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【フタリソウサ】天野廿三の事件簿 エピソード1-2【プレイログ】

・はじめに・
 これは『フタリソウサ』のプレイログを整理したもの、の#2です。#1はこちら
 GM/PL両者私一人なので、多少のぎこちなさはご容赦ください。なお、ここから本格的に、公式ルールブックに掲載されているシナリオ『山の死体』のネタバレを含みます。PLとしてネタバレ無しで楽しみたい方は閲覧をお控えください。
 また、同性同士のキャラクターがかなり近い距離で接触する描写が多々あります。苦手な方は自衛していただけるとありがたいです。

・画像について・
 キャラクターアイコンについては、ぴくるーのメーカーで製作したものを使用しています。
 マップ画像は、フリーで配布されているものを使用しました。
 あわせて記事の最後に、クレジットを記載しております。

・プレイヤーキャラクター・

探偵:天野廿三
年齢:25歳 性別:男
探偵クラス:マニア
背景:暴走する知識欲
ファッション特徴:手入れしていない髪 
好きなもの:本
嫌いなもの:人間
職業:在宅プログラマー
感情:
 気に入っているところ・なし
 気に入らないところ・『信頼したい』
技能:
 洞察>《嘘》《外見》
 鑑識>《情報》《科学》
 人間>《ビジネス》
 肉体>《追跡》

助手:牟田立夏
年齢:25歳 性別:男
助手クラス:情熱の人
背景:放っておけない
ファッション特徴:ノンフレーム眼鏡
好きなもの:天野廿三
嫌いなもの:天野廿三
職業:無職
感情:
 気に入っているところ・『やっぱりいじめたい』
 気に入らないところ・なし
技能:
 洞察>《現場》
 鑑識>
 人間>《社交》《説得》《流行》
 肉体>《根性》

・前回のあらすじ・
 ぴんぽんぱんぽーん…!
 死体が発見されました!一定の捜査時間のあt……――――

▶続・事件発生フェイズ
GM/フェイズ管理 : 知ってたカード1獲得 捜査困難レベルは1
 この時点で「秘めたる想い」「調査の障害」を決定してください。

牟田 : 「秘めたる想い」か。そうだな……。じゃあ、はい。決めた。
天野 : じゃあボクは障害表を振ろう。
 OBT 調査の障害表(45) > 犯人による妨害
 んん…?今はまだわからないなァ……。

▷フェイズ再開

 神谷樹里を介抱しつつ、その場を離れる僕とすれ違い、天野は臆すること無く遺体に近づいた。
 あとで何か分かったか聞こう。今は神谷さんを落ち着かせるのが先だ。
 いったんキャンプ地に戻って、加山さんと合流することに。

「加山くん、死体が……あれは柊…?!間違いない、柊が!ゆうしょうが……!!」
「どうした、一体何があったんだ?!」

 経緯を説明しつつ、警察と救急に連絡させる。神谷さんは多少取り乱していたが、電話越しに警官などと話す内にだんだんと平静を取り戻してきた。加山さんと二人で、山でパニックを起こすのは危険だ、トラブルが起きた時こそ落ち着かないと、と気を強く持とうとしている。
「……二人はあのご遺体と面識が?」
「はい。多分あれは……ううん、絶対に、あれは柊裕翔でした」
「柊は、俺たちと同じく『凛々』に所属してて。…特に俺とは親しくしてくれていたと思う。本当なら今日も一緒に来るはずだったんですが。予定があるとかで、一人で別行動を……――」
「なるほど……」

 軽く被害者の人となりを聞いてから、天野の元に駆け戻る。
 天野は、地面に膝をついて遺体の様子を観察していた。
「何か分かったことは?」
「物取りじゃないな。財布もスマホも取られてない。被害者の名前は『柊裕翔』」
 天野のスマホ画面には、被害者の免許証を写したと思われる写真が表示されていた。
「サークルの一員で、加山さんとは特に懇意にしていたらしい。今日は二人とは別行動だったそうだ。……今更だが、そんなにベタベタ触って良いのか?」
「手袋はしてるし、発見者になった以上、指紋とゲソ痕はとられる」
 たしかにトレッキング用の手袋はしているけれども。
 突如現れた遺体に驚くでもなく、落ち着いて現場検証を始めている。こいつは、繊細かと想えば、妙に場慣れしていて、どこか気味が悪い。
 天野は、僕の隣まで下がってきて遺体を遠巻きに観察しながら、
「牟田さんの所見が聞きたい」
「そうだなぁ……」
 二人並んで、腕を組みながら遺体をつぶさに観察する。

GM/フェイズ管理 : <初動捜査>
 判定技能:《現場》 探偵:有利 助手:――

牟田 : 《現場》の技能を持っているから、有利とれるな。ダイスは3つ。
天野 : ボクは技能無いけど、探偵だから3つ振れる。

天野 : 有利 3DT(7,8,10) > 成功
牟田 : 有利 3AS(3,5,6) > スペシャル(余裕2点と、探偵から助手への感情を獲得)

[ 牟田 ] 余裕 : 3 → 5

GM/フェイズ管理 : 取得キーワード①「争った形跡」

牟田 : なるほど?
天野 : ここで【アクション:膨大なデータベース】を使用する。
 余裕コストを2消費して、もう一つ重要でないキーワードを開けることができる。

[ 牟田 ] 余裕 : 5 → 3

GM/フェイズ管理 : キーワード②「東山武」

天野 : ふむ……。
牟田 : なんかずるいな。

▷フェイズ再開

「――あぁ、なるほど。衣服の乱れはなく、足下の土も抉れていないところから、争った形跡はない。おそらく犯人とは知り合いだった可能性がある。あるいは誰かと待ち合わせをしていたか…。なんにせよ、突然知らない人間に襲われたワケじゃなさそうだ」
「多分それで間違いないよ。胸ポケットの手帳に、昨日の日付で『東山』って名前が書いてあった。……東山武。登山サークルのメンバーで、今日はいなかったけど、一応名簿には名前がある」
 天野は、またスマホの画面を見せてくる。
 今度は手帳の一部を写した写真だ。
「性格悪いな。知ってて言わせたのか」
「セカンドオピニオンは大事だ。……死亡推定時刻は昨日の、……正午から…んんー…ゆう、がた?」
 呟きながら、天野は目を伏せた。
「歯切れが悪いな。何か気になることでもあるのか?」
「……な、なんでも、ない」
「それはなんでもある言い方だ」
「……ごめん。まだ上手く説明できない」
「なら焦らなくて良い。……現時点では、東山武が暫定容疑者、てことになるのか。――とにかく、ここで分かることは限りがある。じきに警察も来るから、お前もいったんキャンプ場に戻れ」
「……」
 天野は、後ろ髪を引かれるように遺体を振り返りながら、ゆっくりとその場を後にした。

 戻ると、登山サークルの二人がキャンプ場の管理人とともに僕たちを待っていた。
「何か分かりましたか?」
「樹里、そう急かすなよ。警察もまだ到着してないんだから」
 僕は、遺体の横で天野と確認したことを二人に説明する。
 遺体の身元は柊裕翔で間違いないこと。彼は昨日、サークルメンバーの東山武と会う約束をしていたこと。犯人断定は尚早だが、おそらく東山は何か知っているだろうこと。
「やっぱり東山だったか……。あいつ、最近様子がおかしくて――」
「そう、だった…?でも、たしかに柊くんと何か話していたみたいだったな。私も、三年前のことについて少し聞かれたのを覚えてるよ」
「三年前、というのは?」
「あぁ、それは……」
「少し、話しづらいんだけど…関係あるかもしれないから、言っておきますね。――私たちは三年前にもメンバーを一人、山で亡くしてるんです」

▶事件発生フェイズ 終了

天野 : さっきのスペシャル分の感情、決めないとな。
 それじゃあ【気にかけてくれるところ】にしよう。気に入らない方に置いて。……なにかあるとすぐに「どうした」「気になることがあるのか」って聞いてくれるから。嬉しいんだけど、なんか、ちょっと…勘ぐってしまう。本当に、100%の善意なんだろうか……。
牟田 : 仕方ないだろ、僕はお前の現状に思うところがあるんだから。様子がおかしかったら気にするに決まってる。
 ……まぁ、信用されないのこそ仕方ないか。僕はお前にそれだけのことをしたから。
 じゃあなんで隣にいることは許してくれたんだ?
天野 : へへっ。……ひみつ。
牟田 : 最初はこっちが主導権を握っていたのに。助手心をもてあそばれている気がする。
天野 : しかし、アクションを使って、キーワードを二つ開けてしまったから、あとは重要なキーワードしか残ってないんだよね。
牟田 : それじゃあ、本当に現時点で分かることはあれで全部だったのか。ウチの探偵は優秀だ。
天野 : 今だけだよ。
 だから次は早速【フタリソウサ】を使うことになるね。それとも、一回は普通のシーンを挟んだ方が良いのかな?
 君、何かやりたいことはある?
牟田 : どうせだから、異常な癖でなにか振り回されてみたいとは、思うけど。
天野 : じゃあ、癖をRPするためだけのシーンを挟もうか。

▶捜査フェイズ サイクル1 シーンプレイヤー探偵

牟田 : シーンとしては、前回から地続きで三年前の出来事について詳しく話を聞いている、というのでどうだ。
天野 : いいね。じゃあ癖を決めます。

天野 : (1D6) > 3 爪を噛む。噛みすぎて血が出る。

▷シーン開始

「神谷さん、三年前の出来事について、もう少し詳しくお願いできますか?」
「当時の出来事について、樹里はあまり知らないと思います。当事者ではないので。……むしろ、俺がお話しするべきなんですが」
「加山くん…」
「三年前、俺は桐谷省吾という男と、二人で本格的な登山に挑戦したんです。もちろん、アマチュアの登頂記録もある山で、しっかりとした装備があれば十分帰ってこれるはずの山でした……」

 加山林蔵は、時折言葉を詰まらせながらも、当時の話を聞かせてくれた。
 天候にも恵まれ、頂上付近まで難なく上ることができた二人だったが、そこで山の洗礼を受けることになる。
 急に天気が崩れ、予期せぬ嵐に見舞われたらしい。
 ひどい風雨で視界が悪い中、二人は近くの山小屋を目指した。
 加山が先に山小屋にたどり着いた。途中ではぐれたにしても、同じ場所を目指している以上、そのうち追いつくはず、と桐谷省吾の到着を待ったが、結局それきり、彼の姿を見ることは無かった。
 後日、救助隊と共に周囲を捜索したが、それでも桐谷は見つからず、今もって行方不明だという。

「…きっともう亡くなってるんだ、って。口にはださないけど、みんなそう思ってるんです」
 ……――と、二人の話が一段落したところで、がりがり、と妙にくぐもった音がした気がして、なんとはなしに天野を見る。
 片手は頭をかきむしり、片手は口元へ。がりがり、と親指の爪を囓り削って、指先が赤くなっている。
「……天野、お前また――」
「あっ、は、話は聞いてた…よ……」
「そうじゃないだろ、馬鹿だなぁ…。ちょっとこっちにこい」

 キャンプ場のオーナーに断って、事務所の水道を借りる。
 血で赤くなった指先を洗ってやりながら、顔を掴んで口の中も確認する。案の定、腔内も唇や頬の裏がボロボロに噛み毟られている。
 ストレスによる自傷行為。
 最初は、僕が側にいるからか、とも考えたが、どうやら違うらしい。無意識にやっていたことが慢性化して、完全に癖になってしまった。本人も意識していないから、分かっていてもやめられない。

「えへっへへ、へ…………ごっ、ごめ」
 今にも泣きそうな顔で、へへへ笑いと謝意を吐き出す口に、ミントガムを突っ込んで黙らせる。
「笑い事じゃないし、お前は謝らなくて良い」
 指のほうは絆創膏を貼り付けて、登山用の手袋を履かせ直した。不用意に外れないよう、調節用の紐を少しきつめに引っ張っておく。
「……どうして、なんだろう…」
「はぁ、なにが?」
「ど、……どうして、牟田さんは――今更ボクなんかを、気にするんだろう…………本意がわからなくて…少し、こっ、こわい、よ。今度は、ボクを…どうしたいの?」
 天野の言葉を聞いて、心の底からがっかりした。
 天野廿三に信頼されない自分に、失望しそうになる。当たり前なのに。
「……僕、最初に言ったじゃん。いろいろ悪かったと思ってるから、身の回りのこと少しでも手伝わせてほしい、って。――それで罪滅ぼしになるとか、許されるなんて思ってないけど。少なくともその前提は、少しぐらい信じてほしいな」
「わかんない……わかんない、けど…信じられるように、ど、努力は、してみようと思う……」

「それで、どうしたんだ?」
「えっ」
「あの遺体が何か気になるんだろう。もう少し調べたいことがあるのか?」
「――…な、何か、見落としがある、ような気がして。なんか、さ。不自然じゃなかった……?」
 上手く言えないんだけど、と天野は自身をかき抱くように両腕を抱えた。
「もうじき警察が到着するから、現場は封鎖されるだろう」
「まぁ、うん……――」
「でも仕方ないから付き合ってやる」
 あいつの腕を引いて、事件現場へ歩き始める。
 天野は、心底意外で意味が分からない、というような顔でされるがままに付いてきた。

▶シーン終了
GM/フェイズ管理 : 助手は探偵に対して感情を1つ獲得する。

牟田 : そうだな。【もどかしいところ】を”気に入らない”に入れようかな。
 仕方ないとは言え、なかなか信頼を得られなくてもどかしい。
 同時に、何故側に置いておくのか、って疑問も深まって謎でしかない。
天野 : ふふ、なんでだろうね。
牟田 : ちゃんと理由は考えてるんだよな?
天野 : まぁね。
 そんなところで、アクション【フタリソウサ】を使用して、次のシーンで重要なキーワードを取りに行こう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・go to next

・エンドクレジット・
マップ……おばけの神秘堂
キャラクターアイコン……海ひつじ屋めーかー
NPCアイコン……ユーザーアイコンさんメーカー

・おわりに・
本作は、「平野累次」「冒険支援株式会社」及び「株式会社新紀元社」が権利を有する『バディサスペンスTRPG フタリソウサ』の二次創作物です。
(C)平野累次/冒険企画局

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