メニュー 閉じる

【プレシャスデイズ】エンカウント!/得意・不得意【仮想卓ログ】

はじめに

 こちらは『魔術師育成スローライフRPG プレシャスデイズ』の半小説風仮想卓ログ#3です。
 #1はこちらからどうぞ。
 全部オレ状態なので、多少のぎこちなさはご容赦ください。
 この記事は、実質第三話の戦闘回と、ライバルの少女とのボーイ・ミーツ・ガールを描いた4話目を収録しています。
 シナリオは用意しておらず、ぶっつけ本番体当たりです。
・画像について・
 キャラアイコンは、Picrewさんのメーカーで作らせていただきました。
 記事の最後にクレジットとして記載してあります。

――エンカウント!――

テオ : 『魔術師育成スローライフRPG プレシャスデイズ』4話目を始めて行こうか。
 シナリオタイトルは「エンカウント!」
イェンラン : バトルシナリオー!!
テオ : PCデータのおさらいだけして、始めようか。

シナリオ4「エンカウント!」
〈シナリオトレーラー〉
 師弟は夕刻に王都グランツの関所へ到着。
 王都へやって来た客人達は、日が暮れる前に街へ入ろうと、賑やかに列を成していた。
 そこへ突如として、魔物の群れが襲いかかる…――!

2話目を終えて
名前:イェンラン 年齢:10歳 GL:1
種族:人間 属性:
スタイル:エンチャンター
HP:37→44 MP:19→23 WP:8
 体力:5(13) 知力:3(10) 神秘:2(7)
 俊敏:4(10) 情熱:3(10) 優愛:4(10)
スキル
 マナインフロー 魔術師の基本スキル
 種族スキル:人間 WP+1
 インパクトブレイク ダメージ+10
 クイックムーブメント 俊敏対決で先手を取る
アイテム
 グローブ/焦げ跡の残る端切れ
 マナヴェール
 ヒールポーション
 ロングスピア

師匠について
名前:テオハルト 性別:男性 年齢:??
種族:人間 属性:??
スタイル:??
 クールで厳しめな言葉を使う大人。優しさは分かりづらい。
 しかし、時に厳しい現実を見せることも師匠の役目。……なのかも?
 黒髪、鳶色の目、隻眼。きっと右目の眼帯には、とんでもない秘密が隠されているに違いない。
 チャーチワーデンというパイプで煙草を吸っている。数種類のハーブが混ざった香りが、独特だけど、不思議と落ち着く。

――スタートレグ――

「なぁなぁ、これから入るグランツって、どんな街なんだ?」
 イェンランは、興味津々といった風に隣に並ぶ師匠へ訪ねた。
「戦災で焼け落ちたヴェリタスに代り建設された新都市だ。…首都としての歴史は浅いが、険しい山々と堅牢な防壁を築き、防衛機能は国一番」
 二人は、そんな防壁に儲けられた関所へ並んでいる。街に入る客人はここで、手形を改めるなどの軽い検問を受ける。
「アルドラスタの中心だからね。多くの人が出入りする賑やかな街だよ。――ただ、最近少し中高年と若者の間で格差が生まれてしまっているが」
「なにそれ?」
「戦前戦中から実権を握っている連中が、少々時代錯誤的になってきた、ということだ。国王のやり方が悪いとは思わないが、このまま行きすぎれば、改革が必要になってくるだろうね」
 テオハルトはそう言って、いつものチャーチワーデンを取り出して煙を纏った。
 政治の話はよく分からない。イェンランは「へぇ、」と相づちだけして、軽く首をかしげた。
 しかし、賑やかな街、というのは分かる気がする。関所に並んでいても、色んな人間がいる。多くが商人だろうか。
 荷馬車の搬入口には、来る時に見たキャラバンも見える。
「この間のおっさんたちも、ここに来てるみたいだ」
「あぁ、君が手伝ってやった彼らか」
 イェンランは、こんなに大きな街へ入るのは初めてだった。テオハルトと出会った日と同じく、そわそわ、わくわくしていた。
「……イェンラン、少し落ち着きなさい」
「だって、師匠!」

 その時だった。
 穏健な空気を引き裂くような悲鳴が上がった。
「魔物だ! 魔物が出たぞー!!」
 街道から、コボルト率いる魔物の群れが人々に襲いかかったのだ!
 関所に並んでいた人々は、一瞬にしてパニックに陥り、我先に城壁の中へ入ろうと、関所の入り口へ押し寄せた。兵士達はそれを必死になだめようとしている。
「師匠、一体何が起きて……!?」
 イェンランはテオを見上げたが、師に動じた様子は無く、ただ一言「うん」と頷いた。
「イェンラン、実践授業をしようか」
「はぁ!? それって、ど、どういう意味だよ!?」
「この混乱を、私たちで収めようね、って意味だよ」
 そう言って、テオハルトは片手を一振りすると、虚空からスタッフを取り出した。
「ボスを含んだ一団は私が。小物は君に任せた。――できるね?」

――メインレグ――

テオ : さて、ここまでがスタートレグで、ここから本格的にメインレグ――戦闘だ。
イェンラン : わくわく!
テオ : 戦闘ではキャラクター間の距離を「至近距離」「近距離」「中距離」「遠距離」の四段階で区分する。
 実際に戦闘が可能なのは、「至近距離」~「中距離」まで。「遠距離」は攻撃や妨害が届かないんだ。
イェンラン : つまり、「遠距離」まで離れると戦線離脱できるってことか。
テオ : そうなるね。
イェンラン : おっけー、理解した。
テオ : では君の前に、緑の肌をした醜い亜人が数匹躍り出てくる。距離にして十メートルほど。このままでは、君の攻撃は届かないだろう。
 それでは、ラウンド進行を始めて行こうか。

セットアッププロセス
テオ : 本来はここでエネミー識別を行える。
 君の場合は《クイックムーブメント》も使えるね。
イェンラン : エネミー識別を振ってみるか。
テオ : 識別値は10 これ以上で成功だ。

 2d6+3 知力 > 9[6,3]+3 > 12 成功

イェンラン : うお、やった! 孤児院の時の雪辱を果たしたぞ!

エネミー:ゴブリン
 レベル:1(モブ) 識別:10
 判定:3/11 回避:10
 防御:4 HP:28
 攻撃:3(2d)/8(2d)/近接/至近
《集団戦》
 パッシブ。リムエネミーが居る場合、攻撃の達成値+1 ダメージ+2

イェンラン : 次に、《クイックムーブメント》だ!
 張り切って先手を取っていこう。
 【俊敏】は自身あるぞ!
テオ : イェンランがアクション側、ゴブリンがリアクション側で【俊敏】の対決判定だね。
 ゴブリンのリアクション判定値は11だから、それ以上で成功。

 [ イェンラン ] MP : 23 → 19
 2d6+4 俊敏 > 9[6,3]+4 > 13 成功

テオ : 成功か。まぁ、君は元々動けるタイプだったからね。そこまで心配してないよ。
イェンラン : このゲームは、基本的にエネミーが先行行動だからな。ここでしっかり先手を取っておかないと。
テオ : それを受けて行動順は、イェンラン→ゴブリンの順となる。

▼メインプロセス
イェンラン : マイナーアクションでゴブリンに近づき接敵!
《インパクトブレイク》を使用して攻撃だ!
 ゴブリンの回避値が10だから、命中判定でそれ以上ならダメージが入るんだよな。
テオ : スキルを使用した魔術攻撃だから、魔術値+2d6。命中判定どうぞ。

 2d6+9 魔術値 > 8[3,5]+9 > 17 成功

テオ : いいね。実際にダメージを出して貰おうか。

 2d6+9+9+10 ダメージ 魔術値+ロングスピア+《インパクトブレイク》 > 2[1,1]+9+9+10 > 30
 [ イェンラン ] MP : 19 → 16
 [ ゴブリン ] HP : 28 → 2

テオ : ……一瞬足し算を間違えたのかと思ったよ。
 ダイス振るってないのにこれか。素晴らしい威力だね。防御値で4点削がれて、ダメージは26点か。
イェンラン : なんだか師匠のその言い方って、教育者より研究者っぽくないか。むずむずする。
テオ : そうかな?
 ともあれ、火炎を伴った素早い刺突攻撃は、ゆうにゴブリン集団のほとんどを消し飛ばした。
イェンラン : 「もう以前の俺とは違う! 教えてもらったんだ、力の扱い方ってやつを!」
 と啖呵を切っておきます。
テオ : 続いて、ゴブリンのメインプロセス。
 マイナーは無くて、メジャーで短剣による近接攻撃

 2d6+3 命中 > 7[5,2]+3 > 10

イェンラン : 俺の回避値は13だから、回避成功だ!
 敵の動きがとても遅く見える!
テオ : 流石に早いねぇ。もうゴブリンなんかじゃ相手にならないか。
 ということで、クリンナッププロセスだが、ここで出来ることはあまりないかな?
イェンラン : 早速、第2ラウンドだな。

▼第2ラウンド
イェンラン : 前回と同じく、《クイックムーブメント》を使って、先手を取る!

 [ イェンラン ] MP : 16 → 12
 2d6+4 俊敏 > 11[6,5]+4 > 15 成功

テオ : ゴブリンの判定値はかわらず11だから、これは惨敗だね。行動順は変わらず、イェンランからだ。
イェンラン : じゃあさっそくメインプロセス!
 《インパクトブレイク》を使用して攻撃! まずは命中判定!

 2d6+9 魔術値 > 9[6,3]+9 > 18 成功
 2d6+9+9+10 ダメージ ロングスピア+《インパクトブレイク》 > 5[1,4]+9+9+10 > 33
 [ イェンラン ] MP : 12 → 9
 [ ゴブリン ] HP : 2 → 0

テオ : オーバーキルにもほどがあるな。
 ……なんだか悔しいな。もっと強いエネミーを選べば良かったかな。次からはこのダメージを基準にエネミーを選びます。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 赤々と上がった轟音と火柱。
 文字通りゴブリンの一団は消し炭となった。
「やったー! 初陣初白星だぁー!」
 イェンランは、長槍を両手で掲げて悦びを表現した。
「最後のはやり過ぎだ」
 雨が――いや、水滴が空から降り注ぎ、周囲の消え残った炎を鎮火していく。
「だが、魔術の扱いは子慣れてきた。上出来だね」
 ボスゴブリンを瞬時に圧倒したテオハルトは、イェンランの戦闘を観察していたようだ。
 もっと苦言をていされると思っていた弟子は、思わぬ手放しの賞賛に、むふ、とおかしな表情を見せる。
「ふっ。こんなもん、朝メシ前だぜ! みたかよ、テオ師匠!」

「テオ……? ──テオハルトか?」

 誰が声をかけてきたのかと、振り返れば、1人の老魔術師が幽霊でも見たような表情で佇んでいた。
「…先生?」

――クローズドレグ――

 パニックを起こし関所に詰め入っていた人々は、脅威が去ったことで、落ち着きを取り戻しつつあった。
 先生。
 テオハルトは、魔術師ぜんとした老人をそう呼んだ。
「知り合いか?」
「あぁ、私が前時代的なアカデミーに居たころ、教鞭をとっておられた方だ。……こんな所で会うと思わなかったです、アッシュ先生」
「それはこちらも同じだ。王国の研究機関に招かれたと風の噂で聞いたのが、15年前。それからなんの音沙汰もないものだから、もはや二度と会うことは叶わぬと思っていたよ」
 イェンランは、テオハルトと老魔術師を交互に見た。いうなれば、この老魔術師は、師の師ということだ。
「君は、今なにを――いや、そうか。弟子を取ったのだね」
「これはイェンラン。少し落ち着きが無いですが、心根のまっすぐなやつです」
 そう言われると少し気恥ずかしい。気張って挨拶をした。
「…お、おすっ!」
「先生は今もアカデミーで教えているのですか?」
「はは、この歳になると、多人数を相手にするのが難しくてね。今は……ほら、あそこに見える子が、2番目の弟子でね」
 アッシュと呼ばれた老魔術師は、魔物に襲われた人々の手当をしている少女を指さした。
 歳の頃はイェンランと同じぐらいか、1つ2つ上だろうか。頭上にうっすら光の輪があるところを見ると、天使族だろう。
 かつて不老だったという天使族。イェンランは彼女に興味が湧いた。
「ソフィア、少し此方へ来なさい」
 天使族の彼女――ソフィアは、師に呼ばれて振り向くと、ぱたぱたと駆けてきた。
 アッシュと並ぶと、まさしく魔法使いとその弟子、という風情がある。
「彼女はソフィア。見ての通り、天使族だ」
 ソフィアは黙ったまま、ただ丁寧に二人へ頭を下げた。
「お、俺、イェンラン!」
 天使族の可憐な少女は、その青い瞳でじっとまっすぐ少年を見つめた。
「えっと…?」
「変わった名前。ラン、くん……で、いいの?」
「ソフィアはあまりおしゃべりな方じゃ無い。同世代の友達は珍しいんだ。仲良くしてやっておくれ」
 イェンランはアッシュ翁の言葉に深く頷いた。
「ところで、彼女もこの街でコンペティションを?」
「あぁ、そのつもりだ」
 師たちの言葉に、イェンランは再度ソフィアに目を向ける。
 つまり、ライバルか……!
 イェンランは、天使族の涼しげな視線に応え、負けないぞ、と強気な念を送った。しかし、彼女は心底不思議そうに首をかしげただけだった。

 長き戦の果てに、魔王が封じられてから十年。
 アルドラスタはミッドランド王国――その首都グランツで行われる魔術大会。
 花咲ける少年少女達の実力が試されるコンペティションが、まさに今ここでも始まろうとしていた。

――インタープレイ――

美少女のライバル:ソフィア

イェンラン : 美少女のライバルきたー!
 師匠の師匠も気になるな! 師匠のことを根掘り葉掘り聞きたい!
テオ : システム上、主役は弟子の方だから、こっちをあまり掘り下げても、という考えなんだけど。
 ……ちょっと前振りはしておこうと思ってね。
イェンラン : ”秘密”か? 例の”秘密”のせいなのか?
 俺自身の話と切っても切れない”秘密”……ずばり、不死身の呪いと無関係ではないな!
テオ : さぁ、それはどうだろうね。
 じゃあ、今回もインタープレイの処理をして、締めようか。
イェンラン : メモリーにシナリオ名「エンカウント!」を書き込んで、と。
 今回のプライズは、ズバリ「ライバル」だ!
テオ : 私も異論無いよ。
 そして経験点だ。今回はバトルシナリオだったから、3000点もらえる。
イェンラン : …ってことは全部で7000点!
 5000点の「アイテムと消耗品一つずつ」と、6000点の「スキルと消耗品を一つずつ」っていうのができる!
 消耗品の一つは、マナストーンにしようかな。もう一つは……うーん、菓子で。
 付与魔術っていうのも、アイテムに入るんだっけ?
テオ : そうだね。このシステムは、魔術も装備するアイテムとしてカウントするわけだ。
イェンラン : じゃ、アイテムはリフレクトが欲しいかな。
 それから、スキル。スキルか…やっぱりこの辺で《マジックパリー》を取っておこうかな。より実践的な立ち回りを意識するようになった、っていうイメージで。
テオ : 消耗品二つ、アイテム一つ、スキル一つ。
 無事に決まったね。これでインタープレイも終了。じゃあ、15分休憩を挟んで次のシナリオをやっていこうか。
イェンラン : 俺、お茶淹れてくる!

――得意・不得意――

テオ : 通算5回目、話数で言うと4話目だね。やっていこう。
 シナリオタイトルは「得意・不得意」
イェンラン : 全六話なら、とうとう折り返しだ!

シナリオ5「得意・不得意」
〈シナリオトレーラー〉
 首都グランツに到着して一週間。
 数ヶ月後にコンペティションを控え、イェンランは苦手な座学を補うため、教材を揃えようと書店を訪れた。
 そこで偶然居合わせたライバル――ソフィアは言う。
「コンペティションが試合形式なら、私はあなたに勝てない」

――スタートレグ――

「座学!?」
「そうだよ。どうひいき目に見ても、君は筆記科目が遅れ気味だ」
 首都グランツに到着して約一週間。
 イェンランは大都会の物珍しさにかまけ、連日小遣いの範囲で街を歩き回っていた。そしてこの日の夕刻、ついに師であるテオハルトから「これから座学を始めるからね」と言い渡された。
「えー! ただでさえ普通の”勉強”も苦手なのに! 師匠、今までやらなかったじゃんか!」
「ここまで本腰入れてやらなかったのは、理屈っぽいのは後で覚えた方が理解しやすいと思ったからだよ。特に君のような、感覚タイプはね」
 宿舎の床に転がってバタバタと手足を振り回す。
「でーきーなーい! 出来ないよ、俺ー!」
「嫌ならやらなくていいよ。君が私の弟子じゃ無くなるだけだ」
 イェンランは慌てて起き上がり、
「…ごめんなさい」
「自身の立場が分かっているならよろしい。それじゃあ早速明日は教材を揃えるところから始めよう」
 テオはそう言って、イェンランにメモを1枚手渡した。
 『魔術基礎学 Ⅰ』『アルドラスタの魔法薬学 初級』『豚でも分かる魔術属性学 Ⅰ』……。
 恐らく授業で扱う参考書だ。
「君、この数日で随分街に詳しくなったらしいじゃないか。もちろん、これらの書籍がどこで手に入るかも、知っているね?」
「ま、まさか、一人で揃えてこいなんて言わないよな!?」
 テオハルトはただ、片眉をつり上げて煽るような表情を作った。

「またかよ師匠ーーーーーッッッ!!」

――メインレグ――

テオ : ということで、今回は自分が使う教材を君自身に買いそろえて貰う。
 使用能力値はもちろん知力。難易度は…13ぐらいでどうかな。
イェンラン : めちゃ高いじゃん。成功すると思ってんのか?
テオ : 思ってはいない。けど、一人で出来たらとても感心しちゃうよね。
 それに今回は、判定よりRPに力を入れて欲しいんだよ。
イェンラン : ひとまず挑戦してみるか!
 よし、頑張るぞ!

 2d6+3 知力 > 7[6,1]+3 > 10 失敗

 イェンランは街一番の書店にやってきたが、目当ての書籍が見つからず、いたずらに書棚の迷宮に迷っただけだった。
「あれ? おかしいな、ここって『菜園』の棚じゃなかったっけ…?」
 本棚を見上げると『魔術研究』と分類が書いてある。背表紙を見れば、なるほど、イェンランにはまだ難しい表題が沢山並んでいた。
 『禁忌! 不老不死の魔術!』
 それは実に胡散臭く、安っぽい作りの書籍だったが、何故だか強く興味が引かれる。イェンランは背表紙に指をかけた。

「何してるの?」

「うひゃあっ?!」
 急に話しかけられ、静謐を求められる書店に有るまじき声が出た。慌てて口を塞ぐ。
 振り返ると、ライバル――ソフィア嬢がそばに立っていた。
「ここは魔術研究の中でも、禁忌魔術に関する考察を集めた棚。あんまりウロウロしてると、…ちょっと思想がアレだと思われる」
「えっ、そうなの? やばい、知らなかったっ!」
 ソフィアは、今しがたイェンランが手に取ろうとした書籍に目をやり、
「こういうのに興味があるの?」
「興味っていうか、うーん……」
 イェンランはしばし考えてから、ソフィアに話すことにした。
「実は俺、不死身なんだ。…たぶん」
 案の定ソフィアは、怪訝な表情で踵を返した。
「邪魔してごめんなさい。どうぞごゆっくり」
「あ、まって! 思想がアレだと思わないで! ちょっとで良いから相談にのって! 話だけでも!」
 イェンランが必死に止めるのを見て、彼女はしぶしぶ向き直った。
「……その話って、ながい?」
「少し長い、かも」
「だったら、先に探し物を片付けた方が良いと思う」
 ソフィアは、遠慮がちにイェンランの手にある紙片を指さした。

――クローズドレグ――

「ありがとう、ソフィア! マジで助かった!」
「おおげさ。それほどのことじゃない」
 2人は、書店から出ると入り口脇の花壇に腰掛けた。
「――……それで、不死身っていうのは、なんだったの?」
 彼女に促され、イェンランはこれまでの経緯を話した。
 何度も死ぬような目に遭遇しているのに、その度に自分だけが無傷で生還していること。繰り返し見る奇妙な夢のことなど。
「俺自身の正体を知るためにも、避けて通れない気がしてるんだ」
「…決めつけるのは早計だけど、確かに気になる。あなたの先生には話した?」
「それとなくは。でも、ソフィアと同じように、安易に結びつけるべきじゃないって考えだと思う」
「もしも、本当に不死身の呪いが掛けられてるんだとしたら、私たち見習いには、荷が重い。先生が把握されてるなら、対応を待ったほうが良いと思う」
「そうだよなぁ…」
 ソフィアの冷静な処断に、イェンランはため息を吐く。
 無為にジタバタしたところで、今の自分には経験も知識も足りない。答えの出ないものは、考えない方がいいだろう。
 イェンランが目下考えるべきは、コンペティション――魔術師大会についてだ。

「そういえば、ソフィアもなにか買いに来たんじゃ無いの?」
 聞かれたソフィアは、何故か少し視線を伏せた。
「うん。本当は、予習のために2級の参考書を見に来たの。でもあなたが居るのを見て、なんだか……」
 ソフィアは歯切れ悪く応える。
「魔術師が弟子を取るのは、いずれくる魔王復活に備えるため。つまり、実践で使えないと意味が無い。――あなたの、関所での大立ち回りを見てから、気持ちが乗らなくて…」
「え、なんで?」
「私は、戦闘が苦手だから。きっと、コンペティションが試合形式だったなら、私は負けてしまう」
 彼女は自信をなくしてしまったのだ。
 イェンランは、彼女になにか言葉をかけてやるべきと思ったが、気の利いた言葉など思いつかない。
「や、…ほら、まだ何するかわかんないんだし、そんなに落ち込むなよ! 筆記試験とかだったら、逆に俺が落ちるかもだろ!」
 彼女は、うん、と言ったきりじっと自分の爪先を見下ろした。
「魔術師協会が求めてる人材は、ランくんみたいな…実践に強いタイプなんだよ」
 イェンランは文字通り、頭を抱えた。
「うーん、うーん…えっと……――あっ! じゃあこういうのは?」
「…?」
「俺がソフィアの苦手を教えてやる! 代わりに、ソフィアが俺の苦手を教えてくれ!」
 彼の務めて明るい言葉に、ソフィアは目を丸くする。
「それって、いいの? 私たちはライバルで、状況によっては競い合わなきゃ行けないのに」
「ライバルなら尚のこと、切磋琢磨っていうのをしよう! それに、さ。憧れなんだ、そういう、……と、友達、みたいなのっ」
 イェンランがすこし恥ずかしそうに言って、軽く頬をかく。
 一つ所に居られなかった彼にとって、自身と同じ方向を向いて同じ途を歩いていると言うだけで、なんだか不思議と仲間のような気がしていた。
「…私も、ちゃんとお友達って言える人は、いたことないの。だから、えっと……どうしたら良いか分からないけど、よ、よろしく」
 イェンランに吊られて、ソフィアもはにかむように笑って片手を差し出した。
 彼は、両手で大切そうに彼女の手を包むと、
「やったぁ! すっごくうれしい、ありがとう!」
 天真爛漫、と表するのに相応しい満面の笑顔であった。

 ソフィアはイェンランと別れてから、彼に握られた右手をじっと見つめた。
 あの時、顔が火照って心臓が飛び出しそうになった感覚を反芻していた。
「お友達って、すごいなぁ……」

――インタープレイ――

イェンラン : 前回の『エンカウント!』から思ってたけど、これちゃんと「ボーイ・ミーツ・ガール」じゃん!?
 なんか、ちゃんとかわいい!
テオ : ふ、ネクロニカ味がするとか言ってたのは誰だっけ? 撤回して貰おうか。
イェンラン : いや、撤回はしないよ?
 不死身の呪いに関する部分は、いつ”hurtful”な展開になってもおかしくないと思ってるからね?
テオ : おかしいな、私がいつそんなことした?
イェンラン : 開始早々さらっと孤児院燃やして死んだんだが? 記憶喪失なのかこのひと。
 今回のプライズ、ダイス振ろうかな。

 d66 (D66) > 33 魔術書の写本

イェンラン : ソフィアに借りた本を写した物、っていうのはどう?
 一緒にお勉強する仲なわけだし。参考書の写しぐらい持ってても良いかな。
テオ : いいね。私も異論無いよ。
 そして今回のシナリオはスローライフシナリオ、ということで経験値は1,000点。
イェンラン : これで合計8,000点。一つスキルが貰える!
 師匠、今回俺は一般スキルの《コーディング》が欲しい!
テオ : お、細かい部分を埋めてきたね。順調に強くなってるようでなにより。
 成長が済んだところで、今回のインタープレイも締めようと思う。お疲れ様。
イェンラン : おつかれさまでしたー。

4話を終えて
名前:イェンラン 年齢:10歳 GL:1
種族:人間 属性:
スタイル:エンチャンター
HP:44 MP:23 WP:8
 体力:5(13) 知力:3(10) 神秘:2(7)
 俊敏:4(10) 情熱:3(10) 優愛:4(10)
スキル
 マナインフロー 魔術師の基本スキル
 種族スキル:人間 WP+1
 インパクトブレイク ダメージ+10
 クイックムーブメント 俊敏対決で先手を取る
 マジックパリー ダメージ軽減→NEW!
 コーディング MP消費-Ⅰ→NEW!
アイテム
 グローブ/焦げ跡の残る端切れ マナヴェール
 ヒールポーション ロングスピア
 マンストーン 菓子→NEW!
 リフレクト→NEW!

エンドクレジット
イェンラン……おさむメーカー
テオハルト……ヤンデレ男子_mero
ソフィア……おおきなネコヤギ

つづく→

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です