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【プレシャスデイズ】千尋の谷/情けは人のためならず【仮想卓ログ】

はじめに

 こちらは『魔術師育成スローライフRPG プレシャスデイズ』の半小説風仮想卓ログ#2です。
 #1はこちらからどうぞ。
 全部オレ状態なので、多少のぎこちなさはご容赦ください。
 この記事は、実質的な1話目と、2話目を収録しています。
 シナリオは用意しておらず、ぶっつけ本番体当たりです。
・画像について・
 キャラアイコンは、Picrewさんのメーカーで作らせていただきました。
 記事の最後にクレジットとして記載してあります。

――千尋の谷――

テオ : では、『魔術師育成スローライフRPG プレシャスデイズ』2回目を始めて行こうか。
 実質これが第一話かな。
 シナリオタイトルは『千尋の谷』
イェンラン : 落とされそう。
テオ : もちろん。
 早速、0話目からの変更点をまとめて、軽くおさらいしよう。

シナリオ1「千尋の谷」
<シナリオトレーラー>
 魔術師テオの弟子となって、修行の旅を続けること二月。
 辺境の地に茂る深い森をさして師匠は言った。
「この森を超えた所に私の庵がある。私は用事があるので一足先に帰るが、お前は一人で森を歩いてみなさい」
 生き残れ!走り抜けろ!千尋の谷!

0話を終えて
名前:イェンラン 年齢:10歳 GL:0→1
種族:人間 属性:
スタイル:エンチャンター
HP:30→37 MP:15→19 WP:8
 体力:5(12→13) 知力:3(9→10) 神秘:2(7)
 俊敏:4(9→10) 情熱:3(10) 優愛:4(10)
スキル
 マナインフロー 魔術師の基本スキル
 種族スキル:人間 WP+1
 インパクトブレイク ダメージ+10
 クイックムーブメント 俊敏対決で先手を取る←NEW!
アイテム
 グローブ/焦げ跡の残る端切れ
 マナヴェール
 ヒールポーション
 ロングスピア←NEW!

師匠について
名前:テオハルト 性別:男性 年齢:??
種族:人間 属性:??
スタイル:??
 クールで厳しめな言葉を使う大人。優しさは分かりづらい。
 しかし、時にはっきりと現実を言葉にすることも師匠の役目。……なのかも?
 黒髪、鳶色の目、隻眼。きっと右目の眼帯には、とんでもない秘密が隠されているに違いない。
 チャーチワーデンというパイプで煙草を吸っている。数種類のハーブが混ざった香りが、独特だけど不思議と落ち着く。

――スタートレグ――

 魔術師テオの弟子となって、修行の旅を続けること二月。
 片付けたい用事がある、ということで二人は一路、師匠の拠点へ向けて足を運んだ。
「――だから、君は今まで感覚だけで魔法を使っていた。いわば、油にそのまま火を付けて明かりを採っている様な物だ」
「やば、めっちゃ危ねぇじゃん!」
「そうだよ。イェンラン、君はこれからランプの扱いを覚えなくてはね」
 所はアルドラスタ、古都ヴェリタスの脇を通り過ぎ、北東に張り出した地方。所により、戦禍の跡も生々しい肌寒い場所だった。
「この森を越えたところに、私の庵がある」
 森林地帯を前に、テオが言った。
「イェンラン、この森を一人で踏破してみなさい」
「……えっ?」
 師匠は涼しげな顔で、首をかしげる。
「ちょ、ちょっと待てよ師匠!それって、一人で森に入って、一人で森を越えろってこと!?」
「そうだが、なにか問題かな?」
「は!?問題だらけだろ!だって、俺ここ来るの初めてだし、右も左も分からないんだぞ?そ、それに、師匠はどうするんだ?」
「私は済ませたいこともあるし、一足先に帰らせてもらうよ」
 当然だろ、と肩をすくめる。
「しかし、君がそう言うことは想定ずみだ。良いものをあげよう」
 テオハルトは、鞄から何かを取り出してイェンランに差し出した。
「やったぜ、ゴネてみるもんだな!」
 と喜んだのも束の間、テオからもらったものを見て、がっかりと肩を下げた。
「え、ナニコレ」
 それは、簡単な地図と方位磁石だった。
「見たこと無いかな? 地図とコンパスだよ。これで目的地の場所と方角が分かるね」
「ね、じゃなくて! 俺はどっちもちゃんと使ったこと無い!」
「君は、考えると言うことを学びなさい。そしたらきっと、自分の持っている物が一体どういう役割を果たすのか、見えてくるはずだ。──それでは、健闘を祈るよ」
「だからちょっと待てってば!」
「あぁ、ひとつ警告しておく。暗くなると獣がでるから、命が惜しければ日暮れまでに庵にたどり着くことだ」
 テオはそれだけ言うと、煙のように姿を消した。

「し、師匠ーーーーーッッッ!!」
――――――――――――――――――――――――――
テオ : ここまでがスタートレグ。
 状況は理解出来たね。
イェンラン : 師曰く「これらの道具を上手く使って、日没までに私の元へたどり着いてみなさい」ということだよな。
テオ : 特に時間制限は設けていないけれど?
イェンラン : はっ、ほんとだ!
テオ : 君には今から、三回判定をして貰います。頑張ろうね。

――メインレグ1――

 取るものも取りあえず、イェンランは地図を広げ、横にコンパスを置いて眺めた。しかし果たして、十歳の男児が地図の読み方など分かるだろうか。
「……これは、どっちが上なんだ?」

テオ : まず一つ目の関門。
 知力で判定してみようか。難易度は8。
イェンラン : 地図とコンパスをつかって、進む方向を決めるんだな。

 2d6+3 知力 > 2[1,1]+3 > 5 失敗

テオ : 残念だが、失敗だ。
 君は地図とコンパスの使い方を理解したが、地図をひっくり返してみたり、コンパスを持ってその場で回ってみたりと、随分時間がかかってしまった。

「よし、よし……! これで進む方角が分かったぞ! この方向に、まっすぐ走れば最短だ!」
 最短距離とは、つまり直線だ。
 イェンランはようやく歩き始めた。
「なぁんだ、師匠めビビらせやがって! なんてことないや、簡単じゃねぇか!」

――ムービーシーン――

 森を越えた先。質素な小屋が一軒。ここがテオハルトの庵であった。
 庭の入り口には、アーチ型の小さな門があった。枯れた植物の蔦が絡まり、硝子の曇ったランタンには長年火が入っていない。
 家主の肩に、ふわりと一羽のカラスが舞い降りる。
「お帰りなさいませ、テオハルト様。貴方はまた、妙な拾いものを持って帰っておいでだ」
「あぁ、少し気になってね」
「あの小僧、ここへたどり着きますか?」
「もちろん来るさ。……文字通り、彼は死んでもここへ来る。その心が折れない限り」
 テオハルトは、ふっと目を細めた。
「まさか…! では、あの小僧が――」
「さぁ、どうだろうね」

――メインレグ2――

「…………どうしてこうなった?」
 イェンランの視界は上下逆さま、身体はそこかしこが擦り傷だらけ。おまけに頭から出血していた。
 ここまでの経緯をゆっくり思い出してみる。
 最短距離でまっすぐ、と森を走っていたところ、突然目の前に崖が現れ、そのまま頭から滑落した。
 貰った地図には高低差が描かれて居らず、崖を見落としたのだ。これでは、何も考えていないことがバレてしまう。
 イェンランは慌てて起き上がり、怪我の具合を確かめる。
「動けないほどじゃないな。…どのぐらい気を失っていたんだろう?」
 あるいは、死んでいた、のか?
 見上げた斜面はかなり高さがある。木々の隙間から見える空は、もはや日が暮れかけている。
「急がないと不味いな」
 崖に沿って歩けば、いつかは崖の上に出られそうだ。だが、何時間かかるか分からない。
 それならば、このまま崖を登って、元の直線上の途に戻った方が良いだろう。上から崖を迂回する途を探そう。
「登るのか……」
 でこぼことした急な斜面を見上げて、イェンランはため息を吐いた。さっきも確認した通り、随分な高さだ。
「よっしゃ!気合い入れていくぞッ!」
 イェンランは十分にストレッチをしてから、斜面に手をかけた。

テオ : ということで、二つ目の関門だ。
 ここは根性が試される、というイメージで情熱で判定して貰おうかな。
 難易度は変わらず8だよ。
イェンラン : よし、今度こそ!

 2d6+3 情熱 > 7[1,6]+3 > 10 成功

イェンラン : よっしゃ!
テオ : 君はまだ空が明るいうちに、崖を登り切ることが出来た。

「よし、ここから崖を迂回する道を探そう。まだ時間はあるはずだ」

――メインレグ3――

 イェンランは森の中、日の傾いた暗がりの中を歩いていた。
 もうじき完全に手元が見えなくなってしまう。そうなれば、地図もコンパスも意味が無い。自然と脚は逸る。
 足下の木の根につまずいて膝をつく。
 その時すぐ側で狼の遠吠えが聞こえた。暗くなると獣が出る。テオの言ったとおりだ。
 ちょうど太陽が隠れ、夜のとばりが訪れようとしていた。
 慌てて立ち上がり周囲を見渡すと、無数の獣の気配が自分を取り囲んでいた。ぎらぎらと光る双眸が、木々の間から此方をみている。
 おそらく、狼だろう。自分が走って逃げ切れるだろうか。いや、無理だろう。ならば、立ち向かうしか無い。

『君は、考えると言うことを学びなさい。そしたらきっと、自分の持っている物が一体どういう役割を果たすのか、見えてくるはずだ』

 テオの言葉がリフレインする。
 つまり、自分の手の中にある物を使って、最後まで足掻けということ。
 イェンランは恐る恐る、背中の長槍を構えた。槍術の鍛錬はしてきたが、実際に戦うのは初めてだ。しかも、魔術を使って戦うなんて。
 少年は、自分の力を信用していない。今まで一度だって、あの炎が少年に応えてくれたことなど、無かったからだ。いつだって気まぐれに全てを焼き尽くしてきた。
 息を詰め警戒していると、暗がりからじりじりと獣たちが姿を露わにし始めた。いよいよ少年はこの獣たちに襲われようとしているのだ。
「――……頼む、俺に力を貸してくれっ!」
 穂先に炎が灯る。それは見る間に細い糸のように姿を変えて、槍全体に柔く纏った。

テオ : 最後の関門だ。
 ここはやはり、体力で振って貰おうかな。難易度は9としよう。
イェンラン : 一番高い能力値だからな。ここは見せ場だ!

 2d6+5 体力 > 12[6,6]+5 > 17 成功/クリティカル!

イェンラン : く、クリティカルだー!!
テオ : ふふ、おめでとう。
 君は、能力をきちんと自身の制御下において、獣を追い払うことができた。
イェンラン : やったー!

――メインレグ4――

 不気味な魔術師の庵。その庭に、今宵は明かりが灯っていた。
 ランタンの明かりは、曇った硝子のせいで、酷くぼんやりとしていた。
「――…来ませんな。やはり、貴方様の思い違いだったのでは?」
 庵の屋根から、烏の鳴き声が響いた。
「それはどうかな」
 小屋の扉に背を預け、パイプを咥えて魔術師は言う。
 その時、ざ、と小さな足音が聞こえてきた。
 それは随分乱れた歩調で、音の主が随分疲れていることが伝わってくる。
「なんと…」
 森の暗がりから現れ、庭に入ってきたのは魔術師の弟子だった。小さな怪我はたくさんあるが、五体満足。
 テオハルトは彼に駆け寄り、ぐらりと傾いだ身体を抱き留めた。
「…師匠、俺――」
「よく頑張ったね。おかえり」
 イェンランは、穏やかに安堵した表情で目を閉じた。

――クローズドレグ――

 イェンランは時折おかしな夢を見た。

 固い寝台の上で手足を固定され、たくさんの大人に観察されている。
 呼吸が荒い。心臓が破裂しそうに脈打っている。体中が痛い。
 誰かが話している声が聞こえる。
「今までに見たことがない反応だ!」
「すばらしい!」
「我々は今まさに、有史以来の悲願を達成しようとしているに違いない!」
「君の提唱していた説も、もはや机上の空論とは呼べないな。そうだろう、■■■■■君」

 得体の知れない不快感。恐怖。不安。それらが極限まで高められ、夢は終わる。

――――――――――――――――――――――――――

「……っ!」
 イェンランは不気味な夢から覚醒し、ベッドに身体を起こす。
 一瞬、ここがどこなのか分からなかった。どこか古めかしい質素な木造の部屋だ。少しほこりっぽくもある。
 窓はカーテンが閉まっていたが、隙間から淡く光が漏れていた。今は昼間のようだ。
「知らない部屋だ…」

 目をこすりながら寝室を出ると、覚えのある煙の香りが鼻をくすぐった。
 小屋の中は、ごちゃごちゃと物が多く、ぬくもりと混乱を同時に感じさせた。
「やぁ、おはよう。遅かったじゃないか」
 部屋を横切るテオが声をかけてきた。
 見れば、師匠は外套を羽織り荷物を持って今まさに旅立つ準備をしていた。
「君もさっさと出かける準備をしなさい。置いていくよ」
「は?で、出かけるって、昨日着いたところじゃないか!どこに出かけるっていうんだ?」
「あぁ、今から出立すれば、グランツのコンペティションに間に合うからね」
「コンペティション?」

「君の階級を上げるための、魔術大会だよ」

――――――――――――――――――――――――――

テオ : てな具合で、今回のクローズドレグも締めようと思う。
イェンラン : なんかこう…不思議とネクロニカ味を感じる。
テオ : それではインタープレイだ。
 メモリーとプライズから決めていこう。
イェンラン : 日付とシナリオ名を書き込んで、プライズはどうしようかな……。
 とりあえず振ってみようか。

 d66 > 45 優美な指先

イェンラン : 今回の事を経て、より身のこなしが洗練された、ってことかな。
テオ : より修行に身が入るようになった、という感じかもね。
 次に経験点。
 今回は一応クエストシナリオなので、2000点獲得してください。
イェンラン : 2000も貰える!
 前回と併せて3000点だから、HPとMPを上げられるな。
テオ : スタイル修正表の上昇値を適応してね。
イェンラン : HPは44、MPは23になったぞ。
テオ : 順調に成長してるね。戦闘があるシナリオでも活躍できそうだ。
イェンラン : つまり、…次はいよいよ戦闘か!?
テオ : ふふ、どうしようかな。
 ひとまず、今回のインタープレイはこれで以上だね。
 一旦休憩を挟んで、2話目を始めて行こうか。

――情けは人のためならず――

テオ : それでは、2話目をはじめよう。
 シナリオタイトルは「情けは人のためならず」
イェンラン : お、道徳的だ!

シナリオ2「情けは人のためならず」
〈シナリオトレーラー〉
 テオハルトの庵を出発してから二月。
 師弟は乗合馬車で次なる目的地――王都グランツへ向かっていた。
 しかし、往来は何故か渋滞してしまった!
 道の前方へ様子を見に行くと、大きな荷馬車が横転し立ち往生している。
 彼らを助けて、渋滞を解消しよう!

――スタートレグ――

 田舎道の状態は悪く、乗合馬車はガタゴトと酷く揺れた。地図を見ても、大きな街道へ合流するまではまだかかりそうだ。
 イェンランは、おしりの痛みに辟易しながら地図を鞄に仕舞った。
 彼は、正しい地図の見方を教わってから、自分が賢くなった気がしている。
「――…なぁ、師匠」
「なにかな?」
 隣に座る師が応える。
「ずっと聴いてみたかったんだけどさ。師匠は、不死身ってどう思う。この世に存在すると思うか?」
「……ふむ、面白い議題だ。気になるのかな?」
 テオハルトは、いつものチャーチワーデンパイプ――吸口の細いパイプを取り出し、葉に火を入れた。
「す、少し」
 イェンランは、自分のルーツを知りたかったが、テオは生成する術に関する話題と考えたようだ。
「不死身はこの世に存在する。実際、魔王を始め、一部の強力な魔族はある種の不死性を持っていたという。故に殺しきれず、封印するしか無かった」
 講義が始まってしまった。
 向かいに座る中年の行商人が、道の悪さに悪態を着く。イェンランもそうしたい気分だった。
「では我々人類はどうか? かつて天使族は不老だった。しかし時が経つにつれ、その性質は失われていったそうだ」
「天使族は、神に使わされたんだろ。そういうのも、普通の人間とは違うよな」
 イェンランは、自分の”頑丈さ”が不思議だった。
 何度も火災事故に巻き込まれたにも関わらず、その度無傷で生還。普通なら死んでいるような崖から転がり落ち、数分後に意識が戻った。
 もしや、自分は真っ当な人間では無いのでは?
「やっぱ、人間に不老不死なんて存在しないのかな…」
「ところが、そうとも言いきれない」
 師の言葉に、弟子は顔をあげる。
「さる遺跡から発見された古代魔術の書籍には、不老不死を作る術が記されていた」
「じゃあ、古代魔術には不死身の呪いが存在したのか!」
「しかし、有史以来それを実現できた魔術師は居なかった。――つまり、それだけ難解で、技術と知識が必要な魔術式ということだ。昨日今日魔術師になったばかりの、ペーペーがなせる偉業でないことは確かだね」
 そんなことは分かっている。
「そもそも不老不死とは、魂の形を大きく捻じ曲げる魔術だ。神をも恐れぬ禁忌として、現在は法律で固く禁じられている」
 テオハルトはそう言って話を締めくくった。
「もし、もしもの話だぜ。俺に不死身の呪いが掛けられてたとして、その魔術師は――」
 イェンランがそこまで言ってから、テオは「あぁ、なるほど」と合点がいったようだった。
「君は『奇跡の生き残り』に懐疑的だったね」
「…だ、だって。やっぱりあんなのおかしいだろ。なんか変だ」
「たとえもしそうだったとして、残念ながら君に呪いを掛けた術師には、もう二度と会えないかも知れない」
「禁忌を犯した魔術師って、まさか…」
「おおかた死罪。よくても終身刑だろうね」
「そうか……」
 師の言葉に、イェンランはどこか奇妙な気分になった。まるで、見たことも無い親と死に別れたような。
 本当の両親のことなどとっくに忘れてしまったし、今まで色んな場所を転々としてきた。大きすぎる魔力と呪いのせいで、辛いことが多かったのも事実だ。けれど、今からでもたぐり寄せることが出来る、細い細い繋がりだ。
 自分の出自を知るための、唯一の手がかりでもあった。

 その時、馬車が一際大きく揺れて完全に停止した。
「…っ、なんだ!?」
「おや、どうしたんだろうね」
 乗合馬車の乗客たちが、口々に騒ぎ始める。ある者は不満を、ある者は不安を。
 御者は困ったように頭をかき、
「すまないねぇ、渋滞みたいだ。大きな道でもないもんで、前がつかえちまってる」
 前方に目をやると、他にも何台かの荷馬車が前に並んでいるのが見えた。
 テオとイェンランは、一旦馬車を降りて行列の先頭を見に行くことにした。
 渋滞の原因は、横転した荷馬車だった。馬がパニックを起こしたのか、三頭いる内の一頭が側の木に繋がれ、世話係になだめられていた。
 何人かの男達が、道にぶちまけられた積み荷を片付けている。一番体格が良く見るからに頭領のような男が、二人に気づき顔をしかめた。
「なんだ? あんたらも、せっつきにきたのか。見ての通り、まだまだ道を空けられる状態じゃねぇよ。……ったく、早く退いて欲しきゃ少しは手伝えってんだ!」
 どうやら、小規模な隊商らしく、荷物の殆どが売り物のようだった。磁器が入っていた木箱を改め、駄目だねこれは、と渋い顔をしている。
「みんなここを通りたいのに、あの行列に並んでる奴らは、誰も手伝わないのか?」
「誰も余所事だ。世知辛いものだね」
 イェンランは暫く考えてから、よし!と声を上げた。
「おい、おっさん! 俺は手伝うぞ! なにすればいい?」
 先ほどの大柄な男に、自ら声をかけに行ったのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

テオ : さて、ここからはメインレグだ。状況は把握できたかな。
イェンラン : やっぱりそうだよな。不老不死の魔術なんて、禁忌に決まってる。
 そして、今回は普通に人助けだ! 死なずにすみそう!
テオ : 何故か一話、二話と死んでるからね。
イェンラン : 師匠(GM)のせいだろ!
テオ : ふふふ。
 では、優愛で判定して貰おうかな。難易度は12で。
イェンラン : う、ちょっと高い。

 2d6+4 優愛 > 6[3,3]+4 > 10 失敗

イェンラン : 失敗した…。
テオ : 惜しい。それじゃあ、――。

 イェンランはよく働いたが、逆に売り物を壊して怒られたりもしてしまった。けれど最後には、親方は君の不器用なのを豪快に笑い飛ばしてくれる。わしわしと頭を撫でられ、まるで子分のような扱いを受けるだろうね。

イェンラン : その間、師匠はなにやってるんだ?
テオ : 道の脇にある切り株に座ってくつろいでいる。どうぞお構いなく。

「師匠は何もやらないのかよ!?」
「私は肉体労働が苦手でね。そういうものは、若くて力のある君に任せるよ」
「えー! なんか、釈然としねぇな。――っていうか俺、師匠の”スゴイ所”全然知らないんだけど? アンタ本当に優秀な魔術師様なのかよ」

テオ : それには、意味ありげな微笑みで返しておこう。
イェンラン : み、ミステリアスぅー!
 当初の注文通りの師匠だぜ、まったくよぉ!

――クローズドレグ――

 数刻後、散らばった荷物を片付け、倒れた荷馬車を立て直し、ようやく後続へ道を空けることが出来た。貨物を積み直すのはこれからだが……。
「おい、坊主!」
 キャラバンの頭領は、イェンランの頭を乱暴に撫でた。
「なんだ、おっさん!」
「お前さん、なんも出来ねぇくせに、うろちょろしやがって! 邪魔くさいったらねぇや!」
「悪かったな、要領悪くて!」
「でも、ありがとな。助かったぜ」
「お、おう…!」
 頭領が、荷物の中から手の平だいの小瓶を取り出し、少年の手に預ける。
「ちゃんと礼をしたいとこだが、今は生憎こんなもんしかねぇ。持ってけ、泥棒!」
 コルクで封をされた小瓶には、ティアドロップ型で乳白色の粒が、五つほど入っていた。どれも揺らぐような光沢が美しい。
「わぁ、すっげぇ綺麗! 貰っちまって良いのか? 売り物だったんじゃ」
「商品にするには、形が悪くてな。ウチの客には売れんのだ」
「そうなのか……。ありがとよ、おっさん!」

 イェンランは、元の乗合馬車に戻ってからも、飽きずにその小瓶を見つめていた。ただ美しいだけでなく、人に感謝してもらった、というのが何より嬉しかった。
「ほう、バロックパールか。確かに形はまちまちだが、質は高い。真円を求める客には売れないだろうが、見る者が見れば一財産だな」
 テオが横から覗き込む。弟子は小瓶をちょっと隠すような仕草をして、
「いいだろぉ。サボってた師匠にはあげないぜ! 俺が貰ったんだからな!」
「当たり前だ。――イェンラン、その報奨を大切にしたまえ。労働の対価として、君が初めて貰ったものなんだからね」
「…うん!!」
 イェンランは、こと嬉しそうに、力強く頷いた。

 二人が目指すは、王都グランツ。
 戦禍で失われた古都ヴェリタスに変わり、アルドラスタの中心に座す防衛都市。
 やがてその城壁と、関所が遠景に見えてくる。
 彼らの旅は、まだ始まったばかりだ。

――インタープレイ――

テオ : これでクローズドレグもお終いだ。
 年相応に嬉しそうでよかったね。
イェンラン : 後の話も、こういう平和な回だけで構成されててほしい。
テオ : それ楽しいかい?
イェンラン : 『プレシャスデイズ』がハートフルTRPGだと思っていた時期が、私にもありました。
テオ : それじゃ、インタープレイに移ろうか。
イェンラン : 今回はプライズがわかりやすいな。
「キレイな石」…バロックパールと書き込んでおく。
テオ : そしてEXPが10000点。
イェンラン : これで計4000点。
 次のシナリオで成長出来そう!
テオ : 次はお待ちかね、バトルシナリオの予定だよ。
 エネミーの塩梅が不安だけど、一応楽しみにしててね。
イェンラン : バトルシナリオきたーーーーー!!!
テオ : というところで、今回もおつかれさまでした。
イェンラン : おつかれさまでしたー。

2話を終えて
名前:イェンラン 年齢:10歳 GL:1
種族:人間 属性:
スタイル:エンチャンター
HP:37→44 MP:19→23 WP:8
 体力:5(13) 知力:3(10) 神秘:2(7)
 俊敏:4(10) 情熱:3(10) 優愛:4(10)
スキル
 マナインフロー 魔術師の基本スキル
 種族スキル:人間 WP+1
 インパクトブレイク ダメージ+10
 クイックムーブメント 俊敏対決で先手を取る
アイテム
 グローブ/焦げ跡の残る端切れ
 マナヴェール
 ヒールポーション
 ロングスピア

エンドクレジット
イェンラン……おさむメーカー
テオハルト……ヤンデレ男子_mero

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