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【ブラックジャケットRPG】フェイクスター・セレナーデ【仮想卓ログ】

・はじめに・

こちらは『ブラックジャケットRPG』の仮想卓ログです。
ルールブックに掲載されていた1on1形式のシナリオ「フェイクスター・セレナーデ」を使用しています。
キャラクターアイコンはピクルーのメーカーで製作したものです。記事の最後にURLを掲載しております。

GM/プロンプター : 悪党、アウトロー、ヴィランをやりたい君と、『ブラックジャケットRPG』をやろうと思う。
プレイヤーA : おー。ようやく手を付けてくれたか。まってたよー。
GM/プロンプター : とりあえず、基本ルールブックに掲載されている1on1のシナリオ「フェイクスター・セレナーデ」をやってみようと思う。
 推奨オリジンは怪盗/スティング
 技能などの指定は無いから、好きに作ってくださいね。

キャラメイク

オリジン
 ガロット/復讐者
 スティング/怪盗
 レッドラム/殺人鬼
 ウォーモンガー/戦闘狂
 ファナティック/策略家
 ハイライズ/拝金主義者

GM/プロンプター : 通常はこの6種類の中から1つを選ぶんだけど、今回はシナリオからの指定でスティング固定。
プレイヤーA : そういえば最近、怪盗が出てくるゲームやったよ。CV福山潤の仮面剥がすやつ。
GM/プロンプター : それは心の怪盗団だね。

能力値
GM/プロンプター :
こちらはオリジンそれぞれに設定されているダイスロールで決定するのが良いでしょうね。
プレイヤーA : まずは肉体
 (ころころ)27
 じゃ、精神
 (ころころ)25
 さ、さいごに環境
 (ころころ)28

プレイヤーA : やばい。ほぼ最低値だ。
 まぁこう言うこともあるよね。素の能力的には、パンピーと変わらないのかも知れない。
GM/プロンプター : 振り直すかい?
プレイヤーA : ……。
 いや。怪盗キャラとしては面白いかもしれない。
GM/プロンプター : と、いうと?
プレイヤーA : 僕は”特別であって、特別でない”。
 僕は”誰でもあるし、誰でもない”。
 僕は”何処にでも居るし、何処にも居ない”。
 ──うん、コンセプトが固まってきた。

技能レベル
GM/プロンプター :
オリジンそれぞれに初期レベルの指定があるね。
 スティングは10レベルを6つ。
プレイヤーA : 他と比べて、広く浅くって感じか。なんとなく器用貧乏な感が否めないな。
 肉体技能は<運動>だけとろうか。
 精神技能は<意志><知覚>の2つで。
 便宜上1番高い環境技能は、<作戦><隠密>…<科学>で。

パワー
GM/プロンプター :
オリジン固有のパワーの中から4つ選んで貰います。
 初期推奨もあるけど、どうします?
プレイヤーA : 推奨にある【無音剣】って使用技能白兵だよね。ちょっと振れないな…。
 キャラコンセプトに沿って、【贋作屋】【千面相】【煙幕】は外せない。あとはメインウェポンに【暗器】を取るよ。

設定
GM/プロンプター : 特徴・本質・外見・名前
 パーソナルデータですね。ダイスを振る事も出来るし、自分で作ることも出来る。
プレイヤーA : 実は特徴と本質は、キャラコンセプトが決まったときから、考えてある。

 特徴は「盗癖」、本質は「百面相」。
 怪盗として表に出るときの格好は「仮面」「コート」。表向きの職業は「フリーター」。年齢は19歳。
 普段は普通の大学生で、いろんな職種のアルバイトを転々としてる。盗癖のせいで長続きしないんだ。
 どこにでも居る存在なのに、あえて人の認識に残らない存在。それが僕、――「岩下幸太郎」だ。
 大々的に怪盗行為を働くときは、仮面や丈の長いコートであえて印象を残す。
 みんな、街を歩いてる僕に気がつかないのさ。まるで真っ暗なトンネルから眩しい平原に出たときのように目がくらむんだよ。

 誰も本物の僕を知らない。
 そして、いつしかこう呼ばれるようになった――「Mr.フォニィ」と。

Mr.フォニィ/幸太郎 : 今宵も、生花と造花をすり替える鮮やかな手管、とくとご覧に入れようじゃないか。
GM/プロンプター : すごく…スティングだね。
Mr.フォニィ/幸太郎 : お褒めにあずかり光栄だね。

――――――――――――――――――――――

シナリオタイトル「フェイクスター・セレナーデ」
 ――世界で最も有名な怪盗。それが君だ。
 だが、君と同等の能力を持つ怪盗が現れ、君に挑戦を挑む。
 果たして結果やいかに。――

HO:君は世界でも名の売れた怪盗の一人である。
 君にはかつて袂を分かった相棒がいる。彼は今でも君が助けを求めれば手を貸してくれるだろう。

「フェイクスター・セレナーデ」

――[好敵手登場]――

 獄門街は神楽町にあるカジノ「ブルーベリー・フィーバー」は、毎晩のように店外まで響く音量で景気の良い音楽を流し、派手なイルミネーションでライトアップされていた。
 店の奥には、厳重に施錠された金庫室があり、店の売り上げや金銀財宝がたんまりと保管されている。――今、その扉が音も無く開いたところだった。
 オーバーサイズのコートを翻し、黒い仮面の人物が音も無く忍び込む。
 もちろん店の人間ではない。――華麗にセキュリティをかいくぐり、今まさに全てを盗み出そうとしているのは怪盗「Mr.フォニィ」だ。

「……ふっ、今夜も上出来だぜ」

 にやり、と口角を上げてしまった自分を戒めるように、しぃー、と人差し指を唇に当てる。
 その時――

「おっと、一足遅かったか」

 突然、背後から声がした。
 振り返ると、同じような格好をした人物が金庫室の扉をくぐる所だった。

「あらら、同業者か。見ない顔だな、新人か?」
「私の名はフェイクスター。――やれやれ、あと五分早ければここの財宝は私のものだったのだが……」
「良いことを教えてやろう、後輩。この世界はシビアで、ストイックだ。つまり、全ては早い者勝ちってこと」
「なるほど、たしかに今回は貴方のほうが早かった。しかし、次はどうかな? ……いつまでも貴方の時代が続くと思ったら大間違いですよ、センパイ」

GM/プロンプター : フェイクスターと名乗った同業者は、それだけを言うと煙のように消えた。
さて、我らがMr.フォニィも警報が鳴り始める前にこの場を辞さなければならない。
思わぬ後輩からの挑戦に気分が高揚していた。
今宵は月が綺麗だ。

――――――――――――――――――――――
エンドチェック
✓カジノの金庫室に侵入した
✓フェイクスターと会った

――――――――――――――――――――――

――[BARにて]――

 階段を降りた先の地下にあるBAR「パールグレイ」。
 時間帯のせいか、客は殆ど入っていなかった。ジャズピアノが流れる店内には、カウンターに座る青年が一人。
 彼の名前はシェビィ。左腕の時計で時間を確認する。人を待っていた。
 ちりん、とドアベルが鳴り杖をついた老人が入り口に立った。少し歩きにくそうに青年に近づくと、

「お隣、空いてますかな? ――あぁ、ありがとうございます。失礼しますよ」

 丁寧に了承を取ってから、シェビィの右隣の席へ腰掛けた。
 バーテンが「何かお作りしますか?」と訪ねると老人はサイドカーを一杯注文した。

「……――また一段と変装の腕を上げましたね。一瞬分からなかった」
「はて…? なんのことだか、わかりませんな。人違いでは?」
「俺が貴方を見間違う分けないでしょ、Mr.フォニィ。……いや、岩下幸太郎、と呼んだほうが?」
「やれやれ、世界広しといえど、僕の変装を見抜けるのは君だけだよ」
 その声は隣の老人から発されたが、それはもはや嗄れた老人のものではなかった。若々しく張りのある声帯を感じる青年の声だ。

「ふっ、何年一緒にやってたと思ってるんです。半年会わなかったぐらいで分からなくなるほど、目は衰えていないつもりですよ」

 シェビィはMr.フォニィ――岩下幸太郎の相棒だった。
 半年ほど前にコンビを解消してから、お互い疎遠になっていたが、今回は幸太郎から連絡を取った。

「それで、今回はどういう用件です? ただ二人で酒を飲み交わそう、って訳でもないでしょ」
「ねぇ、僕のこと嫌い?そう急かすなよ。雑談でも楽しもうぜ」

 幸太郎は、バーテンが提供したサイドカーのグラスを、軽く爪で弾いた。ぴぃん、と涼やかな音がする。

「好きか嫌いかでいえば、今のところちょっと嫌いかな。俺、用も無いのに呼び出されたんですか? 再会を祝って乾杯でもしようって?」
「ははは。――最近、腕の良い後輩が出来た。そいつのことをちょっと調べて欲しいんだ」
「腕の良い後輩? 怪盗業の、ですか?」
「うん。君より見所がありそうなら、新しい相棒に誘おうかな。期待しちゃうね」
「……冗談でしょ?」
「さぁ、どうかな。君が出て行ってから半年、相棒って響きが恋しくなってね」
「そいつの名前は?」
「『フェイクスター』。知ってる?」
「最近、名前を聞くようになった気がします。詳しくはツテを当ってみますよ」
「曰く、僕を超えるんだってさ。イカす~」
「……」

 シェビィはその言葉に応えず、ただロブロイのグラスを傾けた。
「貴方は、誰もを惑わす稀代の大怪盗だ。それを超える怪盗なんて、居るわけが無い。――でも……どうします?実際に貴方を超える怪盗が現れたとしたら?…案外さくっと引退、しちゃったりして」
 冗談めかして言ったようでいて、彼の表情はシリアスだった。
「引退して欲しいの?まぁ、たしかに君が居ない『フォニィ』は”本当の意味”では『フォニィ』と呼べないのかも知れないね」
 かつて二人は、互いに無二の相棒だった。
 自分たちで標的を決めることもあったし、金銭と引き換えに依頼されることもあった。『フォニィ』とは、そもそもふたりのコンビ名だったのである。しかし、幸太郎が腕を上げるとその名前は、彼一人を指す代名詞となっていった。
「でも、辞められない」
 ”Mr.フォニィ”は肩をすくめた。
「むしろ、世間の目が僕から逸れるのは、良いことかも知れない。僕は下手に目立ちすぎた。怪盗なんて仕事は、本来目立たない方が都合が良いんだから」
「そうですね、貴方はそういう人だった。目立たなければ、目立たない方が良い、と」
「多くの手品と同じさ。観客の視線を誘導し、いかにタネを目立たないよう仕掛けるか、が大事なんだよ」

「……タネも仕掛けも御座います、ですか」
 シェビィは、ため息のようにそう言って、席を立った。
「それでは。フェイクスターについての情報はまた後日お知らせします」
「おっと。忘れ物だよ、相棒」
 幸太郎は上着のポケットに手を入れて、シェビィに何かを投げ渡した。

「腕時計…?」
 シェビィはとっさに自分の左腕を確かめる。
 たしかにそこに付けていたはずの腕時計は、存在しなかった。なぜなら、今投げ渡されたものこそがソレなのだから。
「いつの間に……」
「さぁね」
 幸太郎は怪しく微笑んでみせた。
「本当に…貴方には叶わないな……」
 少しうつむき加減にそう言って、時計の着いていない左腕を握りしめた。

――――――――――――――――――――――
エンドチェック
✓シェビィと会話した
✓シェビィは調査を請け負った

GM/プロンプター : ここまでが導入フェイズ。
 一息に来たけど、何か質問はある?
Mr.フォニィ/幸太郎 : ゲームルール的な質問は無いんだけど、シェビィはどうしてコンビ解消したのかな、とは。
GM/プロンプター : その辺はPCとGMに任されているので、裏で決めておきましょう。
 リマークを使って描写を挿入してもいですしね。

それでは、次回から展開フェイズです。
以下の3つのイベントから1つを選んで貰います。
[敗北] 早い者勝ちに負けて、フェイクスターに敗北するルート
[痛み分け] フェイクスターと引き分けになるルート
[勝利] 冒頭と同じくフェイクスターを出し抜くルート

Mr.フォニィ/幸太郎 : ストーリー進行は変わる?
GM/プロンプター : 変わらないかな。ただ、キャラクターの感情は変わるかも知れないね。
Mr.フォニィ/幸太郎 : なるほど、それは悩むね。
 ――じゃあ、こういうのはどう?

――[痛み分け]――

 所はルマンド美術館。
 深夜の館内はしんと静まりかえり、天窓から差し込む光が、壁に掛けられた「モナ・リザの欠伸」を照らしている。
 1時間に一度、警備員が一人懐中電灯を持って見回りに来る。今宵も彼はしっかりと自らの仕事を果たすべく、注意深く周囲に目を配った。
「――…よし、異常無いようだな」
 懐中電灯の明かりと、規制品の革靴の足音が遠ざかると、天窓からするするとロープが垂らされ、何者かがホールに降り立った。
 フェイクスターだ。
 彼が「モナ・リザの欠伸」へ手を伸ばそうとしたとき…

「おい、そこで何してる!?何者だ!?」

 先ほど通り過ぎた警備員が異変を感じたのか、引き返してきたのだ。
 フェイクスターは、動揺したのか一瞬動きが止まった。
 彼はじっと警備員を見ると、ふっとその口元に笑みを浮かべた。
「――…………ふふふっ、流石はセンパイ。よく出来た変装だ!」
 衣装のポケットから小瓶を取り出すと、中の液体を警備員の顔面へ振りかける。驚いたのは警備員のほうだ。慌てて飛び退き両腕で顔を庇うが、飛び散った雫が頬に落ち、じゅっ、と音を立てる。……しかし、その飛沫は皮膚を焼くには及ばず、ただ化学薬品がシリコンのような素材を溶かすケミカルな香りが漂った。

「……やれやれ、君の真贋を見抜く目は本物のようだ。僕の変装を五分以内に見破ったのは、君で二人目だよ」
 爛れた塗装のような特殊メイクを剥がし、Mr.フォニィが現れる。
「ものの数に入れてもらえるとは、光栄ですね」

 互いに称賛する言葉を口にしながらも、場の空気はぴんと張り詰めていた。
 「モナ・リザの欠伸」は、それぞれの中心点に存在する。じりじりと距離を詰めながら、それぞれが隙を窺っていた。
 しかし、状況を大きく変える決め手は無い。膠着状態が続き、時間だけが過ぎていく。
 展示ホールの中にある時計が、音を立てて秒針を刻んでいる。

 終わりは突然に訪れた。外からサイレンの音が聞こえてきたのだ。

「――ブラックジャケットか。…残念ながら今日はここまで、のようですね」
「あはっ……楽しかったよ。また会えるのを楽しみにしてるぜ、後輩」
 二人は互いに顔を見合わせると、お宝に背を向けた。
 立ち去る瞬間、フェイクスターがどこか満足げに微笑むのを見たような気がした。

――――――――――――――――――――――

エンドチェック
✓フェイクスターはなかなかやる相手だ
✓成長点ボーナスを得た

――――――――――――――――――――――

――[挑戦状]――

 数日後、BAR「パールグレイ」のボックス席に、艶めくワインレッドのドレスを着こなした美女が座っている。
 誰もが振り返る美貌を持った彼女に、男性客の一人が声をかけたが「ごめんなさい、人を待っているの」とすげなく断られた。その申し訳なさそうな苦笑でさえ、人の心を奪い去る程の魔性だった。
 やがて店に一人の青年がやってくる。シェビィだ。
 彼は店内をゆっくりと見渡してから、迷い無く魔性の彼女が座るボックス席へ近づき、向かいのソファに腰掛けた。

「私を待たせるなんて、随分色男になったものね」
「気色の悪い。辞めてください」
「あら、気色悪いだなんてひどい。町一番の美女を侍らせてやろうというのよ。光栄に思いなさい」
「俺は貴方が男だってこと、知ってますから」
「――例の「フェイクスター」について、いろいろ分かったんだって?」
「分かった…というか……分からないことが分かった、といいますか」
 シェビィは歯切れ悪く言った。表情もどこか浮かない。

「彼の出身や住所年齢は全て不明。最近になって世間を賑わせ始めた怪盗のようです。好む手口は、貴方とよく似ていますね。しかし、少しばかり詰めが甘いところもあるようです」
 メモや資料を目の前の美女――Mr.フォニィに手渡した。

「先日、また彼と鉢合わせたよ。なかなかやるようだった。僕の変装をすぐに見抜いて見せたんだ。本当に新しい相棒として勧誘しようかなぁ」
 冗談めかして笑いながらも、どこか当てつけのように資料をめくりながら、ちら、とシェビィへ視線をよこす。
「……いいんじゃないですか?好きにすれば。俺が辞める時だって『好きにすればいい』って言ったのは貴方でしょ」
「もしかして、根に持ってるの?君って意外と粘着質だな」
「――フェイクスターに話を戻しますが、方々で怪盗行為を繰り返しており、最近はドールハウスの奴らに目を付けられてるらしいですよ。……勧誘するつもりであれば、その辺はお気を付けて」
「ふーん。…まぁ獄門街を縄張りにする以上、そういう小競り合いは避けられないか」

「――…それから」
 シェビィは少し言いよどんでから、二つ折りになったメッセージカードをテーブルに滑らせた。
「フェイクスターについて調べていたら、向こうから接触があったんです」
「なに?」
「貴方によろしく伝えてくれと。次こそ、どちらが上かはっきしさせよう、と言っていました」
 Mr.フォニィは、メッセージカードを手に取った。

『目標はバルコニアン博物館に展示されている首飾り「ナイルの涙」。それを盗った側の勝ち。勝敗は、俺たち二人が分かっていればそれでいい。審判は要らない』

 怪盗は、魅惑の美女の外観を忘れて、昂ぶった勝負師の表情を見せた。
「この勝負、降りた方が良いですよ。得るものが無いわりに、負ければ『フォニィ』の名前に傷が付く」
「忠告ありがとう。だけど……一度舞台を降りた君に、『フォニィ』の名を語って欲しくない」
「……。そういえば、貴方は決めたら聞かない人でしたね」
「わかってんじゃん」
 絶世の美女は、一度頷いて席を立った。
「色々調べてくれてありがと。あと、伝言も。――それじゃあ、また会おう」
 Mr.フォニィはシェビィの返事を待たずに店を出た。
 店外は、雲に覆われた夜空からしとしとと、雨粒が振ってきていた。

――――――――――――――――――――――
エンドチェック
✓シェビィが挑戦状を持ってきた
✓挑戦を受けることにした

Mr.フォニィ/幸太郎 : ここでリマークを宣言したいな。
 過去回想でも入れると、雰囲気がいいんじゃない?
GM/プロンプター : ではそうしましょうか。

――リマーク[あの夜]――

「辞める?『フォニィ』を?」
「はい、そろそろ独立したくて」
「独立って……。シェビィに怪盗は向いてないと思うよ。僕ら、今まで役割分担して上手くやってきた。互いの得意分野は分かってるはずでしょ」
 その夜も、外では雨が降っていた。
 窓を滴る雫が、枠にぶつかる直前で他の雫と合流した。
「……分かってますよ。情報屋でもなんでも、とにかく貴方とは違う分野でやっていこうと思います」
「そう、じゃ…勝手にすれば? なんにせよ、『フォニィ』は解散だね。これからどうやって稼ぎを作ろうかな」
「就職しないんですか?」
「シェビィは冗談が上手いね。気がつくと、いつの間にか僕のじゃ無い財布や、知らない貴金属がポケットに入ってるんだ。まともな人間がそんなヤツを雇ってくれると思う?」
「少なくとも俺は雇いませんけどね」
 シェビィは肩をすくめた。
「冗談はさておき、『フォニィ』の名前は変えないで欲しいな。貴方の成長はめざましいから、きっとそのうち俺ですら真偽が分からなくなってしまう。――…目印が欲しいんです」
「君が僕を見失うことなんて、無いと思うけどね。……でも、分かったよ。多少スタイルは変わるかも知れないが、名前は続投にしよう。君の手を離れて、僕が唯のコソドロに堕ちたらすまんね」
「きっとそうはなりませんよ。貴方は稀代の大怪盗ですから」
「何故そう思う?」
「さぁ。ただの勘です。なんたって俺の“見る目”は、貴方のお墨付きですから」

 ”Mr.フォニィ” 偽物の中の偽物。
 水鏡に写る女には、何ら不自然な部分はない。
 愁いを帯びて伏せられた瞳が美しく、本物よりも本物らしい可憐さがあった。
「……今まで僕の変装を五分以内に見抜いた人間は二人だけ。――ふふ、面白くなってきたじゃないか」
パンプスを履いた足が、水鏡を踏みつけた。

――――――――――――――――――――――

GM/プロンプター : リマークの宣言・演出を受けて、カルマレベルの最大値が10になります。
Mr.フォニィ/幸太郎 : 判定の際は積極的に使っていこう!

――[競争]――

 バルコニアン博物館の警備は厳重だ。ヴィラン組織”ドールハウス”が経営に関わっている、という噂もある。彼らは侵入者には警告無く発砲することで有名だ。
博物館の前庭を、警察犬や警備員が巡回している。それを、ほど近い高層ビルの天井から俯瞰している人影が2つ。

「来てくれて嬉しいですよ、センパイ」
 片や、フェイクスター。
「あぁ、存分に楽しもうぜ」
 片や、Mr.フォニィ。

「今宵、どちらが”ナイルの涙”を手に入れるか。私と貴方、怪盗としてのメンツを賭けた二人だけの――勝負だ!」
 彼は屋上から飛び降りると、軽く身を翻して暗がりへ消え、道行く人々に紛れて姿が見えなくなった。

「この名前に傷は付けさせない。”元”相棒のためにもね」
 Mr.フォニィが顔の表面を一撫ですると、その姿は若い警備員に変わっていた。制帽を目深に被り直すと、彼も屋上を後にした。

――リーサル判定 ”ナイルの涙”を手に入れる――
技能:運動、作戦、隠密
修正:30% 回数:2回

GM/プロンプター : 以上の判定を回数分どうぞ。一度でも失敗すれば”ナイルの涙”は相手に奪われる事になります。
Mr.フォニィ/幸太郎 : 作戦か、隠密か……。隠密かな。
 任せといてよ、隠密行動は得意なんだから。

隠密 行為判定(成功率:68%) 1D100[6,6]=66 > 66 > 成功 > クリティカル! パワーの代償1/2
隠密 行為判定(成功率:68%) 1D100[1,8]=18 > 18 > 成功

 ”ナイルの涙”は大粒の真珠をちりばめた首飾りだ。
 高名な職人の腕による業が冴え渡る一品で、オークションに出せば数百億の値が付くと言われている。
 フェイクスターは、警報が作動しないよう、慎重に硝子ケースを解錠し首飾りを手に取った。
 その途端金細工が割れ砕け、真珠が砂のように指の隙間から零れていく。床に飛び散った宝石や真珠が、軽々しいプラスチックの音を立てる。
「これは…ただのイミテーションか!?」
「案外綺麗なもんだろう、偽物っていうのも、さ。なぁ、後輩」
 声のほうを振り返れば、我らがMr.フォニィが腕の無い彫刻像にもたれかかっていた。
「……っ」
「お探しのブツはこれかな?」
 彼が差し出した手には、神々しいまでの輝きを放つ真珠の首飾り”ナイルの涙”があった。
「Mr.フォニィ……!!」

――――――――――――――――――――――
エンドチェック
✓どちらかが”ナイルの涙”を手に入れた

――[正体]――

 フェイクスターが悔しげにMr.フォニィを睨んだ、その時!
 けたたましい警報音と共に、何者かの鉤爪がフェイクスターの仮面を引き裂いた。
 周囲を見れば、二人は”ドールハウス”の者たちに取り囲まれている。

「ちょっと悪戯がすぎたんじゃないかなー? 殺しちゃうよ? いいよね?」
 鉤爪の主は、ドールハウスの幹部、ティラノ。
 見目こそ六歳の少女にしか見えないが、その実態は一流の殺し屋だ。

 Mr.フォニィの足下に、フェイクスターの仮面が転がり来る。それを拾い上げ、
「『”やや”詰めが甘い』? 君の報告と違うな。『”かなり”詰めが甘い』に修正しなよ」
「…やっぱり俺じゃ、貴方のようには行かないな。最後でドジ踏んじゃいました」
 フェイクスターの仮面の下から現れたのは、Mr.フォニィのかつての相棒――シェビィだった。

「気づいてたんですか?」
「当然。僕の変装をすぐに見抜ける人間は一人だけ。君という相棒をおいて他に無いからな」
「本当に…貴方には叶わない……」

「ねぇ、事情は知らないけど、もう殺っちゃっていいかな?いいよね?」
 幼女は禍々しい鉤爪を鳴らした。
「よう、相棒。動けるかい?」
「なんとか」
 二人の怪盗は互いの背後を庇うように立ち、周囲を警戒する。
「…なにかあるんですよね? この状況をひっくり返す手が」
「ははっ、もっちろん! ――”いつも通り”に!」
 戦闘の火蓋が切って落とされようとしていた。

――――――――――――――――――――――
エンドチェック
✓フェイクスターの正体が判明した
✓ティラノは二人を殺すつもりだ
✓成長点ボーナスを得た

――――――――――――――――――――――

――[戦い]――

 勝利条件:ティラノを倒す/戦闘から脱出する
  第3ラウンド以降「代償:10ターン」のアクションとして、戦闘からの脱出判定が可能になる。
  脱出の技能は運動、隠密、作戦。この判定に成功した時点でPCとシェビィの二人は退場できる。

配置
 エリア2:シェビィ
 エリア3:ティラノ、グラニット

GM/プロンプター : PCをエリア1・2のどちらかに配置してください。
Mr.フォニィ/幸太郎 : ここはエリア2かな。3ラウンド目から逃走が可能になるんだね。
 そこまで時間を稼ごうじゃ無いか。

――行動順ロール
ティラノ : 行動順ロール (1D10) > 5
グラニット : 行動順ロール (1D10) > 6
シェビィ : 行動順ロール (1D10) > 3
Mr.フォニィ/幸太郎 : 行動順ロール (1D10) > 7

ラウンド1 開始

ターン3 行動:シェビィ
 防御専念  20ターン消費 行動済み
跳んで ターン5 行動:ティラノ
 【鉤爪】宣言 ターン10消費 次ターン15
 目標 Mr.フォニィ
 目標は<運動>-20の判定を行う。失敗した場合3d6のダメージを受ける。

Mr.フォニィ/幸太郎 : 運動 行為判定(成功率:17%) > 1D100[7,2]=72 > 72 > 失敗
 ダメージ (3D6) > 10[4,2,4] > 10 きっついなぁ。
 カルマレベルを上げて、防御UPする。 ダメージを1d10軽減!

1d10 (1D10) > 3
[ Mr.フォニィ/幸太郎 ] ライフ : 18 → 11 カルマレベル : 0 → 1

ターン6 行動:グラニット
 【岩つぶて】宣言 ターン20消費 行動済み
 目標 シェビィ
 目標は<運動>の判定を行う。失敗した場合[1d6+1]点のダメージを受ける。
シェビィ : 行為判定(成功率:60%) > 1D100[4,4]=44 > 44 > 成功 > クリティカル! パワーの代償1/2

Mr.フォニィ/幸太郎 : 厳しいな。ではこちらのターン。
 【煙幕】宣言 判定:作戦+20 標的エリア:3 ターン4消費 次ターン11
 行為判定(成功率:58%) > 1D100[5,0]=50 > 50 > 成功

エリア3 「エリアタイプ:暗闇」付与
 このエリアにいるキャラクターが行うあらゆる判定の成功率にー20の修正を加える。

Mr.フォニィ/幸太郎 : ちょっとまって。相手のパワーが、こちらにダイスを振らせるタイプのモノなんだから、こっちに+補正ください。
GM/プロンプター : なるほど。
 では、今回に限りエリア内にいるキャラクターが、宣言した【鉤爪】【岩つぶて】の標的が行う判定に、+20 としよう。
Mr.フォニィ/幸太郎 : …僕がエリア外から同じパワーを宣言したらどうなる?
GM/プロンプター : そうか、君は【贋作屋】だったね。
 エリア外のキャラクターが宣言した上2つのパワーの、目標が行う判定に、-20の補正を加えるものとする。ってことでいいかな?
Mr.フォニィ/幸太郎 : うん、これで安心して行動宣言できるね。

Mr.フォニィ/幸太郎 : 跳んでターン11 まだこっちの手番だぜ。
 【贋作屋】宣言 判定:科学+20 
 標的:ティラノ 【鉤爪】 ターン10消費 行動済み
 イベント中に一度以上使用した目標のパワーをひとつ取得する。
【贋作屋】行為判定(成功率:58%) > 1D100[4,0]=40 > 40 > 成功

跳んで ターン15 行動:ティラノ
 【鉤爪】宣言 ターン10消費 行動済み
 目標 シェビィ

シェビィ : 運動 行為判定(成功率:60%) > 1D100[6,2]=62 > 62 > 失敗
Mr.フォニィ/幸太郎 : カルマレベルを使って振り直させる!
[ Mr.フォニィ/幸太郎 ] カルマレベル : 1 → 2
行為判定(成功率:60%) > 1D100[3,1]=31 > 31 > 成功

すべてのキャラクターが[行動済み]
ラウンド1 終了
終了処理に伴う処理なし

ラウンド2 開始
――行動順ロール
ティラノ : (1D10) > 6
グラニット : (1D10) > 10
シェビィ : (1D10) > 8
Mr.フォニィ/幸太郎 : (1D10) > 5

Mr.フォニィ/幸太郎 : カウント跳んで ターン5 僕の手番!
 【贋作屋】で製作した【鉤爪】 宣言
 目標:グラニット ターン10消費 次ターン15
 エリアタイプ:暗闇により-20の補正あり つまり-40の補正だ!

グラニット : 行為判定(成功率:-25%) > 1D100[9,4]=94 > 94 > 失敗 > ファンブル! パワーの代償2倍&振り直し不可
 3d6 (3D6) > 17[5,6,6] > 17 [ グラニット ] ライフ : 4 → -13 グラニット 戦闘不能

「ぐぁっ…!」
「グラニット…!?」
 漂う煙幕の中で、詐りの刃が相手を翻弄する。
 それはフレンドファイアか? いや、戦闘少女たちが相手にしているのは、模倣の魔術師Mr.フォニィなのだ。
 一度見た技を、手持ちの道具で模倣することなど、朝飯前だろう。
「くそっ、何が起こって…!? 今のは私の鉤爪!? ――そうか。やってくれたなァ、このパクリ野郎っ!!!」

ターン6 行動:ティラノ
 【アクション:接敵】宣言 ターン10消費 次ターン15
 目標エリア:エリア2
跳んでターン8 行動:シェビィ
 【防御専念】 ターン20消費 行動済み

Mr.フォニィ/幸太郎 : 跳んでターン15 先に僕のターンだな。
 【暗器】宣言 ターン8消費 行動済み
 目標:ティラノ 1d6点のダメージ+[毒4]を付与。

【暗器】[毒4] ターン8 行為判定(成功率:58%) > 1D100[0,8]=08 > 08 > 成功
 1d6 (1D6) > 4
 [ ティラノ ] ライフ : 35 → 31

 接敵するティラノを、Mr.フォニィは小さなナイフを逆手に持って迎え撃つ。
 ティラノは鼻で笑った。
 そのナイフの小ささに。
 まるでレターオープナーだ。特にその中でもことさら小ぶりなもの。
 そんなもので自分を止められるもんか。彼女は、多少傷が付こうと構わない、と詐欺師へ突進した。

ターン15 行動:ティラノ
 【鉤爪】宣言 ターン10消費 行動済み
 目標:Mr.フォニィ

Mr.フォニィ/幸太郎 : 運動 行為判定(成功率:17%) > 1D100[9,4]=94 > 94 > 失敗
 3d6 (3D6) > 14[4,4,6] > 14
 カルマレベルを使って防御UP! 1d10ダメージ軽減!
 1d10 (1D10) > 7 [ Mr.フォニィ/幸太郎 ] ライフ : 11 → 4
 [ Mr.フォニィ/幸太郎 ] カルマレベル : 2 → 3

全てのキャラクターが[行動済み]
ラウンド2 終了
終了処理に伴い[毒4]の効果発動
[ ティラノ ] ライフ : 31 → 27

「な、なに……っ手足が、痺れ…! 今度は、毒!?」
 詐欺師は、にやりと笑って、小さなナイフを手の中でくるりと回して見せた。
「あ゛ぁーもう! こんなことぐらいで得意になって! 本当にしゃらくさいなぁ!!」

ラウンド3 開始
――行動順ロール
ティラノ : (1D10) > 2
シェビィ : (1D10) > 1
Mr.フォニィ/幸太郎 : (1D10) > 1

Mr.フォニィ/幸太郎 : きたっ!
 ターン1 こちらの手番からだな。
 ここは堂々と【逃走】を宣言!
 使用する技能は<隠密>!

 行為判定(成功率:38%) > 1D100[9,2]=92 > 92 > 失敗

Mr.フォニィ/幸太郎 : カルマレベルを6点上げて、成功値を+6計98%にして、この判定を成功させる!
[ Mr.フォニィ/幸太郎 ] カルマレベル : 6 → 3
GM/プロンプター : お見事。

 ティラノは咆哮を上げ、小賢しい影に鉤爪を喰らわせようと手を伸ばしたが、それは空を切った。
 その時、ピュイ、と小さく誰かの口笛が響いた。幼女が首を巡らせ音の出所を探した刹那、怪盗は懐から煙幕の薬液を取り出し瓶ごと床に投げつける。
「うっ…!」
「あっはっはっ! アディオス、セニョリータ!」
 おどろいた戦闘人形が顔を覆い、一瞬目を離した隙に二人の怪盗の姿は無くなっていた。
「どこに行った!? さんざん人をおちょくっておいて逃げるのか?! 許さない! 許さない! 許さない! …許さないからぁぁぁ!!」

 あぁ、今宵も怪盗Mr.フォニィは夜闇の暗がりに姿を消した。

――――――――――――――――――――――

「――…元はと言えば、俺のせいとはいえ……無茶しすぎですよ」
「あいてて……。でも、”いつも通り”だったろ。僕が周りの気を引いて、君が逃走ルートを確保。――彼女が直情型で助かったよ」

 岩下幸太郎が拠点として使っているアパートの一室。
 二人は軽く傷の手当てをしていた。

「――……今回のこと、何故、とは聞かないんですね」
「どうでもいいかな。……分かんないけどね。僕に足を洗って欲しかったの?」
「それも目的の1つではありました。俺は、……貴方になりたかったんです。結果はこのざまですけどね。――…以前言われたとおり、俺たちには得手不得手がある。悔しかったんです。いつだってサーチライトが照らすのはMr.フォニィだった。それに、こんなことを続けていたら、命がいくつあっても足りないでしょ」
「成りたい、っていうのはよく分からないな。でも、友人として心配してくれたんだよね。……なんて言えば良いか分からないけど、すまんね。生憎僕は、”何者にも成れないワナビー”の気持ちに寄り添うことは、できそうにない」
「ははっ、さすがは“何者にでも成れるMr.フォニィ”ですね。強い…」
「でも勝負はちょっとわくわくしたよ。また遊ぼうぜ」
「イヤだな、もうやりませんよ。まったく、困ったリスクジャンキーだな」
「それは残念…」

 そして勝負の最後には、Mr.フォニィの悪戯っぽ笑い声が残った。

――――――――――――――――――――――

 マスター・フォーカスライトは、手元の資料に添付されたマグショットと、目の前に座って居るオレンジ色のつなぎを着た青年を見比べる。当然、たいした違いは見当たらない。
 何の特徴も無い男だ。獄門街を普通に歩いている若者に見える。やや小柄で痩せ型か。
「それでは、聴取を始める。――まずは本名とヴィランネームを」
「本名は岩下幸太郎。ヴィランネームは”Mr.フォニィ”」
「ふむ。…Mr.フォニィは変装の達人だ。君が本当に本人であるか、どう証明する」
 青年は、膝の上に乗せていた両手を、机の上に出した。
 両腕の手錠に加え、指が自由にならないよう結束バンドで両の親指同士を縛ってあった。
「成り代わりによる詐欺、窃盗、掏摸…。何でもやった。ここの人たちは、みんな、僕の盗癖が恐いらしいですよ」
「捜査官が一人、お前にペンを盗られたと」
「あぁ、あれか。あなたの胸ポケット」
 コートの胸ポケットに軽く触れると、普段使いしている真鍮のボールペンに加え、安っぽいプラスチックのペンが触れた。
 ──いつの間に。
「これで証明は十分?」
 フォーカスライトは深く刻まれた眉間の皺を更に深め、控えていた捜査官に彼の手腕を体に縛り付けておくよう指示を出し、聴取を続ける。
「何故、みずから出頭を?」
「友達に心配されて。僕だって、あんな生活続けていけるなんて思ってない。だけど、まともに就職出来るわけがないし……。そこで僕は思い出した。――この町には、三食寝床付きで自分の特性を活かした仕事をさせてくれる良い職場があるって」
 青年――岩下幸太郎が話している間に、その両手は革ベルトできつく縛られていく。
「まず始めに、ここはホテルでは無い。獄門街は超人刑務所”プルガトリオⅦ”だ」
「知ってる」
「私が喋っているときに許可無く無意味な口を挟むな。二度は無い」
「了解」
「そして必ずしも、”特性を活かした仕事”を任せられる訳でもない。何度審議を重ねても、独房から出られない囚人の方が圧倒的に多い。その身の有用性は、これから君自身で証明することだな」
 マスター・フォーカスライトは、資料を閉じて表紙の上から判を押すと、最後にこういった。
「歓迎しよう、Mr.フォニィ。――ようこそ、地獄へ」

・エンドクレジット・

キャラアイコン…做着玩玩

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