声をかけると、少しだけ上ずった声が家の中から聞こえた後しばらくして、戸がガラガラと開かれた。出てきたのは少しだけほうれい線の目立つ細身の女性だ。
 おそらく重蔵の母だろう。
「あぁ、もしかしてあなたが乾さん?本日はお越しくださってありがとうございます。――外で話すのもなんですから、どうぞお入りください」
 あなたは家の中に入る。
 玄関には重蔵の父親もいたらしく、優しげな雰囲気でペコリと白髪をのぞかせる。
「今日は来てくれてありがとう。ここまで遠かったでしょう、ゆっくりして行ってください」
 思ったよりも広い居間に通されたあなたが椅子に腰を掛けると、手早く冷たい麦茶が差し出される。
「息子からよく話を聞いてます。すごく勉強熱心で頭の良い人と仲良くしてるって。『ああいう人をインテリって言うんだよ』なんて、よく笑ってました。……重蔵と仲良くしてくださって、ありがとうございます」
乾 雅臣 : 「いえ、俺は別に対したことはしていません。ご子息の大切な品を預かるほどの資格があるとは……」
といいつつ、線香を上げて仏壇に手を合わせる。
KP :  一同は1分ほど、故人を思う沈黙に口を閉ざした。
 重蔵の両親は「あの子は世間知らずで、友達と呼べる人も多くなかったんです。でも、そのつながりを大切にしてた」「だからぜひ、もらって欲しいんです。そのほうがきっとあの子も…」と、夫妻は声を詰まらせる。
 明るく振る舞おうとしているが、雅臣にもそれは空元気のように見えた。
乾 雅臣 : 「心中お察しします」
KP : 「そうそう、本日来てもらった理由なのですが、実は十蔵たっての希望なのですよ」
「あぁ、正確にはあの子の遺書にそう書かれていたんです」
 そう言うと席を立ち、近くの机の引き出しから一つの封筒を取り出す。
ここで<アイデア>

アイデア (1D100<=55) > 88 > 失敗

KP :  遺書を残しておくなんて随分と準備が良いな、とは思ったがそのほかに気がつくことはなかった。
 封筒から紙を数枚取り出すと、その中の一枚を丁寧に探し出して引き抜き、あなたにそれを渡す。
「どうぞ、読んでやってください。きっと重蔵も喜びますから」
乾 雅臣 : 「では失礼して、拝見させていただきます」
KP : 随分慇懃な友達だな。大学時代の友人だろもっと砕けろよ。弁護士かよ。
乾 雅臣 : 息子を亡くした親の前でそうは行かないだろ。

・手紙を見る
三つ折り閉じられた手紙だ。
手折られた紙の隅には「雅臣」と小さく書かれている。
あなたは紙を開く。
あなた宛ての重蔵手紙の内容 :
「追記
 これは悪夢だ。悪夢なら目覚めなければならない。
 たとえそれが、苦痛に満ち溢れ、惨めな最期を迎えることになっても。
 でも信じて欲しい。
 私は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。」(最後だけ下の文字が見えなくなるほど黒く塗りつぶされている)

乾 雅臣 : 「……」
 ねぇ、これって…。
KP : <POW×3>を振ってください。

POW17×3 (1D100<=51) > 22 > 成功

 あなたはこの手紙の違和感に気づく。
 これは本当に自分に向けられたものだろうか。

乾 雅臣 : 「あの、これは……?本当に俺宛でしたか?」
KP : 「はい、もちろん間違いありません」
「ほら、名前もきちんと、書いてあるでしょう。これは間違いなく、あなた宛の手紙ですよ」
乾 雅臣 : 「それにしては、…文面がいまいち要領を得ない」
KP : どうも、夫妻と自分の見ている物は食い違っているような気がする。まるで…全く別の物を見ているような…。
 <SANch 0/1>

SANC (1D100<=88) > 99 > 致命的失敗
 SAN : 88 → 86

乾 雅臣 : 「……」
 二人に心理学
KP : いくつ?
乾 雅臣 : 20ある。
<シークレットダイス>

KP : 特に嘘を吐いている様には見えない。二人の態度に、何の違和感も覚えなかった。
 ……自分の疑問についての二人の態度は、適切だと感じる。もしかしたら、あの手紙の文面に違和感を覚えた自分こそが間違っているのかもしれない。…そんな錯覚さえ覚える。

 炎天下の日差しに、縁側に下がった風鈴が揺れている。それに誘われるように軽いめまいを覚えた。

乾 雅臣 : 「……今日は暑いですね。もう梅雨も明けますか」
KP : 「えぇ、まったく。――それじゃあ、息子の部屋に案内しますね」
「部屋は2階です。ネームプレートがついてますからすぐにわかると思うので行ってやってください。私は…あそこに入るとあいつのことを思い出してしまって……」
乾 雅臣 : 重蔵の死にはなにか神話的事象が絡んでると見て良さそうだな。
KP :  あなたは重蔵の母に促され、重蔵の部屋に向かうべく、家の2階に続く階段を上がる。
 <POW×3>

POW17×3 (1D100<=51) > 47 > 成功

KP : 追加情報はない。二階へ上がる階段には特に気になることは無かった。
 重蔵の部屋は2階を登った突き当たりにある。
 扉に掛けられた小さなネームプレートには「重蔵」とだけ表記されている。
 婦人は、脇に下がってどうぞ、と扉を示した。
乾 雅臣 : じゃあ開けよう、思い切って

 扉を開けた。
「あ」
 きっとこれは異様な光景なのだろう。
 部屋の中心、ある存在にあなたの視線は釘付けになる。

 重蔵だ。

 あなたに背を向け、部屋の真ん中で項垂れるように鎮座をしている重蔵だ。
 あなたが声をかけようが、息を飲もうが、少なくとも顔の見えない彼は微動だにしない。
 <SANch 1/1d2>

SANC (1D100<=86) > 97 > 致命的失敗
 SAN : 86 → 83

「あ」

口から無意識のうちに音が出ていた。

君は、佐藤重蔵の葬式に出席し、棺桶の中で眠っている遺体を見た。
君は、佐藤重蔵の火葬に出席し、焼け残った遺骨を遺族と共に拾った。
では、ここに居るのは……?

乾 雅臣 : 一時的狂気って、一回の判定で5減ったらだよな。
 ちょっとびびってしまった。
「あの、これ……」
KP : 「あの子の部屋、散らかってるでしょ?でも、もう少し当時のまま残しておきたくて。本当は早く片付けたほうがいいんですけどね」
乾 雅臣 : 「いや、散らかってるとかじゃ……!」
KP : 婦人はその光景に違和感を抱いていない様子だ。
乾 雅臣 : KP、自分自身に精神分析。
KP : 狂気に陥っていないから、ロールはしなくて良いよ。
 自問自答の結果、こんな不可解な状況にあっても自分自身はとても冷静で、正しい判断が出来ている、と確認できる。つまり目の前の光景は幻覚じゃないね。
 重蔵の母親は、ドアの脇で穏やかなのに悲しげな表情で、にこにこ君を見ている。
乾 雅臣 : この母親に精神分析はできるか?
KP : 出来ないね。
 したとしてもなんの結果も得られない。怪訝な顔をされるだけだ。
 納得したかな?
 ここで調べられるのは、「重蔵」と「部屋全体」だよ。
乾 雅臣 : まずは重蔵からだろう。

 あなたは重蔵に近づく。
 重蔵はぴくりとも動かない。
 死んでいるのだろうか。いや死んでいるはずだ。
 何故こんなところで座っているのだろうか。
 その答えは、彼を真横から、ないしは正面から向いた時にすぐわかることとなる。

「あ」

 ナイフだ。
 重蔵の喉仏に深く、深く、突き刺さっている。
 血は流れていない。
 死んでいるはずの彼の表情は、虚ろに虚空を見つめ、そして穏やかだった。

乾 雅臣 : SANチェックはしなくて良いのか?
KP : うーん、君は医者だし、友人の死を受け入れてもいた。しなくていいかな。
乾 雅臣 : ナイフを見る。

 一般的な家庭で見かけるような料理用のナイフだ。
 のど元に刺さったままのナイフだが、その柄の部分だけ見れば、サイズはフルーツナイフ程度だろう。
 <POW×3>

POW17×3 (1D100<=51) > 42 > 成功

 あなたは、慎重に、慎重に、ナイフを観察する。
 なぜだろうか、引き込まれるような魅力を感じてしまう。
 あなたは重蔵に刺さっていたナイフに手を伸ばす。
 だが直前にふと我に返る。

 なぜ、自分はナイフを引き抜こうとしたのか。

乾 雅臣 : 妙だな……。
「重蔵のお母さん、これは息子さんのご遺体だ。よく出来た作り物にしても、何故こんな場所に?」
KP : 「あら、何かおかしいかしら?私も主人も、この部屋の物は動かさないようにしているんですよ。この部屋、散らかってるでしょ?でも、もう少し当時のまま残しておきたくて。本当は早く片付けたほうがいいんですけどね」
乾 雅臣 : 「なんだこれは…めまいがしてきた……」
とにかく一端遺体から離れて、部屋を見よう。そんなに散らかってるのか?

KP :  重蔵の過ごしていた部屋だ。
 きっと彼にとっては意味のあるものばかりなのだろうが、あなたからすれば、ガラクタのようなものや訳の分からない書物がほこりをかぶって積み上げられるように置かれている。
<目星>or<POW×3>

目星 (1D100<=45) > 38 > 成功

KP :  あなたは部屋の一角、散らばった本たちの上に置いてあったノートに何となく目が行く。
 なぜだかわからない。だが導かれるように開いたノートの中には以下の内容が書かれていた。
 どうやら手書きのようだ。

本の内容 :
『この世界であの存在を見かけてからしばらく逃げ続けたが、埒が明かない。
 一度家に戻ってこれたから、冷静になるためにもこの記録を残しておく。
 正体の分からないヤツの存在をここでは「それ」と呼称することとする。
 ここは「それ」の巣窟だ。この世界にとどまることが奴の思うつぼなのだろう。
 少しずつ、少しずつだが距離も近づいている。休まるタイミングなどない。
 ここでの休息は死も同然だ。
 とにかく場所を変え続けるしかない。絶対に移動することを止めるな。それが「それ」から逃げる唯一にして最大の抵抗だ。今は逃げ続けろ。』

乾 雅臣 : あいつがこんな内容を書き残すことに、心当たりは?
KP : 無いね。
 そんなものを書き残す意味が分からない。
乾 雅臣 : 重蔵は何かに追われていた。それから逃れるために自死したんだろう。
 そもそも他に選択肢は無かったのか?「この世界は悪夢」という文言も気になるし、あいつが死ぬ前の精神状態がしりたい。もしかしたら、発狂で自死を引いたのかもしれないし。
 でもそれなら、狂人の戯れ言を情報として開示するかな?
KP : 君は重蔵の部屋を見渡しながら、何かがおかしい、と思考を巡らせる。
そんなときに…――。

 ふと、開かれたカーテン、窓の向こうから外を見る。
 窓の外には何があったのだろうか。人込みが途切れない都会だったろうか、緑あふれる田園が広がる田舎だったろうか。
 そんなことは重要ではない。

「あ」

 ただ、「それ」と目が合う。合わせてしまったのだ。
全身に悪寒が走る。
 人型とはいえ、とても人間とは形容しがたいその存在についた空洞のような目は、あなたを確かに捉える。
 一拍の後、「それ」についた棒のような足を動かし、歩行を始める。
 あなたの方向に。
 あなたはその存在を知らない。
 だが、あなたの中のすべての思考が一つの危険信号を出す。
「ここから逃げろ」
 気が付くころには、あなたは無我夢中で重蔵の家から飛び出していた。
 ご両親は声をかけていただろうか、困惑していただろうか、いや、笑っていただろうか。
 そんなことは覚えていない。
 ただ走るあなたの手には、重蔵に刺さっていたナイフをその手から血がにじむほど、強く、強く、握りしめていた。

乾 雅臣 : うわきた。
 そうか、つまり次の標的は、俺?
 それにいつの間にナイフを…。
 でも今飛び出したら鉢合わせにならないか?
KP : 「それ」の歩みは、遅くは無いが早くも無い。今だったら逆方向へ距離を取ることが出来る。

 さて、ここから自由に逃走してもらいます。移動可能な場所は以下
 ・駅
 ・廃墟
 ・森
 ・路地裏
 ・仕事場(学校)
 ・人混み
 ・自宅

乾 雅臣 : てっきり重蔵の自宅でクローズドかと思ったが、一応街には出られるんだな。
 しかしどうするかな。得体の知れない物に追いかけられている状態で自宅や仕事場には行きたくないし。……よし、人混みにしよう。
 人混みをかけて交番に駆け込むことは可能か?
KP : 可能だね。まず「人混み」での処理をしようか。

<シークレットダイス>
 ××× : 100 → 96

KP : 君は人混みをかき分けて街を走る。
すれ違う人々は、君を迷惑そうに見ているが、そんなことを気にしている余裕などなかった。彼らの頭越し、少し遠くに「それ」の姿が見えているのだから。
<目星>

目星 (1D100<=45) > 90 > 失敗

乾 雅臣 : 目が見えない 
KP : あなたはちぎれたノートの1ページを見つける。それは人混みの中、足下のアスファルトに“置いてあった”にもかかわらず、踏まれもせず破れもしていなかった。
 あなたはそこにそれがあることが当たり前のように紙を拾い上げ、中を見る。

紙の内容 :
『無我夢中で逃げてきた。あの存在を見た瞬間、逃げろと全身が警報を出した気がした。
 あれは明らかに人間じゃない。遠くからでもわかるくらい黒く肥大化した頭部だけは鮮明に覚えている。だがそれなりに遠くまで逃げてきたはずだ。きっと追っては来まい』

乾 雅臣 : 怪異を怪異と見抜けないと難しい……。
 とにかく交番に駆け込んで、今起こってることを話してみよう。どうせ無駄だろうけどな。
KP : 君の思ったとおり、警察はかけらも相手にしてくれない。
 この暑さで何かを見間違えたんでしょ、と笑って、むしろ君の精神状態を疑っている様子だ。
乾 雅臣 : 「くそっ!無能の税金泥棒がっ!お前らがなんと言おうが、俺は正気だ!!」 

 しばらくその交番内に居たのだろうか、時間の感覚が鈍っている気がした。
 それほど長く留まっていたつもりはない。
 それが5分程度だったかもしれないし1時間程度だったのか、或いは1日だったような気もする。
 <POW×3>

POW17×3 (1D100<=51) > 47 > 成功

 だがあなたがそこにどれだけ居座ろうがそんなことは問題ではない。

 ぴちょん、ぴちょん

 水の跳ねる音だろうか、間の抜ける音がすべての環境音をあなたの耳から奪い去る。
 根拠はない。だがとてつもなく悪い予感がよぎる。

「あ」

 ぴちゃり、ぴちゃり
 「それ」は歩いていた。まっすぐ、あなたにむかって。
 「それ」はあなたから決して目を離さない。
「ここから逃げろ」
 誰かがそういっていた気がした。
 だが、あなたはその人を知らない。
 あなたの手にはナイフが握られていた。
<SANch1d2/1d4>

乾 雅臣 : ちょっとまて、この文章、なんかおかしい。
 『逃げ続けろ』と言っていたのは重蔵のはずだし、道に落ちてたノートの切れ端も……。なら『知らない』はずはないだろ? 
KP : そうだね。SANチェックしようか。

SANC (1D100<=83) > 98 > 致命的失敗
 SAN : 83 → 78

乾 雅臣 : うわ、めちゃくちゃ動揺してる。
 ファンブルしたら最大値+1ってルール意地悪くないか?
KP : 高いから良いと思って。
 はい、アイデア振ってね。

アイデア (1D100<=55) > 8 > スペシャル

KP : それじゃあ、君は自分の頭の中にある、重蔵と過ごした過去の記憶が、どこか不自然なことに気がついてしまう。彼は本当は存在しなかったんじゃ無いか?

1d10 一時狂気表 (1D10) > 7
幻覚あるいは妄想

乾 雅臣 : そうだな、たとえ俺の妄想だったとしても、重蔵は存在したんだ。
 そうじゃないとおかしいだろ。なんでこんな暑い中、俺は徒歩でこんな地方都市くんだりまで来たんだ?
 あぁ、そうか。そうかもな。重蔵は生きてるんだ。きっとこれは全部あいつの悪い冗談に決まってる。危うく欺されかけたぜ。はははっ! 
KP : 雅臣せんせい、こわれちゃった。
乾 雅臣 : 自分に精神分析はかけられるか?
KP : そうだね。一人だし、半分で成功したらいいよ。
乾 雅臣 : 半分!?

精神分析半分 (1D100<=22) > 96 > 致命的失敗

KP : ……うん、じゃあ移動回数を+1して「それ」との距離を最大値だけ縮めておくね。

移動回数 : 1 → 2
××× : 96 → 81

乾 雅臣 : マジで死ぬかもしれない。
KP : 次はどこに逃げる?
乾 雅臣 : ふむ…「あれは重蔵のいたずらだ」という幻覚を見ていながら、本能的には忌避しているんだろうと思う。
 ……肥大化した頭がどうの、と言っていたが、もしかしたら路地裏なんかの狭い場所には入ってこられないんじゃないか?
KP : 目の付け所が良いね。

<シークレットダイス>
 移動回数 : 2 → 3
 ××× : 81 → 63

 あり得ない出来事、記憶の齟齬。それらに振り回された精神状態でも、君の頭脳は論理的に働く。あの図体なら狭い場所では動きづらいはずだ。
 君は、脇道にそれてビルとビルの間を入る。据えた匂い、汚く湿ったアスファルト。「それ」を巻くために君は薄暗い路地裏へ足を進める。
<目星>

目星 (1D100<=45) > 8 > スペシャル

 あなたはちぎれたノートの1ページを見つける。こんな場所に?
『あの存在は確かに俺を追っていた。なんの迷いもなく、まっすぐこちらへ。手が震えている。自分はどうなってしまうのだ。
 気が遠くなるほど逃げてきたはずなのに、今もやつの足音が聞こえる。これがもう幻聴か現実か分からない。いや、いっそこれが夢であればいいのに。
 ああ、また足音が聞こえる。ここから逃げなければ。』

KP : そういえば、発狂の期間を振ってなかったね。
今振っておいて。短かったら抜けたことにしていいよ。

ラウンド (1D10+4) > 5[5]+4 > 9

KP : 1ラウンド12秒ぐらいらしいから、約1分半か。いいよ、逃げてる間に冷静さを取り戻したことにしよう。
乾 雅臣 : このノートは、いつのものなんだろうな……。

 視界にノイズが走る。
 今のあなたに彩りという言葉は余りにも似合わない。
 それを知ってか、世界から色が抜け落ちていく。
 白と黒がぶちまけられただけの空間にあなたは違和感を覚えない。
<POW×3>

POW17×3 (1D100<=51) > 61 > 失敗

失敗(制約の付与)
→以降、PLは「色」に関しての一切をPCの考察、行動に反映してはならない。
(探索者は色の抜けたモノクロの世界を当たり前だと思い込む)

乾 雅臣 : 自分の感覚としては今まで通りか。これが後遺症として残るなら困るな。仕事に支障が出る。

 だがそんなモノクロの世界で不気味なほどに揺らめく黒い「それ」があなたに向かって近づいているのが見えた。

「あ」

 ぴちゃり、ぴちゃり
 「それ」は歩いていた。まっすぐ、あなたにむかって。
 「それ」はあなたから決して目を離さない。
「ここから逃げろ」
 誰かがそういっていた気がした。
 だが、あなたはその人を知らない。
 あなたの手にはナイフが握られていた。
<SANch1d2/1d4>

SANC (1D100<=78) > 1 > 決定的成功/スペシャル

KP : 1クリか。SANでクリティカル報酬があるのってなんか違う気がするんだよね。
乾 雅臣 : ファンブルペナルティは採用しておいて!?
KP : 君、SAN高いし、いいじゃん。
 通常成功と同じように処理してよ。

(1D2) > 1
 SAN : 78 → 77

KP : 不定いくつ?
乾 雅臣 : 70。
KP : もうちょっと負荷をかけられるね。頑張るよ。

 視界の端に二足歩行の「それ」が見えた気がする。
 まだ遠くで蠢いているとはいえ、明らかにそれが人ならざる異形があなたに向かって迷いなく歩いてきている事に言いようのない不気味さを覚えるだろう。
<SANch1d2/1d4>

SANC (1D100<=77) > 53 > 成功
(1D2) > 2 SAN : 77 → 75

KP : さて、次はどこに逃げる?
乾 雅臣 : 正直言って、自宅以外ならどこでもいい。こいつを家に連れて帰りたくない。
 得体の知れない物を連れて帰りたくない。
 ……あえて一つ選ぶなら…駅にしよう。

<シークレットダイス>
移動回数 : 3 → 4
××× : 63 → 42

 ゆらめく様に、赤子の様におぼつかない脚であなたを追う影は、それでも確かに貴方へと歩みを進み続ける。
 その頭部と思わしき輪郭は常に歪み続けている。
<SANch 1d4/1d8>

SANC (1D100<=75) > 34 > 成功
1d4 (1D4) > 1 SAN : 75 → 74

KP : 君は駅までたどり着いた。
しかし、電車に乗ることは出来そうにない。改札を通れない。
乾 雅臣 : 嘘だろ!?
KP : 本当だよ。
3回目の<目星>をどうぞ。

目星 (1D100<=45) > 57 > 失敗

あなたはちぎれたノートの1ページを見つける。
『頬を引っ張れど、息を止めど、化け物は追ってきている。一度冷静になろう。とにかく今はあれをどうにかしなければ。だが繧ケ繝槭?繧よ戟縺溘縺ォ螳カ繧貞?縺ヲ縺阪※縺励∪縺」縺溘?ゆク?蠎ヲ閾ェ螳?↓蟶ー繧後k縺玖ゥヲ縺励※縺ソ繧医≧縲手めす試す試すため捨てます試す試す』

乾 雅臣 : 試す?何を?
 ……。自分の頬を思い切りひっぱたくことは出来るか?
KP : そうだな……<POW×3>を振ってみて。

POW17×3 (1D100<=51) > 28 > 成功

KP : 君は優秀だね。

 自分の手で自らの右頬を叩いてみる。
 痛みは感じない。それどころか、なにも感じないということを不自然だとも思わない――……そんなわけがない。現実なら痛みを感じるはずの物、違和感を抱く物…それらがここにはこんなに蔓延っている。
 自分がおかしくなったのでなければ、”この世界”のほうに問題があるのではないか?

乾 雅臣 : 「あの遺書の言葉は、そういうことだったのか。『これは悪夢だ。悪夢なら目覚めなければならない。』…しかし、どうやって?」

 ふと悟る。
 自分はこんなところで何をしているのだ。
 今自分を殺そうと近づいているのは化け物だ。
 命がかかっているのだ。手段なんて選んでいる場合ではない。
 自分は何を躊躇っているのだろうか。
 そう考えるかもしれない。
<POW×3>

POW17×3 (1D100<=51) > 52 > 失敗

失敗(制約の付与)
→以降、PLは「人間としての倫理観」に関して善悪を判断することの一切をPCの考察、行動に反映してはならない。
(探索者は善悪の判断がつかなくなる)

乾 雅臣 : くぁ…っ。医者として一番なくしてはいけない物をなくしてしまった! 

「あ」

ぴちゃり、ぴちゃり

 「それ」は歩いていた。まっすぐ、あなたにむかって。
 「それ」はあなたから決して目を離さない。
 ほら、いつまでも世の中の正しさに囚われて身動きが取れないせいで「それ」がまた近づいてきた。
 今はただ、生きのびることだけ考えねば。
「ここから逃げろ」
 誰かがそういっていた気がした。
 だが、あなたはその人を知らない。
 あなたの手にはナイフが握られていた。
<SANch1d2/1d4>

SANC (1D100<=74) > 97 > 致命的失敗
 SAN : 74 → 69

乾 雅臣 : あいであふりまーす。
CCB<=55 アイデア (1D100<=55) > 89 > 失敗

KP : さて、次はどこへ逃げようか?
乾 雅臣 : 残ってるのは?
KP : 森、廃墟、仕事場、自宅
乾 雅臣 : 重蔵の自宅には戻れるか?
KP : 問題なく戻れるよ。
乾 雅臣 : 「――仮に、この世界が夢だったとして、重蔵は無事に目覚めたんだろうか。おそらく何かに気がついていた様だ。メモを追うべきか、彼の最終地点である重蔵の家を調べ直すか…」 
KP : これはヒントだけどね、もうあまり時間はないかもしれない。
乾 雅臣 : だろうと思ってる。……確証を得たい。
 重蔵が俺の知らない何かにたどり着いていたのだとしたら、彼は俺の妄想じゃなくなる。
 ――……KP、廃墟へ。

<シークレットダイス>
移動回数 : 4 → 5
××× : 42 → 34

 あぁ虚無が、虚無が近づいてくる。あなたは気づく。「それ」は膨張と縮小を繰り返す怪物、自分にはどうしようもないほどこの世の理から外れた存在なのだと、その壊れたロボットのような歩き方でも、自分には受け入れがたいほど素早い存在なのだと。
 「それ」は、自分をもてあそんでいる。
 それはまるで、逃げ惑う蟻を平たく伸ばすわけでも、丸くこねるわけでもなく、逃がすわけでもなく、笑いながら観察する人間の様に。
<SANch 1d6/1d10>

SANC (1D100<=69) > 29 > 成功
1d6 (1D6) > 6 SAN : 69 → 63

乾 雅臣 : どうして…成功したのに……
KP : はい、アイデア。

アイデア (1D100<=55) > 75 > 失敗

乾 雅臣 : セーフ。
KP : 廃墟でどうするのかな。
乾 雅臣 : とにかく俺は走ってきた。重蔵の家を出て、でたらめに。
 なのに、メモは順を追うように手に入った。どこに行こうが関係ない。
 俺が来たから、あのメモは”置いてあった”んだ。
KP : <目星>

目星 (1D100<=45) > 84 > 失敗

 あなたはちぎれたノートの1ページを見つける。
『繝?繝。繧ゅ→縺ァ隧ヲ縺励◆豺ア螻、WEB繧偵≠縺」縺輔j髢イ隕ァ縺吶k縺薙→縺後〒縺阪※縺励∪縺」縺溘?りィウ縺悟?縺九i縺ェ縺?′縲√♀縺九£縺ァ遏・繧翫◆縺九▲縺滓ュ蝣ア縺ョ譁ュ迚をみつけるこtができできたたたたたたtできたktできたであtkたえいtかいtできdtででき気tkぢ耐えてk田。』

乾 雅臣 : 「……はは、すごいな、もう殆ど読めない。だが彼が、なにか打開策を見つけたことだけは確かだ」

 視界がぐにゃりと歪む
 ふと自分がいた場所を見渡せば、コップの上に机がある。上を向けば東に続く横たわったビル、山の外には窓がある。空には海、電柱には大地が広がっている。
 針で雑に縫い合わせたようなつぎはぎだらけの奇妙な空間の連続にあなたは困惑していたかもしれないししていなかったかもしれない。
<POW×3>

乾 雅臣 : インセプションかな?

POW17×3 (1D100<=51) > 27 > 成功

 いずれにせよ、空間を超え、「それ」は近づく。

「あ」

 ぴちゃり、ぴちゃり
 「それ」は歩いていた。まっすぐ、あなたにむかって。
 「それ」はあなたから決して目を離さない。
「ここから逃げろ」
 誰かがそういっていた気がした。
 だが、あなたはその人を知らない。
 あなたの手にはナイフが握られていた。
<SANch1d2/1d4>

SANC (1D100<=63) > 7 > スペシャル
1d2 (1D2) > 2 SAN : 63 → 61

乾 雅臣 : あ、やばい。不定入ってるじゃないか。いつ?
KP : あら、本当だ。いいよいいよ、今適応しちゃおう。狂気表ふって。

1d10 (1D10) > 1
健忘症ないし昏迷/緊張症

KP : じゃあ、君を慕ってくれていた後輩のことは、しばらく思い出せなくなっちゃったね。
 期間は後で決めようか。
 さて、次はどうしようか?
乾 雅臣 : そうだな…。
 重蔵の家に戻れるとのことだし、一度戻ってみる。なにか脱出の糸口があるかもしれない。

<シークレットダイス>
移動回数 : 5 → 6
××× : 34 → 16

「ぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃりぴちゃり」

決して立ち向かうな。ここから逃げろ。
<SANch 1d6/1d20>

SANC (1D100<=61) > 88 > 失敗
1d20 (1D20) > 12 SAN : 61 → 49

乾 雅臣 : あはははh!
 あいであふりまーす。

アイデア (1D100<=55) > 20 > 成功
1d10 (1D10) > 10 昏迷・緊張症

乾 雅臣 : あ、これ死んだわ。
KP : えーっと、これ、どうしようかな。
乾 雅臣 : いや、マジでどうしよう。ここから生還できるのか?
KP : あきらめないで。今度後輩君と焼き肉に行く約束してたじゃない。
乾 雅臣 : 誰だそれ?名前も思い出せない。
KP : 名前はまだ無いよ。

 とにかく君は、這々の体で半ば身体を引きずるようにして、重蔵宅へ戻ってこられた。
 「それ」は引き戸のすぐ外で、君をじっと見つめていた。
「はーい、いま出ますね」
 声をかけると、少しだけ上ずった声が家の中から聞こえた後しばらくして、戸がガラガラと開かれた。出てきたのは少しだけほうれい線の目立つ細身の女性だ。
 おそらく重蔵の母だろう。
「あぁ、もしかしてあなたが乾さん?本日はお越しくださってありがとうございます。――外で話すのもなんですから、どうぞお入りください」
 あなたは家の中に入る。
 玄関には重蔵の父親もいたらしく、優しげな雰囲気でペコリと白髪をのぞかせる。
「今日は来てくれてありがとう。ここまで遠かったでしょう、ゆっくりして行ってください」
 思ったよりも広い居間に通されたあなたが椅子に腰を掛けると、手早く冷たい麦茶が差し出される。
「息子からよく話を聞いてます。すごく勉強熱心で頭の良い人と仲良くしてるって。『ああいう人をインテリって言うんだよ』なんて、よく笑ってました。……重蔵と仲良くしてくださって、ありがとうございます」
 一同は1分ほど、故人を思う沈黙に口を閉ざした。
 重蔵の両親は「あの子は世間知らずで、友達と呼べる人も多くなかったんです。でも、そのつながりを大切にしてた」「だからぜひ、もらって欲しいんです。そのほうがきっとあの子も…」と、夫妻は声を詰まらせる。
 明るく振る舞おうとしているが、雅臣にもそれは空元気のように見えた。

KP : 以降、既視感というにはあまりにも同じ光景が続く。
 一人だし、精神分析振って良いよ。成功しなくても、探索はできたことにしよう。

精神分析 (1D100<=45) > 97 > 致命的失敗

乾 雅臣 : は?
 え?こんなことある?
KP : ふふ……じゃあ、
 「それ」が引き戸を開けて入ってきた。婦人は、君が来たときと同じやりとりを玄関でしてるよ。
<SANチェック 1d2/1d10>
乾 雅臣 : まてまてまてまて!!!!!

SANC (1D100<=49) > 60 > 失敗
1d10 (1D10) > 10 SAN : 49 → 39

乾 雅臣 : あぁあああああああああ
 精神分析ファンブルの代償がでかい!!

アイデア (1D100<=55) > 56 > 失敗

KP : うん、じゃあ探索箇所は以下の二つだよ。
・十蔵の部屋
・引き出し

乾 雅臣 : ”遺書”が入ってた引き出しは一階にあるんだよな。
じゃあ引き出しからだ!

 あなたは重蔵の遺書が入っていたという引き出しを半分開ける。
 父母はあなたを見てケタケタ笑っているばかりだ。
 いずれにせよ、あなたは中に入っていた三つ折りの手紙に目を通すこととなる。

乾 雅臣 : 「くそ!お前ら、なにが可笑しい!?ぶっころすぞ!!!」

引き出しの中の手紙の内容 :
『これを読んでいるということは、俺と同じようにきっと「それ」の標的にされてしまった哀れな人間なのだろう。「それ」の作り出したこの世界は悪夢そのものだ。だが悪夢は所詮夢、ここに五体満足で現実に戻る方法を記す。
 とは言え簡単なことだ。「それ」は逃げ惑う君を見て笑っている。ある程度時間が経つまで君を捕食することはないが、それ即ち君はこの世界でどれだけ狂おうが死ねないということだ。
 私の部屋を見ただろうか、これからできるであろう私の亡骸にはそれなりに小さなナイフが刺さっている。アレには門の役割を担うだけの魔力が込められている、らしい。俺自身こういった魔術めいたモノに関しては素人だから確信は持てないが、信じるしかないだろう。
 そのナイフを引き抜いて、今度は君がこの世界でナイフを使って自殺をすれば良いだけだ。
 想像を絶する苦痛が伴うかもしれないが、それでもこの世界で無様に「それ」に貪り食われるよりかはよっぽどマシだ。どうか無事で』

乾 雅臣 : 「自殺!?ここまで来てそれかよ!使えねぇな!」
 そのままちゃぶ台を蹴倒して、二階の重蔵の部屋に行きます。
KP : 追い詰められて絶妙に倫理観がお亡くなりになっている…。

 あなたが再び部屋を開ける。

「あ」

 相変わらず重蔵の遺体が座ったように鎮座したままだ。
 あるのはガラクタと積みあがった何かの本と散らばった紙だけだ。

KP : まずは目星を振ってもらおうか。

目星 (1D100<=45) > 65 > 失敗

KP : じゃあそのままアイデア。
 そうしている間にも、「それ」は確実に、居間を通って階段へ向かっている。
乾 雅臣 : 実況するな、おそろしい!

アイデア (1D100<=55) > 22 > 成功

 あなたは一度冷静になる。明らかにこの部屋は異常だと。どう考えても自分の知っている重蔵は、こんなとっちらかった部屋に居るような人間じゃない。
 …いや、そうではない。そもそも重蔵の何を自分は知っているのだろうか。
 あなたは十蔵の顔を覚えているのだろうか、いや、知らない。

「あ」

 ふと、思考が一つの結論を導き出す。あまりにも簡単なことだった。
 重蔵とは、誰なのだろうか。
<SANch1/1d4>

乾 雅臣 : 「…………そうか。やっぱり、そうだったのか…」
KP : 序盤のクリティカルで「存在しない」って感づいてたから、ここのSAN減少はナシだ。焼け石に水だけどね。

 君に、佐藤重蔵などという友人はいない。
後輩と三人で食事をした記憶も、一緒に課題に追われた記憶も、全ては切り貼りされた偽物、できの悪いコラージュ作品だった。

KP : コレで全ての情報は出そろった。あとは君次第だ。
乾 雅臣 : 「この方法で重蔵は本当に帰れたんだろうか。見ず知らずの男の案に命預けるのか?もし本当に死んだらどうする…?だが、このまま逃げ続けて何になる?そのうち捕まるだけだ。じゃあ、あいつを殺すか?ダメだ、無謀すぎる。こっちはナイフ一本だ。これだけで出来ることを……」

 すぐ側に「それ」の気配を感じる。部屋のドアを開けて、あの姿のままで、じっと立っている。

乾 雅臣 : 「ふっ……何を悩んでいるのだか。重蔵が現実に帰れたかどうか、確かめる術が一つだけある。たとえ帰れずとも、試す価値はある」

 あなたはこの世界において死を選んだ
 手に強く握られたナイフを自分の体に突き立てる行為をあなたは選んだのだ。

 左手の指で頸動脈を探り、右手で的確にナイフの刃を当てる。
 途端に、シャワーのように部屋中に飛沫が上がった。
 自分の目には、インクのような黒に写っていたが、その粘着質や独特の匂いには馴染みがあった。
 目をつぶって、頭の中でゆっくり十五を数える。

 あなたが感じたのは、痛みよりも無だった。
 ただ焼けるような熱さと脳に急激に流れてくる快感が思考を停止させた。
【ダメージ:1d3+1d4】

乾 雅臣 : おいおい、ダメージロールさせるのか?俺は医者だぞ?その気になればメス一本で人殺せるんだぞ?
KP : ダメです、ふってください。
乾 雅臣 : くっ。

(1D3+1D4) > 3[3]+3[3] > 6
HP : 10 → 4
ショックロール (1D100<=35) > 49 > 失敗

乾 雅臣 : ほら、ちゃんと気絶してやったぞ!
KP : うーん。じゃああとの四点はおまけしてあげるよ。

 体から赤/黒が抜け落ちていく。
 その場に力なく倒れ伏したあなたが最後に聞いたのは、
 人間ならならざる者のこれ以上ないほどの怒りに身を任せた絶叫だった。
 果たして、あなたは死んだのだ。

▼「END A 幸福」 :
 がばりと起き上がる。
 張り付いた濡れた服の不快感。
 閉じられたカーテン。
 時計の秒針の音。
 暗くとも見慣れた部屋。

「あ」

 気づいた。
 自分は夢を見ていたのだと。
 それも、とびきりの悪夢を。
 目を覚ましたあなたは、いつものように着替え、いつものように朝を過ごす。

 人間というものは、自分が見た夢を数分、あるいは数十分とたたず、その殆どを忘れてしまうという。
 私もまた、悪夢を見ていた気がする。
 だがもう、その殆どを私は覚えていません。
 結局、あの佐藤重蔵という男は何者だったのでしょう。
 それももはや、夢の朧と霞んでしまいました。

「だって夢なんてそんなものでしょう?」

 あんなに苦痛に満ち溢れていたのに。
 あんなに無惨な最期を迎えたのに。
 何も知らない私は、なんて幸せなのでしょう。

「END A 幸福」

生還報酬
・SANをセッション前の値に戻す。
(夢から覚めたことで夢の内容をほぼ忘れるため)

HP : 4 → 10 SAN : 39 → 88

乾 雅臣 : 結局忘れてしまったのか、あんな体験をしたのに。
KP : 解釈次第とは書いてあるんだけど、POW判定で成功した部分は、起きてからもしばらくは覚えていることにしていいって。
乾 雅臣 : そうでなくとも、得体の知れない何者かに追いかけられる、なんて「悪夢」にはありがちな話だ。
きっと疲れてたり、気になることがあったんだろう。明日までに提出しなきゃ行けない書類が残ってるだとか、
KP : それでは、
 オボンゴ様製作ソロシナリオ 『あ』
 シナリオクリアとなります。おつかれさまでした。
乾 雅臣 : ホラーシナリオらしくてとても好きです。おつかれさまでした。
KP : こちらでシナリオの解説などはしません。URLを張っておくので、個人で読んで貰うと良いでしょう。
 今回のイメージエンディング曲は…――『1/2ゲーム』じょるじん

・おわりに・

キャラクターアイコン……立ち絵風男子メーカー
使用シナリオ……オボンゴ様製作シナリオ『あ』 

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