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【光砕のリヴァルチャー】一条ハルカは喋らない【小説風プレイログ】下

・はじめに・
 これは一人で【光砕のリヴァルチャー】をプレイし小説風ログにしたもの下編です。
 初めての方は、二人の出会いをフィアンセの視点から描いた前章「若輩は猫である」あるいは、デイズを描いた 【光砕のリヴァルチャー】一条ハルカはしゃべらない【小説風プレイログ】上 からどうぞ。
 明確なシナリオはありませんが、基本構成としては公式ルールブックに掲載されている「day in day out」をイメージして進行しました。
・画像について・
 ぴくるーのメーカーや、配布されている画像を使わせていただきました。
 記事の最後に、配布元やメーカー様のURLをまとめて掲載させていただきます。

・キャラクター・

シュヴァリエ:一条ハルカ
適性:純血 物語:王
リヴァルチャー:騎士王サー・アーサー
フレーム:シュライク
ウェポン:カザミヤ・白雪/アイラ417MOD1
クロニクル:【追加ブースター】【エース】
相手に何と呼ばれたい?:なんでもいい
相手をどう呼ぶ?:田沼
 極めて純度の高いシュヴァリエの家系に生まれる。長年フォートレスの運営と守護を担ってきた父親がミッションから戻らなかったことをきっかけに、その王冠は息子である彼に移った。
 幼少の頃から、あまたのプレッシャーにさらされてきたせいか、他人に対して心を閉ざしている。
 なまじ身体能力が高く一人で何でも出来てしまうのもコミュニケーションが苦手な理由の一つ。

フィアンセ:田沼ミコト
適性:フィアンセの血 物語:無限の信頼
《感情回路》
『信頼は一日にしてならず』
『君は猫である』
『重荷を半分に』
相手になんと呼ばれたい?:ミコト
相手をどう呼ぶ?:一条くん
母親と二人暮らしで、金銭的に苦しい生活をしている。
どこかからの隔世遺伝で、生まれつき背中にコネクタが存在する。
フィアンセになれば、助成金が出ると知って、国からの公募があるたび応募していた。
若干、空気が読めない。

――――――――――ミッション――――――――――

 ジアド粒子の雲に、激しい紫電が走る。
 空を割るように現れるのは、巨大な龍型のソラバミだ。
 全身にまとった稲妻が、その悲鳴にも似た咆哮が、大気を震わせ殺到する。

ターン1 リヴァルチャー


「目標ソラバミ、フライトレベル8。当機フライトレベルは5で安定。当機、シールド展開ずみ」
 エンジンがうねりを上げて、空気中のジアド粒子を取り込んでいく。

ジアドエネルギー獲得
 7tz6 [1]×0, [2]×1, [3]×1, [4]×1, [5]×2, [6]×2

メインドクトリン公開

A:【WARNING!!】
 リヴァルチャーに「目標値:5」の【アタック判定:13ダイス】

B:リヴァルチャーに「目標値:4」の【アタック判定:12ダイス】
 その後、リヴァルチャーを1セル降下させる。

C:リヴァルチャーに「目標値:3」の【アタック判定:9ダイス】
 1ヒット以上だった場合、リヴァルチャーを3セル降下させる。

ブーストムーヴで、フライトレベル5→10まで移動。
アビリティ【シュライクアサルト】使用 移動コスト0
出目6,6を消費してカザミヤ・白雪を使用。目標値6
【スカイダンサー】でアタック判定の間だけフライトレベル8へ降下する。

カザミヤ・白雪 4ATK<=6[>=1:+5] 1,3,4,6 > クリティカル 1 > ヒット数 5 > ダメージ 10
[ ソラバミ 龍型 ] 耐久 : 9 → 0 枚数 : 7 → 6

フライトレベル10へ戻る。
白雪の効果により、ジアドエネルギーを1個獲得
 1TZ6 [1]×0, [2]×0, [3]×1, [4]×0, [5]×0, [6]×0

 力強くエンジンをならして上昇、勢いもそのままにブレードでソラバミを切りつける。その一撃は、多重展開された相手のジアドフィールドを難なくたたき割った。
「目標ソラバミ、シールド破壊。2セル降下して、現在フライトレベル6」
 敵は押される形で降下。

出目2を消費してノーマルムーヴ。アビリティ【ブースターイグニッション】を使用して、フライトレベル10→6まで降下。
出目5,5を消費してカザミヤ・白雪を使用。目標値は5
カザミヤ白雪 4ATK<=5[>=1:+5] 1,2,3,4 > クリティカル 1 > ヒット数 5 > ダメージ 10
[ ソラバミ 龍型 ] 耐久 : 9 → 0 枚数 : 6 → 5

白雪の効果によりジアドエネルギーを一個獲得
 1TZ6 [1]×1, [2]×0, [3]×0, [4]×0, [5]×0, [6]×0

「目標、当機を回り込むように上昇、現在フライトレベル8」
「……」
 一条くんはなにも言わなかったが、お見通しだ、とばかりにリヴァルチャーを急発進させ、ソラバミを追い越したかと思うと、成層圏ギリギリの高度で相手の進路を妨害する。

 出目1,3を消費して、ブーストムーヴ。フライトレベル6→12

「当機現在地、フライトレベル12。メインドクトリンCの範囲内です。……走り出しは好調だね。バイタルにも問題なさそう」
「…ここまではな。研修やテストフライトと違うのはここからだ」

リヴァルチャー ターンエンド

ターン1 ソラバミ・龍型
メインドクトリンC
 リヴァルチャーに「目標値:3」の【アタック判定:9ダイス】
 1ヒット以上だった場合、リヴァルチャーを3セル降下させる

 大きく開いた顎が、リヴァルチャーに襲い掛かる。
 帯電したその一撃を喰らえば、機体のシステムにも異常が発生しかねない。
 一時的にジアド機関が停止し、飛行状態を維持できなくなってしまうだろう。

 9AT<=3 > 1,1,3,3,4,4,5,5,5 > クリティカル 2 > ヒット数 6

 初めて受けるソラバミの攻撃。こっちは装甲の薄いフレーム――シュライクだ。こんなの簡単にシールドが破られてしまう。
 正面からもろに食らいつかれて衝撃を覚悟したとき、頭の中がわっと騒がしくなった。私自身の不安や恐怖が吹き出す。

(おちる!やだ!やだやだっ…こわいっ!!『勝たなきゃ…!』『圧勝じゃないと意味がないんだ!』……)

 混乱した頭の中に別の声が混ざる。
 出撃前に観測室で聞いたことを思い出した。龍型は最もオーソドックスなソラバミで、戦闘データもたくさんとれているから、初心者のチュートリアルにはちょうど良い、だって。
「……むかつくっ!圧勝してやるよっ!!」
 私の口から出たとは思えない言葉に自分で驚く。上下逆さに座った一条くんも、一瞬はっとした顔をしていた。

《感情回路》「重荷を半分に」使用
ジアドスフィア集中展開 受けるダメージを半減 ダメージ3
[ 一条 ハルカ ] 耐久 : 5 → 2
[ 田沼 ミコト ] 《感情回路》 : 3 → 2

 悲鳴を上げるエンジンに無理を利かせる切り札――《感情回路》。
 ソラバミの口腔内で一時的にシールドを展開させ、むりやり口を開かせる。途端に支えを失った機体は落下を始める。
「ジアドエンジン再起動。…何セル堕ちた?」
 一瞬真っ暗になったクレイドル内部だったが、再起動と同時にちかちかとモニター類が生き返る。
「……えと、3セル。現在フライトレベル9。…今の攻撃による損傷、軽微。すぐに補填できる範囲だよ」
「ならいい」
 私の報告を聞いた一条くんは、すぐにリヴァルチャーを上昇させた。ソラバミに上をとらせない。それが決まりみたいに。

出目3を消費してノーマルムーブ。フライトレベル9→12へ戻る。

ソラバミ・龍型 ターンエンド

[ 一条 ハルカ ] 耐久 : 2 → 5

ターン2 リヴァルチャー
「現在、当機のフライトレベル12。ソラバミはフライトレベル8で旋回中」

ジアドエネルギー獲得
7tz6 [1]×1, [2]×0, [3]×1, [4]×0, [5]×1, [6]×4

 ジアドエネルギーを補充すると、リヴァルチャーはブレードを垂直に構えた。ソラバミへと急降下して、ぶつかる勢いでシールドを引き裂く。

出目1を消費して、ノーマルムーヴ。フライトレベル12→9まで移動
出目6,6を消費して、カザミヤ・白雪を使用。目標値6
アビリティ【スカイダンサー】を使用して、アタック判定の間のみフライトレベル8へ降下。
カザミヤ・白雪 4ATK<=6[>=1:+5] 1,1,5,6 > クリティカル 2 > ヒット数 6 > ダメージ 11
[ ソラバミ 龍型 ] 耐久 : 9 → 0 枚数 : 5 → 4
フライトレベル9へ戻る。
白雪の効果により、ジアドエネルギー獲得
 1TZ6 [1]×1, [2]×0, [3]×0, [4]×0, [5]×0, [6]×0

「ソラバミ、2セル上昇。目標、フライトレベル10」
 フライトレベル9から、急上昇。そして、間髪おかずに急降下。
 上空何百フィートの世界で、銀色の機体を翻して飛ぶリヴァルチャー。
「……これが、リヴァルチャーの空中戦…」
 思わずため息をつくが、その途端に機体が旋回して息を吸い損ねて、むせかえってしまった。

ブーストムーヴ フライトレベル9→12→10
アビリティ【シュライクアサルト】を使用して、移動コストを0にする。
出目6,6を消費してカザミヤ・白雪を使用。目標値6
カザミヤ・白雪 4ATK<=6[>=1:+5] 1,2,4,6 > クリティカル 1 > ヒット数 5 > ダメージ 10
[ ソラバミ 龍型 ] 耐久 : 9 → 0 枚数 : 4 → 3

白雪の効果で、1エネルギー獲得。
1TZ6 [1]×0, [2]×0, [3]×0, [4]×0, [5]×0, [6]×1

 シールドを割られたソラバミの体中を、電撃が走り淡く発光している。
「ソラバミ、フライトレベル12まで上昇。なにか強力な一撃のためにエネルギーをためてる。…たぶんジェノサイドドクトリンだと思う。気をつけた方が良い」
「……もう一枚割れる」
 一条くんは、モニターに映るエネルギー残量を確認してから、手動でリヴァルチャーの武器を切り替えた。
「え?そんなに焦らなくて良いんじゃない?ここは回避を優先した方が…」
「……」
 上下逆さまのまま、じっと睨まれる。
「…あの高度から撃たれれば避けようがない。あいつより上に飛ぶか、引きずり下ろすしかないだろ」
「そうかもしれないけど…」
 一条くんはそう言うけれど、私は肝が潰れるような気分だった。

出目6,5を消費して、アイラ417を使用。目標値6
アイラ417MOD1 2ATK<=6[>=1:+5] 4,6 > ヒット数 2 > ダメージ 7
クロニクル「エース」 アビリティ【不敗の猛禽】
今振ったダイスに対して二回使用する。どちらの出目も1にする。残り使用回数1。
ヒット数4+5 合計ダメージ9
[ ソラバミ 龍型 ] 耐久 : 9 → 0 枚数 : 3 → 2

「宣言通り、シールド破壊を確認!すごっ…ってちょちょちょちょ!!!ソラバミ、フライトレベル12から当機に追突!落とされるっ!!」

フライトレベル10→1
[ 一条 ハルカ ] 耐久 : 5 → 3

 クレイドル内部が、再度暗転する。
 ジアド粒子をまとい帯電したソラバミが、超高度から追突。こちらのジアドエンジンは異常を検知して一時停止。フライトレベル10から、灰色の地上まで、絶望のフリーフォール。
 あ、これ死んだわ。
 操縦席の明かりと一緒に、私の思考も暗転した。

「…っジアドエンジン再起動」
 
 切羽詰まった一条くんの声で我に返る。
 がくっ!と慣性の法則が働いて、クレイドルの中身がシェイクされる。激突から墜落で、座席から身体が放り出され、内壁へ頭をぶつける。眼鏡がはずれて、真っ逆さまに上へ落ちていく。
 もともと、ぼろぼろだった機体を急ピッチで乗れるようにしてもらったわけだし、これぐらいの不備は仕方ないのかも。
「ぐっ……」
 一条くんもどこかぶつけたのか、ふらふらと立ち上がる。
「あれ…?眼鏡……眼鏡どこ――」
 私が声を上げると、頭上から眼鏡が差し出された。一条くんが拾ってくれたんだろうが、ばきばきにひびが入っている。
「あ、ありが…」
 お礼を言いかけて、眼鏡のレンズに濃い赤色がにじんでいるのに気がついた。
 ぽた、っと膝の上に血が滴る。
 あわてて顔を上げると、額を切ったのか、一条くんは頭から血を流していた。
「一条くん、大丈夫?怪我してるよ」 
「…………問題ない」 
「問題ある!血が出てるじゃん!」
 制服のポケットからハンカチを出す。とにかくなにか、押さえていた方が良いはず。
「ただ少し切っただけだ。大騒ぎするほどのことじゃない。…目の前のことに集中しろよ」
 目に入る血を拭って、一緒に私の手も払いのける。
「目の前で怪我した友達、放っておけるわけないじゃん!いいから少し見せて、…――」
 なおも手を出そうとすると、
「っ…うるさいな!何も知らないくせに友達面するなよ!」
 あの赤い瞳に睨まれて、身体がすくんだ。
 普段静かな分その怒声は迫力があったし、頬を伝う血の筋は痛々しかった。それでも、その独りよがりで自分勝手な言い分に、私の中の何かがぷつんと切れた。
「……ふ、…ふっざけんなよ!わっかんないよ!!!わかるわけないじゃん!何も言ってくれないのは一条くんのほうでしょ!!ばかっ!」
「はぁ!?お前の方が馬鹿だろうが!だいだい、なれなれしいんだよ!!」
「ウザいならそう言えば良いじゃん!!どうせお家では、むっつり黙ってればみんなが察してなんでもやってくれるんでしょ!おぼっちゃんだもんね!」
「そんなわけないだろ!どういうイメージしてんだ!!そもそもお前は俺のなんなんだよ!」

「フィアンセだよっ!当たり前でしょっ!!」

 きっと二人とも混乱していたんだと思う。心の中に溜まった感情を叫び合って、気がついたらお互いに何も言えなくなって、肩で息をしていた。
 沈黙を破ったのは、ハンガーからの通信が入ったことを告げる、ぴこ、という音だった。
『もしもーし、こちらハンガーからクレイドルへ。白熱してるとこ申し訳ないが、少し警告だ』
 モニターからの声はドクのもので、割り込んで済まんね、と前置きをしてから、
『コンプリメントゲージが大幅に下がってきてる。――出動前は90近くあったゲージが現在は70を切りそうだ。前も言ったが、60を下回ったら強制的に撤退させるからな』
「…は?なんで?」
 食ってかかったのは一条くんだ。
『なんでって、お前さぁ』
 モニターごしに、くたびれたおじさんがため息をつく。
『…お前たちが二人とも成人済みの大人だったなら、当人の判断で好きにしろ、って言うところだが、高校も出てない子供が異常事態にまともな判断が出来るとは思えないだろ。特にお前だ、ハルカ。自分一人が全知全能だとでもおもってんのか?調子のってんじゃねぇぞ、クソガキ』
「……っ」
「へへっ」
『結果を出すことを焦って冷静さを欠いてる。俺たちのことは好きなだけ疑えば良いが、同じ高度で命張ってるフィアンセのことは信じてやれ。――……えー、おじさんの説教はこれでおしまいデス。オーバー』
 ぷつっと通信が切れて、また痛いほどの沈黙が戻ってきた。
「……目標ソラバミ、フライトレベル10にとどまって再度エネルギーを吸収してる。――この機体は、絶対致命傷を回避できるんでしょ?」
 深呼吸をしてから、一条くんの血だらけの額にハンカチをあてた。今度は抵抗されなかった。されてもするつもりだったけど。
「…いたい」
「うん、帰るまで押さえておいて。私も頭を打ってたんこぶができてる。眼鏡も割れちゃったし。……それで、これからどうするの?」
 少し考えるような間があってから、一条くんは口を開いた。
「まだなんとかなる。……しばらくの間、俺にお前の命預けてくれ」
「そんなの今更じゃん。私はフィアンセに選ばれてから、ずっとそのつもりだから。――一条くんこそ、私に命預けなよ」
「わかってる」
 右手を差し出すと、左手で自棄に叩くようなハイタッチが帰ってきた。

出目4、3を消費してブーストムーヴ。
クロニクル「追加ブースト」 アビリティ【ブーストイグニッション】を使用。移動距離+2 フライトレベル1→9まで上昇。
出目1を消費してノーマルムーヴ。フライトレベル9→12まで上昇。

 途端に、リヴァルチャーが急上昇を始める。
 ソラバミに追いついても止まることなく、そのままエンジンを吹かし続け、フライトレベル12まで駆け上がる。もうジアドエネルギーはほとんど空っぽだ。
 全くどうするつもりなんだろう。でもまぁいいか…。
(私のシュヴァリエがいける、って言ったら、いけるんだ!)

リヴァルチャー ターンエンド

[ 一条 ハルカ ] 耐久 : 3 → 5

ターン2 ソラバミ
メインドクトリンC
 「目標値:3」の【アタック判定:9ダイス】を行う。1ヒット以上だった場合、リヴァルチャーを3セル降下させる。

  大きく開いた顎が、リヴァルチャーに襲い掛かる。
  帯電したその一撃を喰らえば、機体のシステムにも異常が発生しかねない。
  一時的にジアド機関が停止し、飛行状態を維持できなくなってしまうだろう。


9AT<=3 1,3,3,3,4,5,5,5,6 > クリティカル 1 > ヒット数 5
[ 一条 ハルカ ] 耐久 : 5 → 0 枚数 : 4 → 3

 初めてリヴァルチャーのシールドが割れ、フライトレベル9まで落ちる。
 でももう落ちるのも怖くなかった。
「田沼!」
「わかってる!」

《感情回路》「信頼は一日にしてならず」使用
ジアドエネルギーを1個獲得する。
1TZ6 [1]×0, [2]×0, [3]×1, [4]×0, [5]×0, [6]×0
[ 田沼 ミコト ] 《感情回路》 : 2 → 1

シールド破壊によりエネルギー獲得
1TZ6 [1]×0, [2]×0, [3]×0, [4]×0, [5]×0, [6]×1
出目3を消費して、ノーマルムーブ。フライトレベル12へ上昇。

ジェノサイドドクトリン
フライトレベル1-6にいるリヴァルチャーに「目標値:5」の【アタック判定:15ダイス】
フライトレベル7-10にいるリヴァルチャーに「目標値:5」の【アタック判定:10ダイス】
 このアタック判定によってシールドを破壊した場合、さらに1枚、シールドを破壊する。

 ソラバミの全身が、水晶状の発電器官に覆われていく。
 尾から頭部まで、脈動しながら紫電が駆け巡り、その輝きは、あらゆるものを蒸発させる光と熱の奔流として解き放たれた。

 目の前でチカッと光が爆ぜた。
 その刹那、リヴァルチャーが身を翻らせ、ソラバミの頭上遙か高くまで上昇した。
「余波による衝撃、ほぼなし!ジェノサイドドクトリン、回避!やったぁ!!」
 嬉しくてまたハイタッチを求めたが、こんどは無視された。
(まぁ、それでもいいけどね…)
ソラバミ・龍型 ターンエンド

ターン3 リヴァルチャー
「当機現在フライトレベル12、ソラバミは10で旋回。……さぁ、どうしてやる?」
「まずは…カザミヤ・白雪で叩く!」

ジアドエネルギーの獲得
7tz6 [1]×2, [2]×0, [3]×2, [4]×1, [5]×2, [6]×0

ブーストムーヴ フライトレベル12→8→11
アビリティ【シュライクアサルト】で移動コスト0。
出目5,5を消費してカザミヤ・白雪を使用。目標値5
アビリティ【スカイダンサー】を使用。アタック判定の間だけ、フライトレベル10へ降下。

カザミヤ・白雪 4ATK<=5[>=1:+5] 1,1,2,5 > クリティカル 2 > ヒット数 6 > ダメージ 11
[ ソラバミ 龍型 ] 耐久 : 9 → 0 枚数 : 2 → 1

フライトレベル11へ戻る。
白雪の効果により、1エネルギー獲得。
1TZ6 [1]×0, [2]×0, [3]×0, [4]×0, [5]×1, [6]×0

 リヴァルチャーはフライトレベル8まで急降下したかと思うと、身を翻して今度はエンジンをうならせて急上昇。返す刀で次いでのようにソラバミのシールドを引き裂いた。
「ソラバミ、2セル降下し当機から距離をとりました。現在フライトレベル8」

出目1,1を消費してブーストムーヴ。フライトレベル11→6→8
出目6,5を消費して、カザミヤ・白雪を使用。目標値5
カザミヤ・白雪 4ATK<=5[>=1:+5] 2,2,5,6 > ヒット数 3 > ダメージ 8
[ ソラバミ 龍型 ] 耐久 : 9 → 1

 さすがに同じことがそう何度も通用せず、ソラバミもぎりぎりのところをいなしてくる。そのままするりと脇を抜けて上昇。
「「逃がすかっ!!」」
 一条くんの指示を待たずとも、今度は私がリヴァルチャーの武器を切り替える。

出目4,3を消費してアイラ417を使用。目標値4
アイラ417MOD1 2ATK<=4[>=1:+3] 4,6 > ヒット数 1 > ダメージ 4
[ ソラバミ 龍型 ] 耐久 : 1 → 0 枚数 : 1 → 0

 アイラ417の一撃が、シールドごと敵の後頭部を過たず穿ち、粉々に砕けたジアドシールドや、剥がれたうろこが藍色の空にきらきらと舞い散った。

ソラバミ撃破 戦闘終了

「……やったね!」
「ああ…」
 しばらく二人とも黙って、初勝利の余韻に浸っていた。
 ハンガーに帰還報告をしようとして、一瞬躊躇する。
「この機体って、名前とかあるの?シュライクはフレームの名称だよね」
「親父はこの機体を『騎士王サー・アーサー』と呼んでた」
「騎士王…それはすごいな。……でも私たちはさ、もう少しで取っ組み合いの喧嘩をしそうになって、危うく敗走するところだったんだし、その名前を名乗るのは少し気が引けるね」
「…だったら好きすればいい」
「うーん……どうしようかな…。――あ、じゃあこういうのは」

 私はにやっと笑って意気揚々と、勝利の凱旋を告げるため、ハンガーへの通信を開いた。
「こちら、クレイドルからハンガーへ。戦闘終了を報告。『黒猫キティステップ』ただいまよりハンガーへ帰還します!」
『はは。「黒猫」帰還了解』
「…」
「なに?へへ、けっこう悪くないでしょ?」
「………ポーかよ」

シーンカット

――――――――――ミッションオーバー――――――――――
「いやー、良い戦いぶりだったよ。はいみんなー、新たなエースの二人に拍手ー」
 私たちが格納庫に戻ると、整備のクルーやオペレーターなどのスタッフさんたちが、ぱらぱらと拍手で迎えてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「……」
「まぁ、いろいろ言いたいことはあるけどさ、初心者にしては上出来だったんじゃない?ひとまず二人とも医務室に行っておいで。反省会はその後でも間に合うさ」
「そうだ、医務室!……一条くんの傷を見てもらわないと」
「……お前のたんこぶもだろ」
「あーん……私は眼鏡も新調しなくちゃ…」
「その眼鏡、ちゃんと度が入ってるんだな」
「うん。昔から本読むのばっかり好きでさ、ベッドにもぐって読んでたら、すっごい悪くなっちゃって……」
 ぼろぼろのリヴァルチャーを背に、私たち自身も満身創痍で、医務室へ歩いて行く。
 飛行していた時間はそう長くないし、もう地上に足がついているのに、感覚的にはまだふわふわしている気がする。膝がぐらぐらして、気を抜くと倒れそうだった。

――――――――――

 翌日、一条くんは変わりなく学校に来ていた。額の傷は何針か縫ったようで、軽く包帯が巻いてあったけど。
 私はというと、昨日の晩からずっと頭のたんこぶが痛くて、寝ようにも眠れなかった。おかげで今日は寝不足で、授業にもあまり集中できない。
「よっこらしょ…」
 お昼休み、中庭のベンチに座って息をつく。お弁当を開けながら、我ながらばばくさ、と思う。
 そういえば、任務の後にウェポンはほかにもいろいろある、って話をしてたっけ。やっぱり蒼絢がいいとかなんだとか。
「……全然話についていけなかった。少し勉強しようかな」
 手元のスマホを開いて、読みかけの電子書籍を開く。

 じゃりっと靴音がして、私の隣に誰かが座った。
 見るともなしに、ちらっと目を向けると、黒髪赤眼の男の子が、コンビニのサンドイッチを食べながら本を読んでいた。
「……あ、あのさ…好きな、本を一冊。教えてくれない?」
 出動前に言ったことを思い出して、あえてそちらを見ないように聞いてみる。
「……」
 案の定というか、言葉での返答はなかった。ただ彼は、今読んでいた薄い文庫本を、私の頭にぽんと置いた。
「え?…えっ??なに?」
 奇跡的なバランスで、頭に載った本にうろたえている内に、一条くんはベンチを立ってどこかに行ってしまった。
 慌てて頭上の文庫を手に取ると、思った以上に薄く、短編集だということがわかる。さっと表紙に返すと表題作は、
『山椒魚』
「……なんだよ、あいつ。それはこっちのセリフだってば」

 ”今でもべつにお前のことをおこってはいないんだ”

――――――――――シーンカット――――――――――

・エンドクレジット・

 ・キャラクターアイコン・
  一条ハルカ…いろんなタイプの男の子
  田沼マコト…だだめーかー
 ・マップ・
  雪鍋闇鍋 様 https://booth.pm/ja/items/3221058

 ・引用 井伏鱒二『山椒魚』

本作は「どらこにあん」及び「株式会社アークライト」が権利を有する『光砕のリヴァルチャー』の二次創作です。

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