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【プレシャスデイズ】100年後の君へ【仮想卓ログ】

はじめに

 こちらは『魔術師育成スローライフRPG プレシャスデイズ』の半小説風仮想卓ログ#1です。
 全部オレ状態なので、多少のぎこちなさはご容赦ください。
 この記事は、キャラ制作と師弟の出会いを描く1話目を収録しています。
 シナリオは用意しておらず、ぶっつけ本番体当たりです。
・画像について・
 キャラアイコンは、Picrewさんのメーカーで作らせていただきました。
 記事の最後にクレジットとして記載してあります。

――キャラ制作――

PL : GMさん、『魔術師育成スローライフRPG プレシャスデイズ』がやりたいなぁ。
GM : いいよー、やりましょうか。
PL : こっち側は、「強大な力をコントロール出来ず周囲に厄災をもたらしてしまうタイプの元気弟子」を作るので、GMさんは「冷たい厳しさの中に愛情があるタイプの影のある師匠」を作ってください。出来ればミステリアスイケメンがいいです。
GM : 注文が多いなぁ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

GM : さてと、ルールブックの読み込みは十分かな。
 では、おさらいしていこう。

 ここは中世ヨーロッパ風の異世界、アルドラスタ。
 魔王封印から十年。
 魔族を統率していた魔王を封印し、世界にはつかの間の平和が訪れた。

PL : ところがぎっちょん。

 いずれ封印は解け、魔王が復活すると神託が下った。
 時の王様は、世の魔術師達に次世代の戦力を育成するようお触れを出した。
 ――と、ここからが物語の始まり。

GM : 『魔術師育成スローライフRPG プレシャスデイズ』は、GMとPLが一対一で魔術師とその弟子の物語を紡いでいくTRPG。
 1セッション30分程度からできる、比較的軽めのシステムだね。
PL : …軽めとは言え、F.E.A.R.だからか、けっこうデータが本格派なんだよな。
GM : じゃあ、張り切ってPCを作っていこうか。

――種族・スタイル・属性――
GM : 種族は4種類。
 人間、エルフ、天使、獣族。
 それぞれ得意なことが違うね。どれがいいのかな?
PL : 人間!
 獣族と迷いはしたが、やっぱり人間だ。
GM : なるほど、いかようにも成長できるバランスタイプだね。
 スタイルは戦闘時の立ち回りのことだ。
 近接型のエンチャンターやシェイプシフター、中距離が主戦場のキャスター、シューターなど……計六種ある。
PL : これは近接白兵型のエンチャンター!
 ごりごりのファイターだ。
GM : ……魔術師の弟子を育てるゲームだって聞いてたんだけど、思ってた弟子と違うなぁ。
PL : は?魔法剣士とかいんじゃん。そういうやつだよ。
GM : そういうことにしておこうか。
PL : 次は属性だな。
 ずばり、主人公っぽい「火」属性を選ぶぞ!
GM : 本当に魔術師見習いなんだよね?
PL : 魔術師見習いだッ!
GM : …なんか、もっとこう……。
PL : もっと、

~♪「あの日全て始まった くだらなくって 思わずふっと笑ってしまうような ありふれた時間が今も眩しい」♪~

 の感じがよかった?
GM : 下手くそか。
 まぁいいですけどね、そういう弟子がいても。
 私は心の広い師匠なので、物理タイプの魔法使いの弟子も受け入れましょう。
 ……フェルンのゾルトラークだって実質物理で押し切ってるようなもんだしね。

 種族:人間
 スタイル:エンチャンター
 属性:火

GM : これで能力値を出して行こうか。
 人間の基本値に、フリーポイント5点を自由に振ってね。初期制作の最大値は12だから、それだけ超えないように。
PL : 人間の基本値は、

 体力:8 知力:7 神秘:7 俊敏:8 情熱:10 優愛:10

 ……体力に四点振って12にしよう。で、俊敏にも1ポイント。
 これ、割ったりするんだっけ?
GM : 君は苦手を補うのではなく、得意を伸ばすタイプなんだね。
 3で割るんだよ。余り切り捨てで。

 体力:4 知力:2 神秘:2 俊敏:3 情熱:3 優愛:3

PL : ……もしかして頭悪い?
GM :
君はじつに馬鹿だなぁ。
PL : うるせぇなぁ。
 で、ここにスタイルと属性の修正値を足すんだな。
GM : HPやMPの副能力値は、後でまとめて出そうか。
PL : おーっす。
 ――できた!

 体力:5 知力:3 神秘:2 俊敏:4 情熱:3 優愛:4

PL : …神秘性は無いみたい。
GM : でしょうねぇ。

――副能力値――
GM : さてお待ちかね。主に戦闘で使用する副能力値算出の時間だ。
 まずは基本の初期HPと初期MP。
PL : エンチャンターの初期値は、HP30 MP15
 近接戦が得意そうなタフネス!
GM : 次は魔術値。戦闘でメインにふるのはこの数値になるね。
 君はエンチャンターだから、付与術式。体力+俊敏で求めよう。
PL : これは高いぞ!9だ!
GM : では回避値。神秘+俊敏に7を足した数です。
PL : 神秘は一番低いんだ…。
 2と4で6…に7を足すんだな。13!
GM : 神秘低い、と言いつつそこはしっかり動けそうな数値してるじゃないか。
 次は防御値。これは体力の数値に、後で装備品の修正を加えようね。
PL : 現在の防御値は5
 曲がりなりにもファイター系だからな。俺は打たれ強いぞ!
GM : 最後に、WP。ウィルパワー――意志力ってやつだよ。
PL : みなぎるやつ?
GM : よく知らないけど、多分みなぎるのは、ケツイだね。
 これは情熱と優愛を足した数値になるよ。
PL : 情熱と優愛で7だな。俺の初期ケツイは7。
GM : WPね。

――スキルとアイテム――
GM : 取得条件に「メイキング」と書かれているものは、製作時に自動取得となる。
 全ての魔術師が持つ一般スキル、《マナインフロー》は既に記入してあるよね。
PL : なるほど、これが魔術師としての基本スキルか。
 あとは人間の固有スキルと…エンチャンターの《エンチャントウェポン》
 これで武器に炎エフェクトがつけられるわけだな。
GM : 種族スキルでWPが+1されるのを忘れないようにね。
PL : この世界の人間は意志力が高い傾向にあるみたいだ。
 不屈の人間か、良い響きだな!
GM : それからあと一つ。一般かエンチャンターのスキルの中から、取得条件が「GL0」のものを好きに選んで取得できる。
PL : 気になってたんだけど、「GL」って「グレードレベル」でいいんだよね。
GM : そうだね。
 魔術師としてのレベルのようなもの。大会に出て実力を示すと等級が上がる。
 魔術師に弟子入りした時点でGLは1。最大は6。そこまで来られたら、もう一人前の魔術師だ。
PL : GLが0ってことは、まだ階級すらないのか。
GM : そういうことになります。
PL : ここはやはり《インパクトブレイク》を。
 まだ俺にパリーなんてテクいことをする知能はない。
GM : 次はアイテム。
 エンチャンターの初期取得アイテムは「武器」「防具」「マナヴェール」「ヒールポーション」の四つ。
 魔術師は、魔力を収束させるために「焦点具」と呼ばれるものを持っている。魔法の杖のことだね。
 キャスターのワンドなんかはわかりやすいけど、エンチャンターは「武器」を焦点具にするのが妥当かな。
PL : 焦点具か……。
 あのさ、初期装備はグローブにして、師匠に弟子入りしてからちゃんとした武器を取得してもいい?
GM : …なるほど。
 道具選びのいろはが無いから、自分に合う物を揃えられなかった、という演出だね。では、そこはあとで少し相談しよう。私に良い考えがある。
PL : おっけー。
 で、あとは防具か。これもGL0から選ぶんだよな?
GM : 当然そうなるね。
PL : 無難に「ローブ」にしておこう。
 早くレベル上げてぇな。
GM : ローブとマナヴェールで、防御値への修正が+4だ。
PL : これで防御値9だ!
GM : スキルとアイテムについては、これで埋まったね。
PL : エネミー識別と鑑定の欄が空いてる、これはいいのか?
GM : ああ、それね。特殊な判定値だから、また使うときに説明しよう。今は両方とも、知力の数値を入れておくと良いよ。
PL : ん、これで一応埋まった!

――ライフパス――
GM : 楽しい楽しいライフパスのお時間です。
 「出自」「秘密」「未来」この三つを、表から選ぶか、ダイスを振るかして決めて貰おうか。
PL : 出自は選ぼうかな。
 この「呪われた子」にする!
 魔法の力がありすぎて、上手く制御出来ないんだ。力を暴走させてしまう。そのせいで居場所もなく、孤児として生きてきた。
 引き取ってくれた施設でも、ボヤ騒ぎや火災事故を起こしては、場所を移る事を繰り返してる。
 …こんな力があるばっかりに俺は。
GM : 手に負えない力のせいで、孤独を抱えているんだね。
PL : 後の二つはサイコロを振ってみようか。

秘密表 (D66) > 42 「不死身の呪い」

GM : 比喩とかじゃ無く、本当に呪われた子だったみたい。
 難しかったら振り直しても良いよ? どうする?
PL : うーん、……いや、このまま行こう!
 赤ん坊の頃に呪いを受けて、まだ不死の自覚が無いんだ。本当にこの呪いの意味を理解するのは、まだ先だろうな。

未来表 (D66) > 56 「慈愛」

PL : …………なるほど。
 不死の命を抱えて、慈愛の境地にたどり着くにはどれだけかかるのか。
GM : 君の旅は長そうだね。
PL : 師匠よりもずっと、ずーっと長いだろうな。そう思うと、必ずお別れが来るのか。……寂しい! 死ぬな師匠!
GM : 多分無理だね。
 ということで、私も秘密を振ってみよう。
 (シークレットダイス)
 ――…おっと。なるほど、そうきたか。
PL : なんだった? 師匠の秘密、なんだった? 教えて教えて!
GM : ふふ、ちょっと言えない。
PL : えー。
 じゃあそのうち明らかになるのを楽しみにしてるよ。

――名前と年齢――
GM : では最後に、名前と年齢を決めて、PCはできあがりだね。
PL : 本当は西洋風の名前が良いんだろうけど、考えてるキャラクターに合わないんだよな。…っていうことで少しイーストアジアンチックにしようと思う。
 俺の名前はイェンランだ。漢字にするなら、炎の嵐と書いてイェンラン。年齢は10歳。
 師匠の名前は?
GM : せっかくだ、それは物語の中で明かすとしよう。
 それじゃあ、イェンラン。早速始めようか、私たちの”かけがえのない日々”を。

名前:イェンラン 年齢:10歳 GL:0
種族:人間 属性:
スタイル:エンチャンター
HP:30 MP:15 WP:8
 体力:5 知力:3 神秘:2
 俊敏:4 情熱:3 優愛:4
スキル
 マナインフロー 魔術師の基本スキル
 種族スキル:人間 WP+1
 インパクトブレイク ダメージ+10

序章 「100年後の君へ」

<シナリオトレーラー>
 魔王軍に勝利して約十年。
 孤児の君が身を寄せる施設に、旅の魔術師がやって来た。
 院長は孤児院の問題児を”片付け”ようと、魔術師に君を連れて行くよう持ちかけたが、すげなく断られてしまう。
 魔物達が孤児院を襲ったのは、その夜のことだった――。

──スタートレグ──

 その日、イェンランはそわそわしていた。
 孤児院に魔術師がやってきたのだ!
 イェンランは魔術師という者たちに憧れていた。きっと彼が抱える疑問の全てに答えてくれるはずだと思ったからだ。
 彼はどこか浮ついた足取りで、施設の中を歩き回った。ウワサの魔術師に会いたかった。
 どんな人だろう。かっこいいだろうか。美しいだろうか。……恐いだろうか?

「先生、村の防護壁の話とは別に、折り入ってお願いがあるのですが…」

 院長室の前を通りかかったとき、不意にそんな声を聞いた。
 院長先生が誰かと話している。うっすら扉が開いて、中から人の気配がした。
 音を立てないようにそっと覗き込むと、人の良さそうな院長先生と、もう一人誰かが話しているのが見えた。

「私に出来ることならばお応えしましょう」

 黒髪に、物々しい眼帯。重たい外套を纏った男だった。

第一印象表 (D66) > 16 「優しい」

 魔術師特有の、浮世離れした感じはあるものの、どこか和やかで優しげな雰囲気だ。

「ウチの問題児を引き取ってはくれませんか」

 イェンランは耳を疑った。
 今まで、院長先生が子供をそんな風に言うのを聞いたことがない。
 誰の話をしているんだろう。

「人一倍優しく、魔法の素養もあるのですが、如何せん乱暴で感情任せなところがありましてな」
「ほう……」

 心底厄介で困っている、という様子の院長先生。魔術師は相槌を返した。

「……魔法の才に関しても、非常に不安定なのです。彼はこれまでも様々な施設や集団を転々としてきた様ですが、どこも小火や火災事故が起きていて。まだ子供ですからショックを受けないよう、本人には魔獣の仕業だと言って聞かせています」

 胸の奥から、ざわざわと波が立つ。
 俺の事だ。
 院長先生が言う、厄介な子供というのは、イェンランの事だった。
(やっぱり俺は呪われてるんだ……)
 イェンランはショックだった。けれど同時に、少しの期待があった。
 あの魔術師が、自分を弟子にしてくれたなら、きっと全ては報われるんじゃないか。そんな期待が。

「お話は分かりました。手を貸したい気持ちは山々ですが、残念ながら私は弟子を取る気はありません」

 ぐしゃ。
 どこかで卵が落ちた。

「先生、そこをなんとか──」
「だいたい、貴方は疫病神を他所に押し付けたいだけでしょう。そんなもの、私だって要らない」

 イェンランは、静かに後ずさりした。廊下の向かいの壁に背中がついて、そこから動けなくなる。
 またひとつ居場所を失った。

「……わ、分かりました。残念ですが、この話は無かったことに」

 他に無ければ、私は失礼します。
 と、声が聞こえて、扉に向かって足音が続く。
 はっ、と我に返ったが、もう遅かった。
 扉を開けた魔術師と、その後ろに続く院長先生と鉢合わせになった。

「……君は?」
「っ……!」
「そうか、君が…──」

 居た堪れなくなったイェンランは、慌ててその場から駆け出した。とにかく独りになりたかった。
 魔術師は、少年の後ろ姿を見つめて呟いた。
「……なるぼど、彼が。運命とは、なんと数奇なものだろうか」

 その夜、森からやって来た魔獣たちが、孤児院を襲った。
 穏やかな夜の風と幼い寝息が、悲鳴と絶望に取って代わるのに、時間はかからなかった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

テオ : ここまでがスタートレグ。
 イメージは伝わったかな?
イェンラン : なんか意味深なんだよな。
 そして、さらっと孤児院が酷いことになってる。……きっとここから師匠がさっそうと登場して、皆を助けてくれるんだよな?
テオ : 違うよ?
イェンラン : え?
テオ : 当たり前でしょ。私はあくまでGMであって、このゲームを動かすのはPCであるイェンランだからね。
 では、早速メインレグにいこうか。

――メインレグ1――

 イェンランは、動ける子供達と連れだって、助けを呼びに駆け出した。
 しかし、その目の前に醜悪な魔物が立ち塞がる。

テオ : せっかくだから、ここでエネミー識別について触れておこうかな。
 本来は戦闘開始直後に使用する判定だってこと、一応留意しておいてね。
イェンラン : キャラ制作の時、知力を記入したところだな。
テオ : 2dを振って、知力を足してごらん。今回は、そうだな…10で成功としよう。
イェンラン : おい、今、どのエネミーにするか決めたろ。

 2d6+3 知力 > 4[3,1]+3 > 7 失敗

イェンラン : あー、無理だった!
テオ : つまり君はこの魔物を知らなかった。
 お勉強不足は今後補うとして、君は何もしないまま、魔物に食い殺されるほど柔じゃ無い。
 なにせ、君は魔法が使える。まだまだ不安定であることは否めないが、その素養だけは本物だ。
イェンラン : はっ…!
 そうだ! 俺は魔法が使える!
 松明の炎を操って魔物を倒すことはできるか?
テオ : ではそうだね…相手が動くより早くその判断が出来たかどうか、俊敏で判定して貰おう。
 さっきと同じように2dを振って、足すんだよ。
 成功値は8としようか。

 2d6+4 俊敏 > 4[3,1]+4 > 8 成功

 醜い魔物が、片手に持った棍棒を振り上げるその刹那、イェンランは、掲げた松明に手の平をかざした。
 強いイメージを描いて念じれば、見る間に炎は火柱と化し、魔物の肌を焼いた。そのまま魔物は炎に飲まれ、周囲の仲間もろとも、黒く炭化していく。
「やった!」
 イェンランは表情を明るくした。
 そうだ。自分は厄介者ではあるが、役立たずではない。一緒に居る子供達だけでも、自分一人で守り切ることが出来るかも知れない。

 ――しかしそれはぬか喜びであった。

 炎の勢いが収まらない。
 瞬く間に周囲に燃え移り、囂々と音を立てて全てを飲み込んでいく。
 紅い紅い蛇は、シュルシュルと舌を這わせて地を焼き、建物の壁を這い回る。一緒に居た子供の何人かが悲鳴を上げ、大蛇に飲み込まれていく。
 炎の大蛇はゆっくりと首をもたげ、孤児院の建物をぐるりと囲んだ。
「ま、まって…っ! こんなつもりじゃ……っ!」
 彼自身も四方を炎に囲まれて、産毛が焦げ肌がヒリヒリと痛むのを感じた。
 視界が紅く塗りつぶされる瞬間、イェンランの頭の中に走馬灯が駆け巡った。
 そう、彼の記憶には、いつもいつも、この赤がつきまとった。
 美しく力強い炎。あつく恐ろしい炎。なぜこんなにも自分を苦しめるのか。なぜ――。
 ……そこでイェンランの意識は途切れた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

イェンラン : し、死んでるぅー…!
テオ : 不死身の呪いなんだからやはり一度は死んで貰わないと。
 出来れば、一話一回死んで欲しいぐらいだよ。
イェンラン : ひどいなぁ!
 しかし、だいぶ悲し末路だな。俺が力を使えば、全てを燃やし尽くしてしまう。そういう運命なのさ……。
テオ : では、メインレグ最後のシーンに移ろうか。

――メインレグ2――

 孤児院は全焼し、職員も子供達も、魔物もすべてが焼け死んだ。小さな子供などは、骨さえ残らなかった。
 生き残ったのは、たった一人の少年だけ。発見された当初、彼は五体満足、無傷だったという。

 翌日、骨組みだけが残った建物に、寂寞と風だけが吹き抜けていた。
 少年は、その様をただじっと眺めている。
 今までも、この喪失感は何度も経験してきた。
 自分のせいで全てが失われたのに、自分だけが生きている。
 おかしいと思ったことは、それこそ何度もあった。しかし、生きてここに、この場所に、この脚で立っていることだけが、真実だ。

「よく焼けている。すさまじい火力だ」
 少年の隣に、昨日孤児院に来ていた、旅の魔術師が歩み寄った。
「……ちがう。ちがう、俺は、…こんなことがしたかったわけじゃ」
「そうか。なら君は、一体どうしたかったのかな? 何が君の望んだ物語だったんだい?」
「ただ、みんなを守らなきゃって。………俺は役立たずじゃないから、ここに居ても良いって思いたくてっ…」
 慣れたと思っていた。堪えたと思っていた。
 しかし、言葉と一緒に瞼から止めどなく雫が溢れてくる。
 拭っても拭っても、溢れる涙が止まらない。
「俺は……っ」
 言葉を続けられず、腹いせに隣に立つ魔術師の外套を力任せに掴んだ。
「――っ…お前、魔術師なんだろ! 俺を弟子にしてくれよ! 魔術を教えてくれ! もうこんなのたくさんだ! 俺はもう、…っ誰一人だって傷つけたくない!!」
 魔術師はその言葉には応えなかった。代わりに、
「もともと私は、今日この村を発つ前に、もう一度孤児院に立ち寄る予定だった。そしてあの院長にこう伝えるつもりだったんだ。『気が変わった』とね」
「……?」
 言葉の意味が分からず、イェンランはただその顔を見上げた。
 艷めく黒髪に、物々しい眼帯。たゆたうような優しさと、底知れない厳しさを感じる、名も知らぬ魔術師。
「君、名前は?」
「い……イェンラン」
「異国風の響きだね?」
「……何年か前、異人ばっかりのキャラバンにいたんだ。その時、みんなにそう呼ばれてた。…ちょっと変わった風で、好きだったから、名乗るようにしてる」
 そしてその行商たちも――。
「あ、…アンタの、名前は?」

「テオハルト。親しい者は、ただテオと。――では行こうか」

 行こうか。
 ただその一言で、イェンランは理解した。自分は彼の弟子になったのだと。
 それ以上の繋がりはなかった。――否、要らなかった。歩き始めたテオハルトの背中に、置いて行かれないよう脚を動かす。
 イェンランはいつも何も持っていない。
 暮らしが変わると言うことは、過去を炎にくべたということ。
 そしてまた、彼の生き方が変わった。もはやこれ以降、何一つ焼べないと誓って。

「テオ、…師匠」
「遅いと置いていくよ」
「待ってくれよ!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

テオ : こんな感じでメインレグを締めようか。
イェンラン : ……思ったよりエモいね。
テオ : たしかに。
 始める前は、こんなに短くて気持ちが上手く乗るかな、って心配だったんだけど。
イェンラン : うん。思ったより全然普通にエモい。
テオ : それじゃあ、気持ちが温まってきたところで、クローズドレグに進もうか。

──クローズドレグ──

「君にいくつか渡しておくものがある」
 まずはこれ、と魔術師──テオが、イェンランの首に何かを付けた。
「首輪?」
「せめてチョーカーと呼びなさい」
 二人は、通りがかった幌馬車に乗せてもらい、村から出立したところだった。
「君の力を抑えておくものだ。事ある毎に火事騒ぎを起こされても困るのでね」
「…ただの首輪だろ。こんなんでいいのかよ」
「雹龍の髭を織り込んだ特別製で、なかなか手に入らない」
 たしかに、独特な手触りではあるし、市場でたたき売りされている装飾品とは違うのかもしれない。鑑定士に見せれば良い値がつきそうだ。
 次にこれだ、とテオが差し出したのは、布の袋に包まれた長物。イェンランよりも頭ふたつ以上長い。
「これは……」
 袋を剥ぐと、革製のカバーが着いた穂先が現れた。
「君は徒手空拳より、そういう物の方が扱いやすいんじゃないかと思ってね」
 中身はどうやら長槍のようだった。
「すげー! もしかして、これも特別製なのか?」
 火竜の牙を研いだ物が穂先に使われている、だとか。イェンランはそういう言葉を期待したが、テオの口からは、
「いや。ただの普通の長槍だ」
「え゛ー……」
「人には相応の獲物というものがある。君は既に強すぎる力を持っているのだから、さらに強い武器よりも、形をイメージしやすい道具の方が必要だ」
「ふーん」
 気のない返事をして、長物を自分の隣に立てかける。

 強い力。
 イェンランは、孤児院の建物を飲み込んだあの炎を思い出していた。
 あの時自分はたしかに……。

「なぁ師匠、俺ってちゃんと生きてるのかな?」
 テオは、質問の意図を掴み兼ねるように、しばらくイェンランをじっと見つめた。そうしてから彼は、懐からチャーチワーデンを取り出し、吸口を加えて葉に火をつけた。
 煙草の煙を、ふぅー、とイェンランに吹きかける。
「けほっけほっ…おい! やめろ! なにするんだ!」
 数種類のハーブが混ざった独特な香りが、目と喉の粘膜をヒリヒリさせた。
 慌てて手を振って、煙を散らす。

「生きているじゃないか」

 咳込めば息が苦しくなり、体温が上がる。
 煙が目にしみて涙が出る。
 たしかにイェンランは生きている。
 どんな酷い火災現場からも生還出来るのは、脅威の生命力か、悪運か、果たして……。

「師匠。俺、強くなりたい。この力を正しく使いたい。……そうしたら、いつかきっと俺自身の正体だって」
「イェンラン。弟子をとると決めた以上、私も手を抜くつもりはない。いいね?」
「おす、師匠!」

――――――――――――――――――――――――――

テオ : これで、クローズドレグも締めようと思う。
 同時に、シナリオも終了だ。
イェンラン : 決意も新たに、二人の旅が始まった!
 と、いったとこね。
 1セッションが短くて、もうちょっとやりたい、と思う絶妙なラインだ。
テオ : うん、私もこのシステムが気に入ったよ。
 では最後にインタープレイの処理をして、次のシナリオに移ろうか。
イェンラン : もう次のシナリオがあるのか?!
テオ : 一応ネタとしては、6話分ほど。
 このシステムのキャンペーンは、6話一区切り、ぐらいがちょうどいいみたい。
イェンラン : お、おぉ。
 そんなの、まだまだ楽しめちゃうな!
テオ : その前にインタープレイだ。
イェンラン : おー!

――インタープレイ――

テオ : メモリーシートに、日付とシナリオタイトルを記入する。加えて、シナリオに相応しいプライズ――無形有形にかかわらず、このシナリオで得た物を書き込んで貰う。
イェンラン : プライズは表があるから、振ってみようかな。

d66 プライズ表 > 65 使い古した手袋

イェンラン : ……うーん、どうしようかな。
テオ : 焦げ跡の残る端切れ、というのはどうだろう。
イェンラン : いいな、それ!それにしよう!
 自身への戒めとして。俺は二度とこの日を忘れないだろう。
テオ : 続いて、グレードが1UP。
 君の武器枠に、晴れてロングスピアと記入できる。
イェンラン : やったー!
テオ : そして基本能力値の中から、3つ選び一点ずつ上昇させていい。能力値や戦闘値に影響が出る場合は計算し直すこと。
イェンラン : まずは、体力と俊敏に+1。あとは知力に振ろうかな。
 割った後の数値は変わらずだから、能力値に影響は無いか。
テオ : 実はグレードアップによる恩恵はまだあります。
 最大HPとMPが上昇。スタイル修正表にある上昇値分だけ上げてね。
イェンラン : 一気にこんなに上昇して良いのか? HPは37、MPは19だ。
テオ : ファーストシナリオだからね。これは初回ボーナスみたいな物だよ。
 そしてなんと、今回は1000点の経験値ももらえちゃう。
イェンラン : 1000点の経験値で出来ることは、スキル一つ取得!
 迷わず、クイックムーブメントをもらうぞ。これで戦闘で先手を取れる。
テオ : よしよし、着々と戦闘準備をしているね。
 ということで、インタープレイは以上になるかな。
イェンラン : 了解!
 次回から本格的に修行が始まるんだな。わくわくするぜ!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

GL0→1
 アイテム:ロングスピア入手!
 HP:30→37 MP:14→19
 基本能力値:体力12→13 俊敏9→10 知力7→8
 ※割った数は変わらなかったので、魔術値、戦闘値に影響せず※
スキル
 マナインフロー 魔術師の基本スキル
 種族スキル:人間 WP+1
 インパクトブレイク ダメージ+10
 クイックムーブメント 俊敏対決で先手を取る ←NEW!

エンドクレジット
イェンラン……おさむメーカー
テオハルト……ヤンデレ男子_mero

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