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The Case of US 101st Airborne Division

Drop Point[ Area50 / Area54 ] Logistics Strategy

Overview

 米第101空挺師団の担当戦域(エリア数は11)は南北に長くエリアが連なる点が特徴的です。縦に長い構成は地上軍が戦域に突入して6エリアもの道路網を走り抜けないと戦域外へ到達出来ない程です。戦域の形から東西を基点としたドイツ軍侵攻に対して脆弱性を抱えており、とてもこの広さ全域を一個空挺師団で占拠し続けるのは厳しく感じます。特に西端部のZoneに繫がるエリア「48」「49」「55」はこの戦域の ”アキレス腱” とも言えるかも知れません。

 今回の考察では、兵站の運搬コストを利用し、各戦域の特徴を正規分布として図表化を試みました。正規分布を採用した理由は、それぞれのDrop Point(兵站投下エリア)から算出される運搬コストの「分散」の度合いと「標準偏差」から、各担当地域の個性が表現可能なのではないか、図表化による「個性」の可視化が狙いです。

Drop Point :Area 50 / Area 54

Area50A

減衰率 56.06%
 分散Ⅴ(x) [0.776859504]  /  平均(m) [1.636363636]  /  標準偏差σ(x) [0.881396338]

Area54A’

減衰率 56.06%
分散Ⅴ(x) [0.776859504]  /  平均(m) [1.636363636]  /  標準偏差σ(x) [0.881396338]

 上記のマップ・数表・正規分布は、Region101のDrop Point「Area50 / Area54」をそれぞれの地点から算出した運搬ポイントで図表・数表化し比較したものです。

 数値的にはどちらのエリアをDrop pointとして使用しても効率は同じ、と言える結果でした。Region101の減衰率は56.06%、この%は投下された兵站の6割近くが運搬コストとして空費される事を表わしています。何しろDrop Pointエリアから隣のエリアに運搬するだけで50%の物資が宙に消えてゆくのです。さらに両Drop Pointとも分散も標準偏差も同じ……戦域内全域から見て数値的にはどちらを利用しても効率は同じ、と言える訳です。

 ただし、それぞれのDrop Pointから見た戦域の個性は同じでも、戦略方針による部隊配置の偏りが存在する場合、如実にDrop Pointの遠近により兵站輸送の効率に変化が生じます。

 要は、部隊が主に活動する地域が北部ならArea50 を、南部での活動ならばArea54を活用した方が兵站輸送の効率が良いだろう、と直感的に考えることが可能です。その「直感」を数値に置換え、比較検証の俎上に上げよう、というのが今考察の趣旨であり、また主旨でもあります。

Comparison : Ideal Curve

 理想曲線……比較対象としてRegion101と同数のエリアを持つ架空の戦域を創ってみました。

 Monty‘s Gambleのシステムに則った架空の戦域を創造します。Region101と同じ九エリア数は「11」、これは後の算出の為、母数を合わせたためです。そして不可欠な条件として「総運搬コストが最も低い戦域になるようにエリアを構成する」ように作成します。

 上記の条件に則り構成した戦域が以下になります。Drop Pointエリアは「1」つ。Drop Pointエリアに残りの「10」エリア全てが隣接する戦域。

数値に置き替えると数表は以下のようになります。

Ideal Curve.

エリア数「11」(内訳:Drop pointエリアが「1」、投下エリアに隣接するエリアが「10」)

 Drop Pointエリアの運搬コストは「0」。他エリア:Drop Pointへ隣接するエリアの運搬コストは「1」×10エリア。

従って この架空戦域の総運搬コストは「10」…おそらく同条件下の戦域で最も低い総運搬コストかと考えます。

  

Area50 : Map / 減衰率 / 正規分布

 9/18(第2ターン)以降、連合軍の戦車軍団が当戦域を通過した後は第101空挺師団は北方に進軍する友軍の為に補給線を維持する戦域守備隊へと作戦方針が変化して行きます。敵残存部隊の掃討と同時に戦域内へのドイツ軍侵攻を防ぐ為に部隊の再配置が必要です。しかしながら戦域内を空挺部隊のみで守り切るには無理があるでしょう。恐らく大多数の連合軍プレイヤーは地上軍より引き抜いた部隊を当戦域に数ユニット残し、第101空挺師団をバックアップすることになるでしょう。勿論、地上軍の後発部隊を戦域守備充てることもあり得ることと思います。

 ここではArea50 Drop pointを中心に上記の作戦方針を踏まえたうえで米第101空挺師団を北部・または西部へのどちらへ集中運用した方がより兵站需給の効率化が図れるか、を見て行きたいと思います。

北部展開「B」は北部に空挺部隊を集中運用した状態での減衰率と展開エリアから導いた正規分布を表わしています。マップ上の数値に赤い✖がされている地域は戦域外のエリアも含め、地上軍に守備を一任する、という前提としてご覧ください。

西部展開「C」この空挺部隊の守備は「B」よりゲーム的な守備と言えるでしょうか。地帯Zoneよりエリアへ侵入可能な地点Area「48」「49」「55」を直接的に守る配置になります。

北部展開「B」(Area50)

減衰率46.67%

分散Ⅴ(x) [0.254545455]  /  平均(m) [1.2]

 /  標準偏差σ(x) [0.504524979]

西部展開「C」(Area50)

減衰率46.67%

分散Ⅴ(x) [0.254545455]  /  平均(m) [1.2]

 /  標準偏差σ(x) [0.504524979]

 「北部展開」「西部展開」ともに減衰率・標準偏差など同じ数値を示しておりArea50 Drop pointが北部・西部への展開にバランスが良い地点である、と言えるかも知れません。

Area50A 全戦域  /  Area50B「北部展開」

Area50C「西部展開」 / Ideal Curve 理想曲線

 Area50Aは該当戦域が広く(標準偏差の幅が広い値)運搬コストが高い(平均値が高い)為に強く右にずれているのが解ります。Ideal Curveからも最も離れているのは、当然であると言えるでしょう。

 「北部展開」と「西部展開」は算出した数値が全く同じでした。該当エリアを限定し、遠距離の運搬コストを抑えたことによりIdeal Curveにより近い形の曲線を描いています。Area50Aよりも効率の良さが正規分布に現れています。(正規分布も同じ曲線を描きますので頂点から左右に色を変えた曲線にして表示しています。)

Area54 : Map / 減衰率 / 正規分布

 Area54をDrop pointとする利点は、どのような作戦方針で発揮されるものでしょうか。Area50Drop pointよりも北部戦域への兵站運搬は効率が悪い、のは直感的にも判断が付きますので、Area54Drop pointから行う「南部展開」と「西部展開」を見て行きましょう。

南部展開「B’」(Area54)

減衰率46.67%

分散Ⅴ(x) [0.254545455]  /  平均(m) [1.2]

 /  標準偏差σ(x) [0.504524979]

西部展開「C’」(Area54)

減衰率48.33%

分散Ⅴ(x) [0.47272727]  /  平均(m) [1.4]

 /  標準偏差σ(x) [0.687551651]

 結論から述べるなら、Area50Drop pointほどバランスが良い兵站投下エリアではない、といえるでしょうか。しかし、南部展開をプレイヤーが指向するならばDrop PointはArea54に決め打ちと言えるでしょう。

Area54A’ 全戦域  /  Area54B’「南部展開」

Area54C’「西部展開」 / Ideal Curve 理想曲線

西部に対しての数値が弱く、南部展開を行う際に最も効率的でなDrop pointである事が利点。

result of analysis

 米 第101空挺師団の担当戦域に指定されている2箇所のDrop pointエリアは、南北に長い戦域をバランス良くフォローしている、と言えます。纏めとして、もっとも効率の良い運搬コストを示した作戦方針とDrop pointをご覧ください。

 Ideal Curve 理想曲線

Area50B「北部展開」  /  Area50C「西部展開」 / Area54B’「南部展開」

Ideal Curve以外は全て同数値を持つ曲線です。Area50・Area54のどちらを活用するにしても、北部・西部・南部ともに同運搬コストでの兵站需給が可能なバランスの取れたエリアにDrop pointが指定されていることが解ります。

Region101は複数の作戦方針が立てやすい戦域であること、そして逆説的ではありますが、戦略的に特徴があまりない戦域である、と言えるでしょう。勿論、このブログの予測や戦略は小生の個人的な見立てから生まれたものでありますし、各エリア選定も可能な限り客観的に推論を重ねたものですが、独断や恣意が混じっていない、とは決して言えるものではないことを申し添えておきます。

「The Case of US 101st Airborne Division」 has ended.

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