・はじめに・
こちらは『逆転計略TRPG 天才軍師になろう』の仮想卓ログです。こちらは”後編”になります。前編はこちら。
比較的新しく、初めてやるシステムなので、多少のぎこちなさはご容赦ください。
・画像について・
キャラクターアイコンについては、ぴくるーのメーカーで製作しました。
そのほか、様々な配布画像をお借りしたので、記事の最後にクレジットを記載しております
・PC紹介・
【天才軍師】軍師レベル:100
名前:イェルク・ナタ 性別:男
スキル:『逆転計略』『防衛戦の達人』
技能:《天気》《悪行》《隠密》《防衛》《地形》《口車》
特徴的な装備:不可思議なタロットカード
・関係・
アドニス→「知り合ったばかりでよく分からない」
一応第二王子という肩書きだが、側室の子なのであまり扱いは良くない。
本人の人柄もあって、兵を使い捨てるタイプの軍師だと思われているようだ。
【戦略級英傑】英傑レベル:1
名前:アドニス(アネモネ・ヴァルラモヴナ・レヴァンタン)
性別:男(女) クラス:カリスマ
スキル:『一騎当千』『親衛隊』
技能:《統率》《騎乗》《体力》《突破》《戦技》《生活》
特徴的な装備:青緑色の炎が点るカンテラ
・関係・
イェルク→「想い人」
遠方にある国の王女だったが、クーデターにより王家が崩壊。鏖殺を免れるため、身分と性別を偽って旅の騎士として逃げ延びた。
現在『節義の国』に身を寄せている。
・前回のあらすじ・
第一王子率いる本隊が遠征に出ている隙に、山賊グループに王城を取り囲まれてしまった!
絶体絶命のクライマックス、軍師殿の奇策とはいかに!?
・英傑の行動・
GM/プロンプター : 「英傑の行動」では決戦への備えをする中で”交流”や”スカウト”などをしていきます。
交流は、他のPCやNPCとやりとりをして、”関係”を深めます。
スカウトは、決戦フェイズに参加出来るNPCを仲間にすることができます。
できるのはどちらか一つです。
アドニス : ここはスカウトかな。
イェルクがよく使ってる密偵はどんな人なの。
イェルク : 特に何も考えてなかったから、今ぱっと決めた設定を話すよ。
アドニス : はい。
・所持技能は《商業》
・元行商人で、情報戦に長けている。
・戦闘については、実力や技術というよりも、小賢しいやり方で勝ちに行くスタイル。
・妄想CV堀内賢雄の食えない中堅おじさん。
アドニス : それじゃあ、この人を準英傑として仲間にしよう!
名前は決めてる?
イェルク : 今決めよう。…ルーカンで。
アドニス : 勘の鋭そうな人だし、正体がバレそうになって隠密で判定するっていうシーンはどうだろう。持ってない技能も振ってみたいな。
「どうも、お嬢さん」
剣を刷いたアドニスに声をかけたのは、イェルク直属の密偵――ルーカンだった。
長身痩躯で、細面。黒い山羊鬚は、知的なようにも粗野なようにも見えた。
「お、おい。さすがに怒るぞ。いくら華奢でも、僕は男だ」
一瞬慌てて距離を取る。冗談だろう、と嗤ってごまかした。
「いやね、アンタの身のこなし、男にしては柔軟すぎると思いましてね。関節の可動域が広く、筋肉もしなやかだ。――アンタ、元は旅の遍歴騎士でしたか。まさか、性別を偽ってまでウチに潜り込んできたんじゃないでしょうな。…素直に正体をあかしちゃくれませんか?」
「ははは、ま、まさか!決戦の前に笑えない冗談はよしてくれ。そんなことあるわけがないだろう。たしかに僕の戦闘スタイルは、男にしては独特だと言われるが」
《隠密》 2b6>=4 1 , 5 > 成功数1
アドニス : ……成功かつファンブルです(・_・)
イェルク : イレギュラー、引きまーす
ルーカン(GM/プロンプター) : 「ふっ、まぁそれもそうですな。アンタ、見るからに嘘の付けない顔だ。勘繰りすぎましたかな」
アドニス : 「分かってくれたならいいんだ。こちらも要らぬ詮索をさせて済まない」
ルーカン(GM/プロンプター) : ルーカンはアドニスの肩口を小突いて、
「…ご武運を、オ坊ちゃん」
と言いさして出て行った。
アドニス : ほ、っと息をついて、
「い、今のは…カマをかけられた、のか。――動きが軽やかすぎたかな。もう少し重量を感じる、硬い戦い方をした方がいいのか?」
だけど、あのイェルクが重用している男だ。きっと中々の手練だろう。2人を味方につけることが出来れば、祖国奪還も夢では無いかもしれない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
GM/プロンプター : さて、初めにアドニスに渡した【軍師への信頼】をここで使います。
アドニス : おっ。
GM/プロンプター : ここには、「天才軍師を信頼する・協力する理由」を記入してもらいます。
これまでのRPを踏まえて考えてみてください。
記入後は伏せたままに。決戦フェイズでいつでも公開することができます。
公開した場合の効果はルールブックを参照のこと。
アドニス : なるほどぉ。ちょっと書いてみますね。
――……よし、書けました!
GM/プロンプター : おつかれさまでした。
以上をもちまして、『活動フェイズ』は終了し、次から『決戦フェイズ』が始まります。
・決戦フェイズ・
城内に、重苦しい破城槌の音が響いた。一度ならず、二度、三度と続いていく。
それは絶望の先触れか、まさに城門は破られようとしていた。
GM/プロンプター : それでは敵の初期配置を公開。天才軍師様には全ての敵配置を渡します。
イェルク : いただきました。
初期配置
エリア1「南の城門」【山賊・海賊】×2体
エリア2「北の大橋」【オパール】
エリア3「東の城門」【弓兵】×1体
魔法のイヤリングに軽く触れながら、
「そうか、ならば破壊される前に南の城門も開けてしまえ。…いや、予定通りだ。お前はそこに居ろ」
尖塔の頂に据えられた一室。戦場を見下ろすことができる絶好の見晴台だ。木の机には地図と、それぞれの兵に見立てたチェスの駒、戦況を占うタロットが並べられている。
「……節義の王城は難攻不落。落とせるものなら、やってみるがいい」
イェルク : ルーカンをエリア1、アドニスをエリア2へ配置してくれ。
アドニス : 了解!
裏切り者の行く手に立ちはだかるは、蒼の騎士。
「オパール……!」
「へへっ、やぁ隊長さん。ここであったのも何かの縁だ、一つ手合わせ願うぜ」
配置完了
ラウンド1 開始
アドニス : スキル『親衛隊』使用!
攻撃力:2 防御力:7 HP:1の従軍キャラクター1体を好きなエリアに配置出来る。
…手薄なエリア3に配置します。
イェルク : スキル『防衛戦の達人』使用。
決戦フェイズの間、自軍全員の防御+3
[ アドニス ] 防御 : 5 → 8
[ 親衛隊 ] 防御 : 7 → 10
[ ルーカン:準英傑 ] 防御 : 5 → 8
[ イェルク ] 計略PT : 14 → 11
アドニス : それじゃあ、僕の手番からだね。
スキル『一騎当千』を使ってオパールを攻撃!使用技能は《戦技》で!
《戦技》 2b10>=4 9 , 9 > 成功数2
2d6 攻撃ダメージ 6[4,2] > 6
[ オパール ] HP : 1 → 0 オパール 撃破
アドニス : 「僕と対等に剣を交えたければ、もっとまっとうに技を磨くべきだったな!」
イェルク : それじゃあ、ルーカンと親衛隊の行動もこっちで決めて振ります。
ルーカンは山賊1を攻撃。
親衛隊は弓兵1を攻撃。
ルーカン: 2d6 攻撃ダメージ 3[2,1] > 3
おっと。戦略PTでダメージを底上げするか。
1d6 > 6
[ 山賊・海賊1 ] HP : 1 → 0
[ イェルク ] 計略PT : 11 → 9
山賊1 撃破
親衛隊 : 2d6 攻撃ダメージ 4[3,1] > 4
[ 弓兵1 ] HP : 1 → 0
弓兵1 撃破
GM/プロンプター : 自軍の行動が終了したので、敵軍の行動。
が、d6ダイスを振っても防御力以上の出目が出ないので、自動失敗。
防御上げるの、強いな…。
両軍の行動 終了
進軍ジャッジ
エリア1:敵軍1/自軍1 勝利
エリア2:敵軍0/自軍1 勝利
エリア3:敵軍0/自軍1 勝利 拠点ダメージ0
ラウンド1 終了
増援 ラウンド1終了時
エリア1【山賊・海賊】×2
エリア3【山賊・海賊】×2
イェルク : イレギュラー、引きます。
…四枚になったので、一枚公開だな。では、これを…
嘘の様な奇跡
想像以上に、計略が上手くいきすぎている気がする。みなも自分によく付いてきてくれている。
こんな時こそ、気づかぬ落とし穴があるものだ。気を引き締めなければ。
・効果・
このセッションの間、スペシャルが発生すると、本来のものに加えて【戦略PT】がさらに1点獲得できる。
アドニス : お。珍しい、有利なイレギュラーだ。
兵を率いる将たちが耳に付けたイヤリングは、魔力が込められた特殊な品だ。
「僕は手空きなんだが、どこか助太刀に入るべきだろうか?」
飾り石に触れながら喋ると、同じ石が使われた受信機に音声を届けることが出来る。
『いや、お前はそのまま、”北の大橋”で待機していろ。予定通りなら、じきに大物が流れてくるはずだ』
「了解」
『こっちは少々分が悪いですが、……どーします?』
『大敗さえ避けられればいい。お前はそこでそのまま、適当に雑兵の相手をしていろ』
『はいなっ』
アドニス : 今回、僕はパスだ。使えるスキルもないし、軍師殿の指示なのでね。
イェルク : すまん。ここで移動させると、無意味な行ったり来たりになりそうでな。
で、準英傑以下の行動を指示していこう。
ルーカンは山賊2を攻撃、親衛隊は山賊5を攻撃だ。
ルーカン : 2d6 攻撃ダメージ 9[5,4] > 9
[ 山賊・海賊2 ] HP : 1 → 0
山賊2 撃破
親衛隊 : 2d6 攻撃ダメージ 10[5,5] > 10
[ 山賊・海賊5 ] HP : 1 → 0
山賊5 撃破
GM/プロンプター : では敵軍の行動
……が、前回と同じく自動失敗。
山賊達はなかなか攻撃が通らず、あるいは地形に阻まれ、四苦八苦しています。本当に難攻不落だな。
イェルク : これが孔明の罠です。(※違います※)
両軍の行動 終了
進軍ジャッジ
エリア1 敵軍2/自軍1 敗北
エリア2 敵軍0/自軍1 勝利
エリア3 敵軍1/自軍1 勝利 拠点ダメージ2
[ イェルク ] 拠点HP : 15 → 13
ラウンド2 終了
増援 ラウンド2終了時
エリア2【隷属火竜】×1
エリア3【グレン】
GM/プロンプター : これ以上の増援はありません。
イェルク : イレギュラー、引きまーす。
おっと、コレはアツい……。じゃあこれを公開しよう。
無名の英雄
敵兵の中に、戦場のただ中で英傑級の力に目覚めた者がいる。
誰も予想していなかった覚醒に、戦場は混乱する。
・効果・
GMは、決戦フェイズに登場する敵軍キャラクター1体を選ぶ。選ばれたキャラクターは【攻撃力】と【HP】が1点上昇する。
GM/プロンプター : 当然、グレンのHPと攻撃力を上げます。
[ グレン ] HP : 3 → 4 攻撃 : 2 → 3
イェルク : と、こんなところで、天才カード2を公開!
●天才カード2
賊の「切り札」こと竜の対策であるが、大雨で増水している川を使おう。
竜は巨体かつ重量もある。賊は砦にある物資運搬用の船に乗せて、川を下らせてくるだろう。
川は北の大橋を通る。そこに船を座礁させる仕掛けを用意しよう。
そうすれば、船は動きを止め、竜も身動きができなくなるはずだ。
なぜなら、あの船は自分が用意したものだ。脆く、潰れやすいよう設計してある。竜が暴れれば、船は崩れ落ちて、竜も増水した川に落ちるだろう。
・計略の効果・
2ラウンド目の終了時に【隷属火竜】が登場したときに使用できる。
【隷属火竜】の【HP】を1点減少させ、【戦闘火竜】は5ラウンド目の終了時まで「攻撃」と「移動」を行えない。
イェルクの読み通り、やつらは運河を利用してドラゴンを運搬した。
猛々しく雄叫びを上げる翼竜を乗せた船が、ゆっくりと北の大橋に近づく。――その時、不自然な動きで唐突に船が停止した。その勢いに驚き、竜が暴れると、悲鳴じみた音を立てて船が割れ砕け始めた。乗っていたドラゴンもろとも、川面に沈んでいく。
なんとか岸に上がろうともがいているが、しばらくは身動きが取れないだろう。
[ 隷属火竜 ] HP : 3 → 2
アドニス : 「来た!」
ルーカン(GM/プロンプター): 『こちらも奴さん、おいでなすったぜ』
イェルク : 『門番、すぐに跳ね橋を上げ、奴らの退路を塞げ!これより増援も退却もさせるな!』
ルーカン(GM/プロンプター): 『――…あー、はっはっは』
イェルク : 『…どうした?』
ルーカン(GM/プロンプター): 『いやはや、耄碌したもんで。俺としたことが、相手の力量を見誤りましてね。こいつぁ、苦労しそうですわ』
ラウンド3 開始
アドニス : では僕の手番。
もちろん、スキル【一騎当千】を使用して、隷属火竜を攻撃!
使用技能は《体力》にしよう!
《体力》 2b10>=4 6 , 2 > 成功数1 2d6 攻撃ダメージ 7[1,6] > 7
イェルク : 戦略PTでダメージを底上げ。戦略PT2点×2回使う。
1d6 > 2 1d6 > 6
アドニス : これでダメージ15!一気に3点入りました!ありがとう、軍師殿!
[ イェルク ] 計略PT : 9 → 5
[ 隷属火竜 ] HP : 2 → -1
隷属火竜 撃破
アドニス : ――ではここで続けて、『軍師への信頼』を公開します!
『軍師への信頼』
効果 防御力+1d10 好きなエリアへ移動
『言ってしまった』
軍師の策を信じるよう、みんなに言ってしまった。
みなを導く者としてもう引くことは出来ない。
自分の言葉を嘘にしないためにも、最後まで彼のことを信じよう。
イェルク : それじゃあ、このままエリア1へ移動して貰おうかな。
手近な荷車に積んであったロープを手に取ると、火竜へ正面から立ち向かった。
力強い踏み込みで跳躍すると、瞬く間に剣とロープでドラゴンを捕縛していく。
川面に浮いている翼竜の背を器用に渡って対岸に移ると、アドニスは今まさに激戦が繰り広げられている『南の城門』へと走り去った。
1d10 > 1
[ アドニス ] 防御 : 8 → 9
グレン(GM/プロンプター) : 「てめぇら、何遊んでやがんだ!高々マッチ棒見てぇな槍兵一人に手こずりやがって!ぇえい、使えん野郎共だ!俺が手本を見せてやる!」
アドニス : 「待てっ!――…我が名はアドニス!放浪の自由を捨て、この国に忠義を誓った者だ!お前たちは”私”の誇る国土を荒らし、あまつさえ王城に押し入った!タダで済むと思うなよっ!!」
巨漢と軽薄そうな槍兵の間に飛び込み、名乗りを上げます。
イェルク : 白熱しているところ悪いが、準英傑以下の行動を処理していくぞ。
親衛隊は変わらず、山賊6へ攻撃だ。
ルーカンは…アドニスが飛び出した隙に、グレンを叩いておこう。
ルーカン: 2d6 攻撃ダメージ 8[4,4] > 8
[ グレン ] HP : 4 → 2
親衛隊 : 2d6 攻撃ダメージ 8[5,3] > 8
[ 山賊・海賊6 ] HP : 1 → 0 山賊6 撃破
GM/プロンプター : 自軍の行動が終了、敵軍の行動に移ります。
山賊の攻撃は、どちらにせよ自動失敗ですので割愛します。
グレンのターゲットをどちらにするか、ですが……ここはアドニスにしておきましょう。アツいので。
「この城に隠された秘宝は俺たちのもんだ!邪魔するなら命の保証はねぇぞ!」
3d6 攻撃ダメージ 7[3,3,1] > 7
アドニス : 軍師が『防衛戦の達人』で良かった……。
イェルク : 感謝しなさい。
両軍の行動 終了
進軍ジャッジ
エリア1 敵軍3/自軍2 敗北
エリア2 両軍0 勝利
エリア3 敵軍0/自軍1 勝利 拠点ダメージ5
[ イェルク ] 拠点HP : 13 → 8
ラウンド3 終了
増援 なし
イェルク : イレギュラーを引きます。
…これが、一番、無難、なのかぁ……?
忙殺される日々
いつも世話になっている副官(あるいは秘書)や伝令が倒れてしまった。
仲間とコミュニケーションを取る時間すらない。
効果
このセッションの間、【戦略PT】の使用によって判定を成功にすることができない。
アドニス : 僕の最後の手番!
もちろん、スキル『一騎当千』でグレンに攻撃!
使用技能は…《統率》!
《統率》 2b10>=4 3,2 > 成功数0
イェルク : これって、イレギュラー引かなきゃ駄目?ダメかぁ…。
仕方ないんで、これを出します。
偽りの撤退
アドニスが倒れたという情報が流れた。それ自体はちょっとした誤解や、大げさな情報だったが……。
これは使える。体調不良で撤退したという物語は都合がいい。
効果
自分は、このセッションの間1回だけ、好きなタイミングで戦略級英傑PCを一人選び、好きなエリアに移動できる。
アドニス : 2d6 攻撃ダメージ 4[3,1] > 4
イェルク : 計略PTを使って、2回振り足すよ。
1D6 > 3 1D6 > 6
[ イェルク ] 計略PT : 5 → 1
アドニス : これで合計13ダメージ!3点入った!やったぁー!ありがとう、イェルク!
[ グレン ] HP : 2 → 0
グレン 撃破
イェルク : ふ、ようやくこれを公開する時が来たな。
天才カード1を公開!
●天才カード1
グレンという山賊団の頭は末端にまで指示を出しつつ、恐怖と報酬で山賊をコントロールしているようだ。
報酬は城の宝。これは自分が流した嘘だ。
恐怖はグレン自身だ。奴が用意しているという「切り札」も恐怖に利用しているのだろう。
グレンと切り札を倒すことができれば、奴らは烏合の衆。逃げ出すだろう。逃げ出した者を捕らえるよう、軍には指令を出している。
さて、グレンを戦いやすい東の城門に来るよう、オパールを使ってうまく誘導できないものか。
・計略の効果・
2ラウンド目の終了時に登場する【グレン】ともう一体の敵の両者を撃破したときに使用できる。
自軍は決戦フェイズに勝利する。
GM/プロンプター : 残った山賊は口々に「親分がやられた!」「火竜もだ!」「作戦が全部裏目だ!こいつら強すぎる!」「お終いだ!」と言って逃げだそうとしますが、城門を超えてしまった者たちは、跳ね橋に行く手を阻まれそのまま捕虜として確保されました。
そして、外で包囲していた者たちも散り散りに逃げ出しましたが、『タイミング良く帰還した』第一王子の本軍が旗を掲げ、端から捕縛されていきました。
城門の向こう。丘の隆線に沿って、騎馬隊が居並び自国の旗を掲げている。その最前に凜々しく立つは、我が国の王子だった。
「まるで計ったかのようだ。――まさかこれも……」
アドニスがあっけにとられていると、ルーカンが肩をすくめて言った。
「やれやれ、当然でしょう。今回の件が”あの人”の手中からこぼれた事なんて、一時だってありゃしませんよ」
「……」
彼の言葉を受けて、尖塔を見上げる。
イェルクは、窓枠に片手をかけて、厳然と”全て”を見下ろしていた。
GM/プロンプター : 以上、『節義の国防衛作戦』圧勝をもちまして、決戦フェイズを終了します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・終了フェイズ エピローグ・
その日の夜、城の大広間は大いに賑わっていた。
祝勝ムードいっぱいの中に居るのは、多くが兵士達だったが、帰郷を控えた元避難民たちも混ざっていた。
そんな人混みの中で、アドニスはきょろきょろと視線をさまよわせながら歩いた。
とん、と背中に衝撃があったかと思うと、
「おっと、失敬」
軽薄で慇懃なしゃべり方のルーカンだった。
「…あらっ?これはこれは、アドニスの坊ちゃんじゃないですか。どしたんです、一人で」
「うん。イェルクを探しているんだ、ここには居ないみたいで…。どこにいるか知っているかい?」
「あぁ、庭じゃないですかネ。裏の、池の傍に東屋があるんですよ」
ルーカンは嘘を吐かなかった。
庭園には美しい池があり、傍にガゼボもあった。アドニスは、いくつかの林を抜けてそこにたどり着いた。
しかし、ガゼボはその殆どが林に飲み込まれていて、塗装が禿げ、木材に罅が入っていた。
見る人にとってそれは、良い景観とは言えないかもしれない。けれど、アドニスにとっては、まさに息を呑むほどに美しい光景だった。
ベルベットのような池の水面が、ガゼボのアーチから覗いている。
そこには、周囲の木々たちと、夜空に散らばった星や月が映り込み、まるでもう一つ別の世界が見えているようでもあった。時折、魚の背びれが水を揺らすたび、銀色の波紋が煌めいては、アドニスの心を幻想的な世界へと誘った。
「……なんて、美しい…」
声に気がついて、愁いを帯びた横顔が振り返った。
その緑の瞳にも、池の銀色が映り込み、吸い込まれそうだった。
「俺以外にここに来る人があるとは。今日は珍しいな」
「あっ、僕はただ…その……。君の時間を邪魔してしまったなら、すまない。――…ははっ、君の活躍のおかげで、広間は大騒ぎだ。僕からもお礼を言っておきたくて……」
アドニスの言葉は途切れた。イェルクが手を伸ばし、自分の耳の辺りを撫でたので。青年将軍のような格好をしていても、少女の心は早鐘を打った。
「……途中でオオオナモミの林を抜けたな。みな、服を汚したくなくて、ここを避ける」
そのまま、頭や肩の辺りを撫でられる。そのたび、ぱらぱらと小さな植物の実が足下に落ちた。
「まぁ、お前は来るだろうと思っていたよ」
屋根の下に置かれた小ぶりなテーブルには、銀製のグラスが二つと、果実酒の瓶が一つ置いてあった。
「君には敵わないな…。それじゃあ、僕が聞きたい事も、分かってるんだろう」
「『一体いつから、どこからが計画の内だったのか』」
イェルクは一度言葉を切って、二つのグラスに酒をついだ。
夜の闇に溶けて色は分からなかったが、甘酸っぱいようなフルーティな香りが広がった。
アドニスはじっとその横顔を見つめた。まるで、祖父の語りを聞く孫の様に。
「最初は、三月ほど前の定期会議。解散した後、国王陛下と兄様に呼び止められ、なにか山賊達を大人しくさせる方法はないか、と聞かれたので、『いくつかある』と答えた。――……まずは、商人や旅人たちに、一つの噂を広めて貰った」
「それだ!山賊達を尋問すると口々に、我が王城には『エメラルドの炎』と呼ばれる宝玉が隠されている、と言うんだ。なんでも、手に入れれば富と名声と力…この世の全てを手にし、時の天下人になれると言っていた」
「それは少々尾ひれが付きすぎているな。お前も知っての通り、この城にそんなものは無い」
「それじゃあ、奴らを一網打尽にするための、法螺だったのか」
「もちろん。もともと、この城は籠城戦にもってこいだ。こちらが頭領を含めた向こうの主力を釘付けにしている間、王子率いる本隊が、山々に散らばった奴らの拠点を押さえる手はずだったのさ」
「……山賊の侵攻が分かっていたからこそ、民の避難もあんなに迅速だったのか。見事な手腕だ。我々は、殆ど犠牲を払わずに、悩みの種だった山賊グループを壊滅させることが出来た。君は素晴らしい軍師だ」
「光栄だな」
嫌味のように鼻で笑って、イェルクは押し黙った。また口を開かないまま、どこか遠くを見るように、水面の星々を眺め続けた。
アドニスも、それに習って口を閉ざして鏡面に二つ写しになった夜空を見る。
故国奪還という自分の目的を、彼に話すべきか否か。イェルクという男を信じるべきなのか。
”彼女”はまだ判断を下せない。
今はただ、幼い少女のように、その横顔を見つめた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
GM/プロンプター : セッション本編のほうは、以上で終了となります。
イェルク : 思ったより計略PTに余裕がなくて、スキル『逆転計略』の使いどころを窺っていたよ。
アドニス : 実際戦う側としては、グレンが急にレベルアップして、良い具合のヒリつきを感じたな。
イェルク : あれはただのイレギュラー。
GM/プロンプター : それじゃあ、終了フェイズの残りをやっていきます。
二つ名付与
イェルク : 俺は表を振ってみようかな
d66 (D66) > 61 「竜才」
アドニス : 同じく振りまーす
(D66) > 45 「駆けるカリスマ」
人材の獲得
イェルク : これも表、振ってみたら?
アドニス : おけ
(D66) > 61 「見聞を広げるために旅行に出かけていた者が帰ってきた」
アドニス : どっちがスカウト判定する?
イェルク : どうせだから、俺が口車で振ってみようか?
《口車》 (2B10>=4) > 10 , 10 > 成功数2
二人 : ……
アドニス : これは文句なしで準英傑入りだね。
イェルク : 技能は《機械》にしよう。都会で修行してたやつが、新し技術を持って帰ってきたんだよ。
レベルアップ
それぞれ「軍師レベル」「英傑レベル」が1点上がります。
・スキル取得
・ステータス上昇
・(人材)指南
の三つから選んで貰います。
イェルク : これについては、次回始めるときまでに考えておく、でいいかな?
アドニス : 悩んで時間掛かるだろうし、賛成です。
GM/プロンプター : それでは以上で、セッション『天才軍師の芽吹き』を終了します。
お疲れ様でした。
イェルク : 様でした。
アドニス : でしたー。
・エンドクレジット・
キャラアイコン
イェルク…ロン毛の男メーカー
アドニス…トコトコ王国
カード背面画像
淫魔のピッピ/ピッピカブー様
Twitter:https://twitter.com/Pippika_boo
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCqI91KcoZLi8qCRWOCTF4Hg
魔電星ストア様
BOOTH:https://booth.pm/ja/items/4584351
タロットカード素材
家猫様
pixiv:https://www.pixiv.net/artworks/71664018
チェスコマ素材
えす家様
BOOTH:https://booth.pm/ja/items/3484036