メニュー 閉じる

【常夜国騎士譚RPGドラクルージュ】二人の騎士と異端の唄い手【仮想卓ログ】#2

・はじめに・

 これは『常夜国騎士譚RPG ドラクルージュ』の仮想卓ログ、#2です。#1はこちら
 全部オレ状態なので、多少のぎこちなさはご容赦ください。
 公式の基本ルールブックに掲載されているサンプルシナリオ『クーロンヌの獣』を改変し、後出のサプリメント『ヘレティカノワール』を適用しています。
・画像について・
 キャラクターアイコンはぴくるーのメーカーで製作しました。
 マップ画像はBOOTHで配布されていたものを使わせて頂きました。
 記事の最後に、クレジットを表記しております。

・前回までのあらすじ・
 サプリを使用してのアレンジ!圧倒的、呉越同舟感!

・PC紹介・

PC1:”桎梏老”ジェローム・ベルトラム・フォン・ヘルズガルド
血統:ヘルズガルド 道:僧正
逸話:†堕落者を討ち取ったり†
 Jerome Bertram von Hellsgarbe ”Der Fessel”
†戦の行い† 
《真祖が怒りを知れ》
《汝、すでに償い難し》
《嘆かれし浄火の涙》
《慈悲深き処刑》
†常の行い†
《慈悲無き眼光》
《誇り汚さぬ意志》
《祖の御心のままに》
《御目は閉ざされた》

PC2:”無垢なる道化師”ストリガのアゼル
血統:ストリガ 道:密使
逸話:†もはや手段は問わず†
 Strigae Azel ”Der Unschuldige Clown”
†戦の行い†
《群れなす鳥葬歌劇》
《星呑む黒翼天蓋》
《振り向けばそこに》
《この身は猟犬》
†常の行い†
《黒き礼賛合唱》
《ああ、自由よ!》
《この身は忠犬》
《嘲笑う因果の車輪》

PC3:”根雪卿”ヴェルナー・マグダネル・フォン・ノスフェラス
血統:ノスフェラス 家門:大鎌 道:狩人
逸話:†失われし愛を求め渡らん†
 Werner McDonnell von Nosferes ”Der Wurzelschnee”
†戦の行い†
《いと重き咎の大鎌》
《霧結びては》
《傷を刻め》
《侵蝕する凶気》
†常の行い†
《残酷なる物語》
《心揺さぶる誘い》
《妄執からの解脱》
《悪しき模範》

†常の幕†

 貴卿らは獣の襲撃を退け、カタリナ卿の城砦に到着した。女領主は門の前に現れ、直々に貴卿らを出迎える。
「ようこそ。アゼルが寄越した鳩で来ることは分かっていました、待っていましたよ。道中、大事なかったですか?」
 滑らかな白い肌と暗い森の中で尚輝く銀髪は、「白磁卿」の二つ名に違わぬ美しさであったが、騎士というにはあまりに儚げでもあった。
 貴卿らが近づくと、彼女の傍らに侍る屈強な黒妖犬が唸りを上げるが、「ベルホルト」と彼女が優しく一撫ですると、すっと座って歓待の姿勢を示した。
「はい。例の、クーロンヌの獣と対峙しました。……惜しくも逃がしてしまいましたが」
「誰かさんが結果を急いたせいでは?」
「……」
「あはは……。カタリナ様、あなたのナイチンゲールは無事にもどりましたよ」
 睨み合う二人の騎士を横目に、アゼルはカタリナの足下へ膝をつき手を取ると、挨拶代わりに指先へ口づけを落とした。
「顔をみて安心しました。ずっと気を揉んでいたのです。御身がまた私刑まがいの乱闘に巻き込まれているのでは無いかと」
「それはそれは…心労をお掛けして申し訳ございませんでした」
「ジェローム卿…、貴卿もよく来てくれましたね。何年ぶりでしょうか?」
「十年と少しほど。――ご無沙汰しております」
 ベルホルトが耳を立て尻尾を振って一声啼いた。かつて自分を殺さず制した騎士への、尊敬と親愛の証のように見える。
「僧正の道を選んだと聞いて、その斜に構えた態度も多少丸くなっていると期待していたのですが……。まぁいいでしょう。――そして貴卿は、ノスフェラスの狩人、でしたね。獣の噂を追って森に入られたとか」
「ヴェルナー・マグダネル・フォン・ノスフェラス。訳あって、クーロンヌの獣を打倒せんと誓いを立てた身。この地の領主である、カタリナ様のご助力を得たく」
「そうですか。……どうぞ、こちらへ――」
 そう言って、彼女は貴卿らを城砦へ招き入れた。

 森に囲まれた丘の上に立っている小規模な城砦である。
 いかにも堅牢な外見とは裏腹に、中庭は小さいながらもよく手入れされており、また宮廷には繊細な絵や彫刻が慎ましやかに飾られているなど、内側はどこか心安まる空間となっている。

 配置
  庭園(庭園)
   なし
  宮廷(宮廷内・居間)
   侍女×3(端役・味方役)
  玉座(玉座の間)
   カタリナ(存在点:10)
   ベルホルト(存在点:5)

DR/プロンプター : 今回の常の幕は、会話劇が中心になっています。その辺りを念頭に置いてRPして頂ければ幸い。
 それでは、騎士、並びに異端の配置をどうぞ。
 配置出来るのは、宮廷か庭園のどちらかになります。
アゼル : 今回の[端役]は味方役ですが、異端に対してもルージュを?
DR/プロンプター : アゼルはカタリナ卿に受け入れられており、しばし妖精達と詩歌を奏でていた、と言うような設定になってるから、ノワールを与える事はありません。ただここでの御身の立場は、侍女達にとってカタリナ様が気まぐれに城へ招いた小鳥や妖精と変わらない。故に、ルージュも発生し得ません。
 もちろん誰に対してもそうだけど、領主であるカタリナ卿に対し無礼が過ぎれば、ノワールを与えてくるだろう。
アゼル : 了解しました。
 アタクシは宮廷に配置します。
ヴェルナー : 俺も宮廷だな。
ジェローム : まぁ宮廷でしょうね。

DR/プロンプター : 美しき騎士達には【喝采点】を、悍ましき異端には【畏怖点】をそれぞれ1点、そして全員に【抗う力】を2点を差し上げます。
 それでは、良き旅を。
[ アゼル ] 畏怖点 : 1 → 2
[ ヴェルナー ] 喝采点 : 3 → 4
[ ジェローム ] 喝采点 : 2 → 3

†ラウンド1 開始†

 †異端の手番†
アゼル : 12以上が出れば良いから、今回の畏怖点は温存します。
[行い]判定 4D6 > [ 1, 2, 2, 3 ]
 [アゼル] 己へのノワール⇒【侮】(1 振り直し
 [行い]判定 4D6 > [ 4, 4, 4, 6 ]

《この身は忠犬》6/0/他1体
 対象にルージュを1点与える。対象が[刻印具現化]している時、さらにルージュを1点与える。
 使用出目:6 対象:カタリナ
《黒き礼賛合唱》6/0-1/エリア
 端役召喚(2体):この[端役]はノワールではなくルージュを1点与える。
 使用出目:4.4 対象:玉座エリア
[ カタリナ ] 存在点 : 10 → 9

 アゼルは、カタリナに続いて玉座の間に歩み居ると、具現化したリュートを片手に、窓辺に腰掛けた。
「アゼル。御身がいない間、この城は静寂に支配されていました。いかにその歌声が私の心を軽くしていたか…。今宵も心慰める調を聞かせてくれませんか?」
「ええもちろん!あの”白磁卿”の頼みとあらば、いくらでも喜んで唄わせて頂きます!」
 そうして異国の唄を奏でる様は、まるでこの部屋に置かれた彫刻の一つのように幻想的で美しい。
 やがて窓辺には翼の色も美麗な小鳥たちが集い、過去の英雄達を讃える唄を唄う。
 あぁ、まさしくこれこそが、カタリナ卿が愛でる籠無き小夜啼鳥。

アゼル : こんな感じで手番を終えようと思います。
 移動はしましたが、異端故に侍女達からのルージュは受け取れません。
ヴェルナー : バトン、受け取りました。――まずは玉座へ移動して、…あとはダイスを振ってから考えます。

 †狩人の手番†
[ ヴェルナー ] 喝采点 : 4 → 3
 [行い]判定+喝采点1点+渇き1点 5D6+1 > [ 2, 3, 3, 3, 3+1 ] > [ 2, 3, 3, 3, 4 ]
 カタリナへのルージュ⇒【信】(1

「……事情をお話しする前に、申し訳ないのですが。ヴェルナー卿、私は本当に信頼できる方にしか、事の子細を語りたくないのです。なぜなら、これから語る話は、私自身の恥です。いたずらに吹聴しないと誓えますか?」
ヴェルナー卿は、一瞬カタリナ卿を恨めしげに見たが、これも信頼を得るため、と割り切ったのか、目を伏せて口を開いた。
「…………あの晩は酷く寒くて、俺の村には雪がチラついていました」
 そして、狩人は語った。自分とクーロンヌの獣の因縁を。
 燃える家畜小屋、人々の悲鳴、寡黙で無愛想な自分を理解してくれた友、家族、彼らの亡骸、今なお胸の内に降り止まぬ、あの凍てついた雪の夜のことを。
「…俺にとって貴卿は、唯一真実を知る人だ。何故、あんなことが起きたのか、どうかその理由を聞かせて欲しい」

《残酷なる物語》4/0/エリア
 対象のエリアにいる任意の存在にルージュを1点与える。貴卿は己へのノワールを1点得る。
 使用出目:4 対象:玉座エリア カタリナ・ベルホルト・アゼル
[ヴェルナー] 己へのノワール⇒【侮】(4
[アゼル] ヴェルナーへのルージュ⇒【憐】(3
[ ベルホルト ] 存在点 : 5 → 4
[ カタリナ ] 存在点 : 9 → 8

「全ては、この身が至らぬが故。申し訳ありません」
 カタリナ卿は、痛まし気に目を伏せ深々と頭を下げた。
 最後に玉座へ歩み入るジェローム卿が、薄ら笑いを浮かべ肩をすくめる。
「貴卿が頭を下げるほどのことでは無いでしょう。そのような悲劇、この常夜国にはどこにでもありふれている」
「ヴェルナー卿が凍てつく怒りに捕らわれているように、貴卿も過去にとらわれている。――…この話しは、貴卿にも聞いて欲しいのです、ジェローム卿」
「……拝聴致しましょう」
「……」
 狩人はただ黙って彼女の話を待った。
「彼の獣の正体は、かつて『青嵐卿』と呼ばれし『オリアス・クーロンヌ・フォン・ドラク』あれは、堕落した騎士なのです。私は彼から深く懸想されておりました」

《甘き口づけ》8/0/他1体
 対象とあなたは互いに1ルージュを与えあう。[庭園]で使用した場合、2ルージュを与えあう。
 出目:2.3.3 対象:カタリナ卿
[ヴェルナー] カタリナ卿へのルージュ⇒信(2
[ カタリナ ] 存在点 : 8 → 7
ヴェルナー : ここで最後にパス。上手く繋げてくれ。
 アゼルの[端役]が存在するエリアでのターンエンドだから、御身へルージュを得る。
 [ヴェルナー] アゼルへのルージュ⇒友(4

 †僧正の手番†
ジェローム : 常の幕、そんなに得意じゃ無いんだよな。RPでなんか良い感じになーれ。
 とりあえず、演出通り移動して、ダイス振ります。
[ジェローム] カタリナ卿への⇒敬(2
[ ジェローム ] 喝采点 : 3 → 2
[行い]判定+喝采点1点(常の幕 5D6 > [ 1, 3, 3, 5, 5 ]

「オリアス卿は、名高き武勇の騎士でもありました。ですが、血に酔いやすい性質でもあったのです。彼の者の思いは、騎士にあるまじき邪欲の類いだったと言えましょう」
 カタリナは悲しげに目を伏せた。
 若き僧正は、己を顧みるように居住まいを正す。
 まさしく自らが民であった頃の主人を思い出していた。その激情を、それが招いた末路を。

《誇り汚さぬ意志》6/自身/自身
 貴卿は己へのルージュを1点得る。以降の幕中に貴卿が振る「堕落表」の出目をひとつ2上昇させる。
 出目:3.3
 [ジェローム] 己へのルージュ⇒信(1

「私はオリアス卿を拒絶する旨を手紙にしたためました。その内容は申し上げられませんが、今考えればあまりに苛烈なもの。手紙を受け取ったオリアス卿は、夜中に突然叫び声を上げたかと思うと、窓を突き破り、森の奥へと……その後の行方はようとして知れず。彼の者の名声を守り、領内における騎士の評判を下げぬ為、遍歴に出た、としました」
 ヴェルナー卿が眉をひそめ口を開きかけたが、彼が言葉を発する前に、ジェローム卿が声を上げた。
「では、貴卿はオリアス卿が堕落の獣と化したことを知っていたのですか!?知っていたにも関わらず、一時の体裁を保つために隠し立てを!?――……はっ、カタリナ卿とも、あろうお方が!」
 軽薄そうに湾曲していた眉をつり上げ、その瞳に映るのは裏切られた怒りが滲んでいた。
 あまりの剣幕に、部屋の外で話を聞いていた侍女の一人が、後ずさるように場を離れた。

《慈悲無き眼光》4/0/他1体
 対象にノワールを1点与える。舞台に居る対象の[配下]を1体[壁の花]にする。
 使用出目:5 対象:カタリナ 侍女-1
 [ カタリナ ] 存在点 : 7 → 6

「……ごめんなさい。本当に、ごめんなさい」
「貴卿の口から、そんなことは聞きたくなかった。これは裏切りだ」
 悲しげに俯くカタリナ卿とは対照的に、ジェローム卿は怒りも露わに彼女を拒絶するように背を向けた。
 ジェローム卿は、ヘルズガルドの騎士として道を踏み外した者たちの末路を、数多見てきた。周囲の者たちが、一時の情や保身の為に隠し立てし事態を悪化させる様も、またしかり。
 ベルホルトは、現在の主人と自分を調伏した騎士とを交互に見比べ、困ったようにくーくーと鼻を鳴らした。
 居たたまれない沈黙に耐えかねた様に、異端が控えめに口を出す。
「……僧正様、カタリナ卿はもはや相応しい罰を受けました。彼の獣が村を襲ったこと、彼女が知らなかった訳がない。今までどれほど思い悩み、ご自身の行いを悔やんだことか。それが分からぬ貴方様では無いはず。何故そう殊にお怒りに?」
「…………」
 案の定、僧正からの返答はなかった。
「――異端よ、御身の歌声は美しかれど、いたずらに騎士の心に踏み込む行いはいただけません」
 カタリナ卿は、悩ましげに眉を寄せてため息を吐きながらも、優しきストリガに微笑んだ。
「すみません。アタクシ、口が過ぎましたね」

ジェローム : 《祖の御心のままに》が使えそうだけど、ここでは辞めておきます。
 ということで、手番を終えましょうか。
 あとは、アゼルの[端役]からルージュを貰って…。
 [ジェローム] アゼルへのルージュ⇒信(1

†[脇役]の手番†
ベルホルト
 《包み込む抱擁》5/0/他1体
  貴卿は対象のノワールを1点減少させてよい。
  対象:ジェローム

 ベルホルトは、遠慮がちにジェローム卿の足下にすり寄ると、その心を慰めるように見上げた。
「……馬鹿犬め。お前がそんな顔で見なくとも、私が成すべき事は分かっているさ」
 若き僧正はそう言って、犬の頭を小突くように撫でる。

カタリナ
 《知られざる物語》12/舞台/舞台
  貴卿は舞台上に居る任意の存在に己へのノワールを2点与える。
 (演出上すでに描写済み
 《包み込む抱擁》5/0/他1体
  対象:ヴェルナー
[ジェローム] カタリナへのノワール⇒侮(1 ベルホルトの抱擁にて1点相殺
[ヴェルナー] カタリナへのノワール⇒怒(1 カタリナの抱擁にて1点相殺
[アゼル] カタリナへのノワール⇒怒(2

「ヴェルナー卿、斯様な事情がある身ながら、虫の良いこととは思いますが、どうぞお力をお貸しください」
「俺は…在りし日の復讐が果たせるのなら、それで良いのです」
 カタリナ卿は、ジェローム卿の背に目をやり、まるで同年代の少年に手を焼く乙女のように軽くため息を吐く。
「貴卿は相変わらずの気むずかし屋。昔、喧嘩をした時のことを思い出しました。――悪しき妖精にベルホルトをけしかけられた所を、貴卿は助けてくれましたね。そして散々小言を言うんです。『近衛も連れずに出歩くなんて領主として自覚が足りない』だとか……」
「悔しかったなら、相応しき従者を叙勲し常に側に置きなさい。今回だって、心許せる相談相手が居れば幾分話しはましだったでしょうに」
「馬鹿ね、私がどうして近衛の座を空席にしておいたのか、あなたまだ分からないの?」
「――いや、ご冗談を。謹んで辞退させていただきますよ」
 ジェローム卿は、もとの軽薄そうな態度に戻り、彼女の言葉を鼻で笑った。
「もう結構よ、天邪鬼さん」

《かそけきため息》3/0/他1体
 対象にルージュを1点与える。
 対象:ジェローム
 [ジェローム] カタリナへのルージュ⇒信(3
《甘き口づけ》8/0/他1体
 対象とあなたは互いに1ルージュを与えあう。[庭園]で使用した場合、2ルージュを与えあう。
 対象:ジェローム
 [ジェローム]カタリナへのルージュ⇒主(4
 [ カタリナ ] 存在点 : 6 → 5

DR/プロンプター : 以上で[脇役]の手番も終了します。…アゼルの召喚した小鳥たちからルージュを受けて、現在の存在点は4点ですね。
 [ カタリナ ] 存在点 : 5 → 4


†ラウンド1 終了†
 伴奏:オリアス卿への【侮】
[ヴェルナー] クーロンヌの獣――改めオリアス卿へのノワール⇒侮(3
[アゼル] オリアス卿へのノワール⇒侮(4
[ジェローム] オリアス卿へのノワール⇒侮(4

†ラウンド2 開始†

喝采点・畏怖点+1 抗う力2
[ アゼル ] 畏怖点 : 2 → 3
[ ヴェルナー ] 喝采点 : 3 → 4
[ ジェローム ] 喝采点 : 2 → 3

 †異端の手番†
アゼル : ふーん……ここで小話でも一つ挟んでおこうかな。
 [ アゼル ] 畏怖点 : 3 → 2
 [行い]判定+畏怖点1点 5D6 > [ 2, 2, 3, 5, 6 ]

「あぁ、かそけきは恋のため息……。口づけ受けぬは、乙女の矜持傷つけるも同義。その運命はまさしく竪琴に敗れたるセイレーンのごとく――」
「ふふ、御身はセイレーンの歌声を聞いたことが?」
 カタリナ卿はアゼルの座る窓辺に近づき、夜空の紅き月を見上げた。
「もちろん!海上でしか聞くことの出来ない、げに美しき調べ。この世の者とは思えぬ歌声に、自ら死を選ぶ船乗りあり。それを真似したるは、入り江に住むハルピュイアの魔女。そのあまりの金切り声たるや、とてもとても……」
「その、ハルピュイアの魔女とは、歌声と同じく見目も醜かったのかしら?」
「はい、と答えたいところではありますが、期待に反してそれは絶世の美女の顔を持っているのです。だからこそ、怪鳥の歌声を聞いた漁師達は、千年の恋も冷めてその入り江には近づかなくなりました、とさ♪」

《ただ貪るのみ》8/0/他1体
 対象と互いに1ルージュを与えあう。[庭園]で使用した場合、2ルージュを与えあう。
 出目:3.5 対象:カタリナ
《この身は忠犬》6/0/他1体
 出目:6 対象:カタリナ
 [アゼル] カタリナへのルージュ⇒主(2
 [ カタリナ ] 存在点 : 4 → 3 → 2

 †狩人の手番†
 [ ヴェルナー ] 喝采点 : 4 → 3
 [行い]判定+喝采点1点+渇き1点 5D6+1 > [ 2, 3, 4, 5, 5+1 ] > [ 2, 3, 4, 5, 6 ]
《甘き口づけ》8/0/他1体
 出目:2.6 対象:カタリナ
[ヴェルナー] カタリナへのルージュ⇒信(3
[ カタリナ ] 存在点 : 2 → 1

「カタリナ卿、俺はどうも、あの僧正殿とは上手くやれない様です」
「私も大概ですが、あの子も変わらず人の手を焼かせるのね……。気を遣ったつもりで、変に含みを持たせるのは逆効果でしょう。社交辞令的な美辞麗句など、ジェローム卿の一番嫌うところですから」
「……」
 カタリナ卿の言葉を聞いて、ヴェルナーは黙ってアゼルを見た。
「――おっと?あはは!アタクシが嫌われる理由がよくわかりました!」
「……目的を同じくする者同士、多少は話しが通じると良いのですが」
 ヴェルナーはため息を吐き、先の黒妖犬と同じようにジェローム卿へ近づいた。
「…先刻は、俺が急いたせいで獣を逃がしてしまって済まなかった」
「はぁー?なんですかぁ、聞こえませんねー」
 人を小馬鹿にしたように視線をそらすジェローム卿に、カタリナ卿の鋭い声が活を入れた。
「ジェローム・ベルトラム・フォン・ヘルズガルド。いい加減になさい」
 それでようやく堪忍したのか、うざうざとノスフェラスの騎士へ向き直った。
「貴卿が、”粛清伯”の掲げる思想に傾倒していることはよく分かっているつもりだ。だからこそ、彼の獣を討ち滅ぼすまでは、休戦としないか?」
 ジェローム卿は、露骨に眉を寄せしばし嫌がった風に振る舞ったが、最後にはその申し出を受け入れることにしたようだった。
「…わかりました、良いでしょう。ただし今回だけです。次は無いですからね」
「あぁ、俺も次が無いことを祈っている」

《心揺さぶる誘い》5/0-1/他1体
 対象は貴卿を自分がいるエリアに配置しても良い。対象と貴卿が同じエリアに射るとき、貴卿は対象と互いにルージュを1点与え合う。
 出目:5 対象:ジェローム
 [ヴェルナー]ジェロームに対するルージュ⇒友(1
 [ジェローム]ヴェルナーへのルージュ⇒信(2
ヴェルナー : RPが良い感じなので、ここで手番を終えておこう。
 アゼルの[端役]からルージュを貰って…溢れたので【潤い】+1だ。
 [ヴェルナー]アゼルへのルージュ⇒友(5
 [ ヴェルナー ] 潤い : 1 → 2

 †僧正の手番†
ジェローム : 手番回ってきました。…とりあえずダイス振ってから考えます。
 喝采点は温存で。
[行い]判定 4D6 > [ 1, 2, 3, 5 ]
《甘き口づけ》8/0/他1体
 出目:3.5 対象:カタリナ
 [ジェローム] カタリナへのルージュ⇒主(5
 [ ジェローム ] 潤い : 1 → 2
 [ カタリナ ] 存在点 : 1 → 0

「少々早いですが、私はもう休もうと思います。少し疲れてしまって。お三方は気に成さらず、おくつろぎください。アゼルとジェローム卿はここの勝手を知っていますね」
「カタリナ卿、部屋に下がる前に一つだけ」
「…なんでしょう?」
 ジェローム卿は、恭しい仕草で彼女の前に跪き、その手を取った。
「やはり見ず知らずの異端を城砦に上げるのはどうかと。アゼルは無垢なる隣人でしたが、憐れを装い貴卿の同情を買わんとする者が居ないとも限らない。これはあくまでも、僧正としての助言とお受け取りください」
「ありがとう、肝に銘じておきます。――…本当に、私の近衛になるつもりはありませんか?」
 若き僧正は、彼女の右手を優しく両手で包み込み、にっこりと微笑んだ。

「もちろん…――ありません」

「……」
「貴卿が、過ちを犯しながらも良き領主であろうとするように、私には私の選んだ”道”があります。…どうぞ、お止めくださるな」
「そうですね……。では、おやすみなさい」
 カタリナ卿が玉座の間を出ると、ベルホルトもまたその後を追って部屋を後にした。

ジェローム : なんか…こう……むずむずするRPが続くなぁ…。ターンエンドにします。
 [ジェローム]アゼルへのルージュ⇒信(2

「――…さっそくだが、明日より獣の捜索を始めよう。御身は奴が頻出する場所など知っているか?」
「はい。逗留している間、この辺りで獣の噂はたくさん聞きました。アタクシがご案内致しましょう」

 その時だった。
 城砦の四方から無数の遠吠えが聞こえたかと思うと、絹を裂くような悲鳴が響いた。
 城主カタリナの声に違いない。
 三者が彼女の寝室に駆けつけると、今まさに割れた窓から獣が身を翻すところだった。その腕に抱かれたるは、白き肌の美しき淑女!
 大窓が割られ引き裂かれたカーテンが風に揺れている。ベルホルトが、風の吹き込む窓へむけて警戒の咆哮を上げていた。

「やられた!奴だ……!」
 ヴェルナー卿の行動は早かった。割れた窓から外へ飛び出すと、獣たちを追いかけた。
 ジェロームは表に出ると、すぐさま赤銅色の軍馬を具現化し駆けだした。
 ベルホルトもそれに習って獣たちの匂いを追って後へ続く。
「あ、アタクシは、どういたしましょう!?」
「お前は空から奴らを追え!――…くれぐれも無理な深追いはするな」
「了解致しました!」
 アゼルは黒い翼を羽ばたかせ、紅き月輝く夜空へと舞い上がった。

DR/プロンプター : 常の幕は以上。
 [脇役]を壁の花にしたので、全員に潤い+1ですね。
[ アゼル ] 潤い : 1 → 2
[ ヴェルナー ] 潤い : 2 → 3
[ ジェローム ] 潤い : 2 → 3

†幕間†

 任意の絆を±1しても良い。

ジェローム : 獣へのノワールを減らしておく。
アゼル : リーチ掛かってしまってますからね。アタクシも獣へのノワールを。
ヴェルナー : ノスフェラスの騎士って自分に厳しくないか?己へのノワールをコストにする行いが多い気がする……。

 [アゼル] クーロンヌの獣へのノワール -1(3
 [ヴェルナー]己へのノワール -1(3
 [ジェローム] クーロンヌの獣へのノワール -1(3

                                             † 続く ☛ †

・エンドクレジット・

ジェローム……我流男青年
ヴェルナー……Ryon式おとこのこ
アゼル……色んなタイプの男の子
NPC:カタリナ卿……たょ錬成

マップ……blankcube様製作 https://booth.pm/ja/items/3766928

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です