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The Case of US 82nd Airborne Division

Drop Point[ Area32 / Area35 ] Logistics Strategy

Overview

 Region82。構成エリア数は「11」。やや東西に広く構成された豊かな地形を持つ「天然の要害」とも言える地域です。 橋梁都市Nijmegenは北部にWaal Riverを背負い、西南にはMass Riverと運河による天然の二重防護柵が連合軍地上部隊を待ち受け、南東には複数のエリアを跨ぐほどの丘陵地帯が空挺部隊の進撃を阻みます。

 今回の考察では、兵站需給の運搬コストの数値を利用し、各戦域の特徴を正規分布として図表化を試みました。正規分布を採用した理由は、それぞれのDrop Point(兵站投下エリア)から算出される運搬コストの「分散」の度合いと「標準偏差」から、各担当地域の個性が表現出来るだろう、という目算と図表化による「個性」の可視化が狙いです。

Drop Point :Area 32 / Area 35

Area32A

減衰率 59.55%
   分散Ⅴ(x) [1.2727273]  /  平均(m) [2]    /  標準偏差σ(x) [1.12815215]

Area35A’

減衰率 57.27%
 分散Ⅴ(x) [1.2396694]  /  平均(m) [1.8181818] / 標準編標準編差σ(x) [1.113404429]

 米 第82空挺師団の作戦方針は他戦域の空挺兵よりも複雑です。それも戦域の東西で明確に方針が違います。

 西部は、本来の作戦目標である橋梁確保を主とし、地上軍の露払いとしてNijmegenまでの導線の確保。対して東部は地帯ZoneCからのドイツ軍攻勢を睨みながらVP獲得のためDrop point Area35を含めた周辺エリアを確保を前提として動かねばなりません。さらに必要ならばNijmegen攻撃の支援要請も地上軍から受けることになるでしょう。

 このように作戦の比重は東部戦域に偏っています。その偏りを考慮するとDrop pointはArea35一択と考えて良いように思えます。東部には部隊が西部よりも多く降下することも理由の一つとして挙げられるでしょう。数表から比較するとArea35の減衰率も57.27%とArea32 よりも約2%程度低く、減衰平均値平均(m))・分散標準偏差ともにArea32 よりやや低い数値となっていますのでもうほぼ確定といえます。

 しかしながら、地帯侵入エリアArea26/Area36)に近い、という一点については強い不安が残ります。ドイツ軍増援部隊の攻勢目標に容易く選ばれてしまうため、それなりの防御態勢を構築する部隊数が必要です。

Comparison : Ideal Curve

 理想曲線……比較対象としてRegion82と同数のエリアを持つ架空の戦域を創ってみましょう。

 Monty‘s Gambleのシステムに則った架空の戦域は、Region82と同じ「11」エリアとし、後の算出の為、母数を合わせるようにしました。そして不可欠な条件として「総運搬コストが最も低い戦域になるようにエリアを構成する」ように作成します。

 上記の条件に則り構成した戦域が以下になります。Drop Pointエリアは「1」つ。Drop Pointエリアに残りの「10」エリア全てが隣接する戦域。

数値に置き替えると数表は以下のような戦域となります。

Ideal Curve

エリア数「11」(内訳:Drop pointエリアが「1」、投下エリアに隣接するエリアが「10」)

 Drop Pointエリアの運搬コストは「0」。他エリア:Drop Pointへ隣接するエリアの運搬コストは「1」×10エリア。

従って この架空戦域の総運搬コストは「10」…おそらく同条件下の戦域で最も低い総運搬コストかと考えます。

  

Area32 : Map / 減衰率 / 正規分布

Area32B

減衰率 60.50%
   分散Ⅴ(x) [1.172727]  /  平均(m) [2.1]    /  標準偏差σ(x) [1.082925331]

 Drop pointとしてArea32 を利用。東部側へ兵站運搬を主にしArea40を利用しない状況での数値となります。面白いことに、数値は全域を扱ったArea32Aよりも悪い方向に振っています。兵站の要受給エリアを減らすことで運搬コストは下がると想定していましたが、運搬コスト「1」のエリアを省くことでコストを押し下げる要因を取り除いてしまったようです。

 この数表からも解るようにコスト面に関してもArea32は、部隊の作戦要求を満たしていないDrop pointと評価が下せそうです。想定外の事案が発生すれば利用価値が生じて来るかもしれませんが

Area35 : Map / 減衰率 / 正規分布

Area35B’

減衰率 55.00%
分散Ⅴ(x) [1.2727273]  /  平均(m) [1.6]    /  標準偏差σ(x) [0.763636]

Area35C’

減衰率 52.78%
分散Ⅴ(x) [0.5656566]  /  平均(m) [1.4444444]  / 標準偏差σ(x) [0.752101433]

  残念ながら、あまり面白い数値は得られませんでした。Area35C’あたりが兵站戦略の効率的に最も良いといえます。「地上軍をNijmegenへの先導した後は、東部での作戦活動に注力するようになるでしょう。上図表は戦域の兵站受給に関して不必要であろうと想定できるエリアを切り捨てる形で数表を作成してみましたが、あまり意味が無かったようです。当戦域において第82空挺師団に戦略的自由度はほぼ無いだろう、と結論付けてもよいのかもしれません。

result of analysis

 前章の復誦となりますが、Region82のDrop pointはArea35で決まり、と言って良いでしょう。左記へ正規分布の図表として纏めてありますのでご覧ください。

 東部に広がるエリアで戦略的な流動性が望めない為に省いてよいエリアが存在せず、標準偏差の数値はどの分布曲線においても高い数値を示しています。

 Ideal Curveに比べ、どの分布曲線も幅広く頭頂部が低い傾向にあります。

「The Case of US 82nd Airborne Division」 has ended.

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